【ご注意】この記事は、漫画『空をまとって』(古味慎也 著)の重大なネタバレを含みます。未読の方は、まず作品を読んでからお楽しみいただくことを強くおすすめします。
一枚のヌード画に心を奪われた少年が、芸術の最高峰・東京藝大を目指す物語『空をまとって』。その剥き出しの情熱と、ヒリつくような才能のぶつかり合いが多くの読者を惹きつけています。
この記事では、そんな『空をまとって』の第1話から最新話までのあらすじを、物語の大きな流れに沿って徹底解説。主人公・ハロの成長の軌跡と、彼を取り巻く人間模様のネタバレをまとめました。
『空をまとって』の基本情報とあらすじ
『空をまとって』は、『グランドジャンプ』(集英社)で連載中の古味慎也先生による青年漫画です。美大受験、特に最難関である東京藝術大学(藝大)を舞台に、ヌード画に魅せられた少年の成長を描く、熱量の高い青春ストーリーが特徴です。
主人公・小川波路(おがわ・ハロ)は、幼い頃に見た「魔女のヌード」と呼ばれる一枚の絵画に魂を揺さぶられます。以来、彼は「ヌード」というテーマに執着し、その本質を描き出すことを渇望するように。そんな彼の前に現れたのは、あの絵のモデルにそっくりな謎の女性・神生伶(かみお・れい)。彼女から「ヌードを描いて東京藝大に合格しろ」という途方もない課題を突きつけられたハロは、芸術という深く、険しい世界へ足を踏み入れていくのです。
『空をまとって』最新話までのネタバレ・あらすじ
物語はどこまで進んでいるのでしょうか?2025年7月時点で、分冊版は第50話まで配信されています。ここからは、物語の核心に触れるネタバレを含みながら、第1話から最新話までの流れを追っていきます。
物語の始まり:魔女との出会いと目標(第1話~10話頃)
物語は、主人公・ハロが幼少期に蔵で見た一枚のヌード画「魔女のヌード」に心を奪われる場面から始まります。その強烈な原体験から、ハロはひたすらヌードを描くことに没頭する高校生に成長。しかし、モデルがいないため、彼の探求は常に空回りしていました。
そんなある日、ハロは運命的な出会いを果たします。あの「魔女のヌード」のモデルと瓜二つの女性、神生伶。彼女にモデルになってほしいと懇願するハロに対し、伶は「私をモデルにヌードを描いて東京藝大に合格しなさい」という無謀とも思える条件を提示します。この瞬間、ハロの人生の目標が定まり、壮大な挑戦が幕を開けるのです。
才能の激突:予備校とライバル(第11話~30話頃)
藝大合格という目標のため、ハロは美術予備校に通い始めます。そこで彼を待ち受けていたのは、圧倒的な才能を持つライバル・志貴風理(しき・かざり)との出会いでした。風理の描く完璧なデッサンを前に、ハロは一度は打ちのめされますが、彼の内なる情熱は消えません。
ハロには「モデルが歪んで見える」という特異な知覚があり、それが彼の絵の欠点であり、同時に誰も真似できない個性にもなっています。デッサン対決やクロッキー勝負を通じて、ハロは風理という高すぎる壁に挑みながら、「自分だけの表現」とは何かを模索し、もがき苦しみながら成長していきます。この時期の二人の火花散るようなやり取りは、本作の見どころの一つです。
新たな舞台へ:東京夏季講習(第31話~45話頃)
物語の舞台は、地方から芸術の中心・東京へ。さらなるレベルアップを目指し、ハロは美術予備校の夏季講習に参加します。全国から集まった猛者たちの中で、ハロは新たな仲間やライバルと出会い、自身の現在地を痛感させられます。
特に、同じく藝大を目指す仲間・芽冬(ちふゆ)や、浪人生を次々と潰していくことから「多浪キラー」の異名を持つ深谷月姫(ふかや・つきひめ)といった個性的なキャラクターたちが登場し、物語に深みを与えます。慣れない東京での生活、ハイレベルな競争環境、そして芽生える友情。ハロの人間関係が広がり、彼の絵にも変化が訪れ始める重要な章です。
