【ネタバレ注意】この記事には、深山くのえ先生の和風王宮ファンタジー『王と后』について、第1巻から最新第6巻までの重大なネタバレが含まれています。まだ作品を読んでいない方は、閲覧にご注意ください。
禁忌とされる后と若き王の許されない恋、そして王朝の根幹を揺るがす壮大な謎。緻密に張り巡らされた伏線と、心揺さぶる人間ドラマが魅力の『王と后』。
「二人の関係はどうなるの?」「八家に隠された秘密って何?」
そんなあなたの疑問に答えるべく、この記事では物語の核心に迫るネタバレを各巻ごとに分かりやすくまとめました。これを読めば、物語の因果関係がすっきりと理解できるはずです。
『王と后』の壮大な世界観と主要登場人物
物語の舞台は、神話に由来する「八家」と呼ばれる旧家が治める国「千和」。八家はそれぞれが特殊な「術」を有し、その中でも最も強い術を持つ男性が王となる習わしがあります。
そんな千和で、七十年前に都を離れた特異な家、それが天羽家です。天羽家は代々、王に「后」を差し出すことが慣例となっており、その后は事実上の人質として、王と触れ合うことすら許されない孤独な日々を後宮で過ごします。
この歪んだ習わしの中で、運命に翻弄される二人の物語が幕を開けます。
主要な登場人物
- 天羽 淡雪(あもう あわゆき):本作の主人公。天羽家の娘として后に選ばれ、都へやってきます。遠くの出来事を見聞きできる「天眼天耳」という強力な術の持ち主。孤独な後宮で、その術を使い新王・鳴矢の素顔を知り、次第に惹かれていきます。
- 一嶺 鳴矢(いちみね なるや):若くして即位した新王。堅物という前評判とは裏腹に、穏やかで心優しい青年。后である淡雪を人質ではなく、一人の女性として気遣います。しかし、その身には八家の力関係を揺るがすほどの、ある秘密を抱えています。
- 三実(みつみ):先王の時代から宮中を知る謎多き人物。穏やかな物腰の裏に、底知れぬ野心と執着を隠しており、物語全体の陰謀の核として暗躍します。彼の真の目的は、物語最大の謎の一つです。
【巻別】王と后のネタバレあらすじ
それでは、第1巻から最新刊までの物語の流れを、重要なポイントを押さえながら見ていきましょう。
第1巻:禁じられた出会いと静かな恋の始まり
【要約】后として都に送られた淡雪。王と触れ合うことすら禁じられた孤独な後宮で、彼女は自身の術「天眼天耳」を使い、新王・鳴矢の素顔を覗き見ます。そこで知ったのは、彼の意外な優しさと孤独でした。
天羽家の宿命を背負い、后となった淡雪。彼女を待っていたのは、王の顔を見ることも、言葉を交わすことも許されない、まるで鳥かごのような後宮での暮らしでした。しかし、淡雪には秘密の術「天眼天耳」がありました。その力で鳴矢の日常をこっそり観察するうちに、彼が噂されるような冷たい人物ではなく、民を想い、自分と同じように孤独を抱える心優しい青年であることを知ります。
一方の鳴矢もまた、慣習に縛られた后の境遇を憐れみ、どうにか淡雪の心を救おうと心を砕きます。顔を合わせず、言葉も交わさず、けれど確かにお互いを意識し、惹かれ合う二人。この巻では、切なくも美しい関係の始まりと、天羽家が都を去った理由や八家の不均衡といった、物語の根幹をなす謎が静かに提示されます。
第2巻:深まる想いと動き出す陰謀
【要約】鳴矢の身に起きた異変が、宮中に波紋を広げます。二人の距離が縮まる一方で、王の力を恐れる者たちの陰謀が水面下で動き始め、物語は新たな局面を迎えます。
鳴矢と淡雪は、限られた機会の中で心を通わせていきます。しかし、そんな穏やかな時間は長くは続きません。ある出来事をきっかけに、鳴矢の髪の色が変化するという身体的な異変が発生。それは、彼が八家の常識を超えるほどの強大な力を秘めている証でした。この事実は他の七家、特に旧勢力に大きな衝撃と警戒心を与えます。
王の力を危険視する者たちが、静かに、そして確実に動き始めます。淡雪は天眼天耳でその不穏な気配を察知しますが、まだ敵の正体も目的も掴めません。二人の恋模様と並行して、王位を巡る政治的な緊張感が一気に高まり、物語はミステリーの色合いを濃くしていきます。
第3巻:疑惑の渦と試される信頼
【要約】王の命を狙うかのような事件が発生。疑いの目は側近に向けられ、後宮は疑心暗鬼に包まれます。淡雪は真相を突き止めるため奔走しますが、見えてきたのは複雑に絡み合った人間関係でした。
鳴矢の側仕えが使う水差しから、毒の疑いが浮上。典侍である烏丸に嫌疑がかけられ、宮中は不穏な空気に満たされます。淡雪は天眼天耳を駆使して真相を探りますが、事件の裏には単純な憎悪だけではない、それぞれの人物が抱える過去や立場が複雑に絡み合っていることを知ります。
誰を信じ、誰を疑うべきか。この巻では、登場人物たちの隠された一面や過去が次々と明かされ、物語のスケールは単なる王宮の陰謀から、八家そのものが抱える歴史の謎へと大きく広がっていきます。
第4巻:天羽家の過去と新たな繋がり
【要約】淡雪は、自らのルーツである天羽家がなぜ都を追われたのか、その断片に触れます。過去の事件の鍵を握る人物との出会いが、止まっていた歴史の歯車を再び動かし始めます。
