「もし、愛する人の死の運命を変えるため、過去に戻ることができたら――?」
辻やもり先生が描くタイムリープサスペンス『めぐる未来』は、そんな切実な願いから始まる、愛と狂気が交錯する物語です。感情の昂りをきっかけに過去へ戻ってしまう原因不明の“病”を抱えた夫・襷未来(たすき みらい)。彼は、最愛の妻・めぐるが何者かに殺されたことを知り、彼女を救うために何度も過去への逆戻りを繰り返します。
この記事では、単行本全5巻(単話全40話)で完結した『めぐる未来』の物語を、第1話から最終話の結末まで、時系列に沿って徹底解説します。犯人の正体や動機、ドラマ版との違いにも触れていきますので、物語の全貌を知りたい方はぜひご覧ください。
※この記事は、作品の重大なネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
『めぐる未来』の作品情報
まずは『めぐる未来』の基本的な作品情報をご紹介します。2025年9月現在、電子書籍サイト「コミックシーモア」で全巻・全話が配信されており、いつでも読むことができます。
- 作品名:めぐる未来
- 作者:辻やもり
- 出版社:芳文社
- 掲載誌:週刊漫画TIMES
- 巻数:単行本全5巻(完結)/単話版全40話(完結)
【ネタバレ注意】この記事の読み進め方
この記事は、物語の核心に触れる内容(犯人、結末など)をすべて記述しています。
「まだ結末は知りたくない」「自分のペースで楽しみたい」という方は、以下のリンクからまず原作をお読みいただくことを強くおすすめします。スリリングな展開は、何も知らない状態で読むのが一番です!
単行本と単話版の対応一覧
『めぐる未来』は単行本と単話版で配信されています。どこまで読んだか分からなくなった時の参考にしてください。
単行本 | 収録話(単話版) |
---|---|
1巻 | 第1話~第8話 |
2巻 | 第9話~第16話 |
3巻 | 第17話~第24話 |
4巻 | 第25話~第32話 |
5巻(最終巻) | 第33話~第40話 |
【ネタバレ】第1話から最終話までのあらすじを時系列で解説
ここからは、物語の始まりから衝撃の結末まで、各巻の展開を追っていきます。
始まりの絶望と最初のタイムリープ(1巻:第1話~第8話)
主人公・襷未来は、デザイナーとして働く29歳。彼には、感情が激しく揺さぶられると過去に戻ってしまうという、原因不明の「病」がありました。普段は薬で症状を抑え、5歳年上の妻・めぐると穏やかで幸せな日々を送っています。
しかし、その日常は一本の電話で崩壊します。警察から告げられたのは、めぐるが勤務先のビルから転落死したという信じがたい知らせでした。悲しみと絶望で感情が爆発した未来は、めぐるが死ぬ前の過去へ。これが、愛する妻を救うための孤独な戦いの始まりでした。
何度も過去に戻りながら、未来はめぐるの死が「事故」ではなく「殺人」であると確信。犯人を見つけ出すため、彼女の職場の同僚たちを探り始めますが、過去を変えるたびに新たな脅威が生まれ、事態は悪化の一途をたどります。
深まる謎と協力者の出現(2巻:第9話~第16話)
未来は、めぐるの職場である編集プロダクションの同僚たち――クールな四季村、明るい朝間田、ミステリアスな干支ゆりから――の中に犯人がいると睨みます。調査を進める中で、めぐるが生前「誰かに見られている気がする」と怯えていたことや、カバンに脅迫めいたメモが入れられていた事実が判明します。
ループを繰り返す中で、未来は刑事の日南に行動を怪しまれますが、次第に彼を協力者として引き込むことに成功。しかし、犯人は狡猾で、未来の行動を先読みするかのように犯行手口を変え、めぐるだけでなく未来自身にも危険が迫ります。過去を変えることの難しさと、犯人の底知れぬ悪意に、未来は追い詰められていきます。
過去の因縁とループの代償(3巻:第17話~第24話)
未来は何度かめぐるの死を防ぐことに成功しますが、犯人を捕まえるまでには至りません。それどころか、めぐるを救うと別の誰かが犠牲になるという、タイムリープの恐ろしい副作用が明らかになります。過去の改変は、未来の記憶や精神を少しずつ蝕んでいきました。
物語は、未来自身の過去にも焦点を当て始めます。10年前に未来が起こしたある事件と、彼の「病」の関連性が浮上。未来の母親もまた、この「病」について何かを知っている様子を見せます。犯人の動機が、この過去の出来事と深く結びついていることが示唆され、事件は新たな局面を迎えます。
夫婦の共闘と犯人への肉薄(4巻:第25話~第32話)
これ以上一人で抱えきれないと判断した未来は、ついにめぐるにすべてを打ち明けます。自分の「病」のこと、彼女が殺される運命にあること、そして何度も過去に戻って戦ってきたこと…。すべてを知っためぐるは、絶望するどころか、「二人で未来を変えよう」と未来の手を取ります。
ここから物語は、孤独なサスペンスから夫婦で運命に立ち向かう物語へとシフト。二人は協力して犯人を特定するための罠を仕掛け、ついに犯人の正体へと肉薄します。しかし、それは犯人との全面対決を意味していました。めぐるが誘拐されるなど、事態は最も緊迫した状況へと突入します。