最新話の展開と今後の見どころ(第46話~50話頃)
最新話付近では、夏季講習を経てさらに表現を深化させていくハロの姿が描かれます。ライバルたちとの交流の中で得た刺激は、彼の「歪み」を唯一無二の武器へと昇華させつつあります。
彼の描くヌードは、単なる人体の模写ではなく、モデルがまとう「空気」や「存在そのもの」を捉えようとする、より根源的な探求へと向かっていきます。神生伶との関係にも少しずつ変化の兆しが見え始め、彼女がハロに課題を与えた真の目的も気になるところです。
藝大受験本番は刻一刻と近づいています。ハロは自身の表現を確立し、最難関の扉をこじ開けることができるのか。そして、彼が追い求める「魔女のヌード」の真実とは何なのか。物語は今、最高潮に向けて加速しています。
『空をまとって』の主要キャラクター
本作の魅力を語る上で欠かせない、個性豊かな登場人物たちをご紹介します。
- 小川 波路(おがわ・ハロ)
本作の主人公。「魔女のヌード」に魅せられ、ヌード画を描くことに異常なまでの情熱を燃やす少年。モデルが歪んで見えるという特殊な知覚を持つが、それを武器に変えようと奮闘する。 - 神生 伶(かみお・れい)
ハロが追い求める「魔女のヌード」のモデルにそっくりな謎多き女性。藝大関係者らしく、ハロに「藝大合格」という課題を課す。彼の才能を見抜き、導く存在。 - 志貴 風理(しき・かざり)
ハロの前に現れた天才的な実力を持つライバル。現役藝大生。完璧な技術を持ちながらも、ハロの持つ天性の何かを意識している。 - 芽冬(ちふゆ)
東京の夏季講習でハロが出会う少女。明るく前向きな性格で、ハロの良き友人となる。彼女自身も藝大合格を目指している。
『空をまとって』の魅力とは?読者を惹きつける3つのポイント
なぜ『空をまとって』はこれほどまでに面白いのか?ネタバレを踏まえた上で、その魅力を3つのポイントに絞って解説します。
圧倒的な熱量で描かれる「表現」への渇望
本作の根底に流れるのは、「描きたい」という純粋で暴力的なまでの衝動です。ハロがヌードというテーマに固執するのは、単なる好奇心ではありません。それは、世界の真理や人間の本質に触れたいという、表現者としての根源的な渇望です。そのひたむきな姿は、何か一つのことに夢中になった経験がある人なら、誰もが心を揺さぶられるはずです。
リアルな美大受験の世界と天才たちの群像劇
『空をまとって』は、美大受験のリアルな描写も魅力です。予備校の緊張感、一枚のデッサンに込められた戦略、そして才能の格差。それは単なるスポ根ではなく、それぞれの哲学や人生を賭けた、知的な戦いでもあります。ハロだけでなく、風理や芽冬といったライバルたちの視点も描かれることで、より深みのある群像劇として楽しめます。
「ヌード」とは何か?という哲学的な問い
本作は「ヌード=裸体」という単純な図式に留まりません。「世界を着ている」「空気ごと写し取る」といった作中のセリフに象徴されるように、ヌードを通じて人間の存在そのものを描こうとします。この哲学的で奥深いテーマが、ただの受験漫画とは一線を画す、芸術的な深みを作品に与えています。
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単行本でじっくり物語を追うのもよし、分冊版で最新話をいち早くチェックするのもよし。あなたのスタイルに合わせて選べます。
ハロの情熱、ライバルとの激闘、そして彼がたどり着く表現の境地を、ぜひあなた自身の目で見届けてください!