淡雪は、都で身分を隠して暮らす天羽家出身の女性・理古と出会います。彼女との交流を通じて、淡雪はかつて都で起きた大火事や、意図的に隠蔽された天羽家の過去にまつわる手掛かりを掴みます。それは、七十年前に天羽家が都を去らざるを得なかった理由へと繋がる、重要なピースでした。
同時に、物語の黒幕として三実の存在感がますます強くなります。彼の目的は何なのか。過去の事件と現在の陰謀が線で結ばれ始め、読者はより大きな謎の渦へと引き込まれていきます。
第5巻:聞こえる過去の声と百年の謎
【要約】淡雪の天眼天耳が、時を超えて過去の情景を視るという新たな覚醒を遂げます。それは、百年前に起きたとされる「神の声」事件の真相に迫る、決定的な一歩でした。
淡雪は、かつての後宮で起きた火事の光景や、そこにいた人々の悲痛な声を、まるでその場にいるかのように体験します。この不思議な体験は、八家の力の源泉や、なぜ天羽家だけが特別な立場に置かれているのかという根源的な謎に繋がっていました。
かつて「神の声」を聞く一族が存在したこと、そしてその記録が意図的に失われたこと。物語の核心は、七十年前の出来事をさらに遡り、「百年前の神の声」という壮大な歴史ミステリーへと深化。鳴矢と淡雪は、バラバラだった謎のピースを組み合わせ、共に真相へと歩みを進めます。
第6巻:月が明かすもの―核心に迫る宴―
【要約】年に一度の月見の宴で、ついに黒幕・三実が鳴矢の前に姿を現します。華やかな宴の裏で恐ろしい計画が進行する中、淡雪は王の危機を察知。そして二人は、百年前の謎を解く鍵に手をかけます。
最新刊である第6巻では、物語が大きく動きます。宮中の重要人物が一堂に会する月見の宴。その緊張感漂う席に、三実は不気味な青年・銀天麿を伴って現れ、鳴矢に揺さぶりをかけます。
宴の裏では、千和の根幹を揺るがすほどの「計画」が着々と進行していました。その危機を天眼天耳で察知した淡雪は、禁忌を破り、鳴矢を救うために行動を起こします。果たして、淡雪は鳴矢を守ることができるのでしょうか。
そして巻末、鳴矢と淡雪はついに「百年前に祝(はふり)の長が聞いたという神の声」の正体に関する、重大な手掛かりを発見します。それは、八家の歴史、そして二人の運命を大きく左右する真実の扉を開くものでした。物語は最高潮の盛り上がりを見せ、次巻への期待が否応なく高まります。
物語の伏線と因果関係まとめ
『王と后』の物語は、複数の謎が複雑に絡み合っています。ここで、主要な因果関係を整理してみましょう。
- 根本的な原因:全ての元凶は、「百年前の神の声事件」と「七十年前に天羽家が都を去った事件」にあります。この過去の出来事が隠蔽・改竄されたことで、八家の間に歪みと不信が生まれ、現在の后制度や宮中の陰謀に繋がっています。
- 現在の対立軸:物語は、旧弊を打ち破り真実を求めようとする鳴矢と淡雪 VS 過去の秘密を守り実権を握り続けたい三実を中心とする旧勢力、という構図で進んでいます。
- 物語を動かす力:淡雪の「天眼天耳」が、隠された真実を暴く鍵となっています。彼女が情報を得ることで、敵の陰謀が明らかになり、それを阻止しようとすることで物語が展開していくのです。同時に、鳴矢の持つ規格外の力が、旧勢力の焦りを誘い、彼らの行動を加速させる要因にもなっています。
今後の展開予想と注目ポイント
第6巻の衝撃的なラストを受け、今後の物語で注目すべきは以下のポイントです。
- 「百年前の神の声」の正体とは?:これが明らかになる時、八家の力関係や千和の歴史そのものが覆る可能性があります。
- 三実の真の目的:彼は一体何を望み、誰のために行動しているのか。彼の過去にこそ、全ての謎を解く鍵が隠されているのかもしれません。
- 淡雪と鳴矢の関係:数々の困難を乗り越え、二人の絆はより強固なものになりました。彼らは「王と后」という禁じられた関係を乗り越え、新たな未来を築くことができるのでしょうか。
謎が謎を呼ぶ展開から、目が離せません。
よくある質問(FAQ)
Q:『王と后』の原作小説は何巻まで出ていますか?
A:2025年5月2日発売の第6巻「王と后(六) 月が明かすもの」が最新刊です。(2025年8月時点)
Q:コミカライズ版はどこで読めますか?
A:コミカライズ版は小学館の「&フラワー」で連載されており、各電子書籍ストアで配信されています。分冊版(マイクロ版)も多数のストアで購入可能です。
まとめ:禁断の恋と王宮ミステリーの先へ
この記事では、『王と后』の第1巻から最新6巻までの壮大な物語をネタバレありでご紹介しました。
許されない立場にありながらも、互いを想い、巨大な陰謀に立ち向かう淡雪と鳴矢。彼らの運命は、そして千和の未来はどうなるのでしょうか。
まだ明かされていない数多くの謎、そしてこれから二人に待ち受けるであろう更なる試練。物語の全貌を知るには、ぜひご自身の目で原作を確かめてみてください。きっと、ページをめくる手が止まらなくなるはずです。
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