衝撃の結末と二人が選んだ未来(5巻:第33話~第40話)
ついに、犯人との直接対決の時が訪れます。未来とめぐるを執拗に狙う犯人の正体、そしてその歪んだ動機がすべて明らかになります。犯人が抱えていたのは、過去の出来事から生まれた、未来への一方的で身勝手な憎しみでした。
最後のループで、未来はすべてを終わらせるための覚悟を決めます。彼は自らの命を懸けた最後の選択を迫られますが、それは決して悲劇的なだけのものではありませんでした。
最終話では、タイムリープの連鎖が終わりを告げ、未来とめぐるがたどり着いた「本当の未来」が描かれます。多くの犠牲と苦しみの果てに、二人が手にしたものは何だったのか。その結末は、切なくも温かい、まさに“救い”のあるラストシーンとなっています。ぜひ、ご自身の目で見届けてください。
主要登場人物と関係性
物語を理解する上で重要な登場人物たちを簡単にご紹介します。
- 襷 未来(たすき みらい)
本作の主人公。感情が昂ると過去に戻る「病」を持つ。妻・めぐるを深く愛しており、彼女を救うためならどんな犠牲も厭わない。 - 襷 めぐる(たすき めぐる)
未来の妻で、物語のヒロイン。明るく天真爛漫な性格。未来の秘密を知った後も彼を支え、共に運命に立ち向かう強さを持つ。 - 日南 鑑(ひなみ かがみ)
事件を捜査する刑事。当初は未来を疑うが、彼の異常な言動の裏にある真実を知り、協力者となる。 - 四季村 こころ(しきむら こころ)
めぐるの職場の同僚。クールで無表情だが、優れた洞察力を持つ。物語の重要な鍵を握る人物の一人。
犯人と黒幕の正体は誰?【核心ネタバレ】
物語最大の謎である犯人。その正体は、めぐるの同僚の一人でした。
犯人は、過去に未来が善意で行ったある行動によって、人生を狂わされたと逆恨みしていました。その憎しみの矛先が、未来が最も大切にする存在であるめぐるに向けられたのです。
タイムリープを繰り返す未来の行動を先回りできたのは、犯人が未来の行動パターンを徹底的に研究し、予測していたからでした。そこには、常軌を逸した執念と計画性があり、読者を最後まで翻弄します。この歪んだ動機こそが、本作のサスペンスを一層引き立てています。
ドラマ版との主な違いは?
2024年に放送されたドラマ版『めぐる未来』も大きな話題となりました。原作ファンもドラマ視聴者も楽しめるように、主な違いをまとめました。
- 設定の変更:ドラマ版では未来の職業がイラストレーターから映像制作会社のデザイナーに変更されるなど、一部キャラクターの設定が現代的にアレンジされています。
- 展開のスピード感:ドラマは全10話という尺に合わせて、原作のエピソードが整理・再構成されており、よりスピーディーな展開になっています。
- 結末の描写:物語の大筋や犯人は原作と同じですが、最後のシーンの描写やキャラクターたちの後日談に若干の違いがあります。原作読了後にドラマを観ると、その違いも楽しめます。
『めぐる未来』に関するよくある質問(FAQ)
- Q. 結末はハッピーエンドですか?
- A. 完全なハッピーエンドとは言い切れない部分もありますが、多くの読者が「救いのある結末」「感動的なラスト」と感じる、希望に満ちた終わり方です。未来とめぐるの絆の強さが描かれています。
- Q. 主人公のタイムリープ能力の正体は?
- A. 作中では「原因不明の病」として扱われ、科学的な理由は明確にされていません。これは未来の母親にも関係する、家系的な特異体質であることが示唆されています。
- Q. 続編の予定はありますか?
- A. 2025年9月現在、続編やスピンオフの情報はありません。物語は全5巻で美しく完結しています。
衝撃の結末は原作で!『めぐる未来』を読むならコミックシーモア
この記事では『めぐる未来』のあらすじや結末を解説してきましたが、本作の本当の魅力は、ページをめくる手が止まらなくなるほどの緊張感と、未来とめぐるの深い愛情描写にあります。
タイムリープするたびに変化する状況、巧みに張り巡らされた伏線、そして衝撃のラストシーン…。このスリルと感動は、実際に漫画を読んでこそ味わえるものです。
電子書籍サイト「コミックシーモア」なら、スマホやタブレットですぐに全巻を読むことができます。お得なクーポンやキャンペーンも充実しているので、ぜひこの機会にチェックしてみてください。
未来とめぐるが辿り着いた未来を、あなたの目で見届けてみませんか?
まとめ
『めぐる未来』は、ただのタイムリープサスペンスではありません。過去を変えることの代償や、変えられない運命の中で「今をどう生きるか」を問いかける、深いテーマ性を持ったヒューマンドラマです。
愛する人を守るためにすべてを懸ける未来の姿と、彼を信じ支えるめぐるの強さに、きっと胸を打たれるはず。まだ読んだことがない方はもちろん、ドラマ版しか観ていない方にも、ぜひ原作を手に取っていただきたい傑作です。