穢れた聖地巡礼についてネタバレ完全解説|第1話から結末の因果関係と考察

穢れた聖地巡礼について 少年/青年漫画
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※当記事は、背筋先生の小説『穢れた聖地巡礼について』の重大なネタバレを含みます。未読の方は、物語の衝撃を最大限に楽しむためにも、まずは作品を手に取ってからお読みいただくことを強く推奨します。

「この恐怖は、伝染する。」

人気心霊系YouTuberの過去の罪と、いわくつきの心霊スポットに渦巻く呪いの連鎖。背筋先生が描く『穢れた聖地巡礼について』は、読めば読むほど背筋が凍る、新感覚のホラーミステリーです。

この記事では、物語の導入から衝撃の結末まで、複雑に絡み合った伏線と因果関係を徹底的にネタバレ解説していきます。「あの描写はどういう意味だったの?」「登場人物たちの関係は?」といった疑問を、時系列に沿って解き明かしていきましょう。

『穢れた聖地巡礼について』の基本情報

まずは作品の基本情報からご紹介します。小説版とコミカライズ版、どちらも電子書籍サイト「コミックシーモア」で配信中です。

  • 作品名:穢れた聖地巡礼について
  • 著者:背筋
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日:2024年9月3日
  • ページ数:296ページ

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また、本作は桃井ゆづき先生によるコミカライズも展開されています。小説とはまた違った、視覚的な恐怖を味わいたい方におすすめです。

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物語を紡ぐ主要登場人物たち

物語の謎を解く鍵は、この3人の関係性に隠されています。

  • 池田(チャンイケ):人気心霊スポット系YouTubeチャンネル「オカルトヤンキーch」の配信者。派手な見た目とは裏腹に、大学時代の同級生・鈴木優子に対する罪悪感に苛まれています。その過去の罪が、彼を心霊現象へと引き寄せる原因となっていきます。
  • 小林:フリーの編集者。池田のチャンネルのファンブック企画を出版社に持ち込み、物語を動かす張本人。過去に捏造記事で取材対象を自殺に追い込んだ経験から、人の「負の揺らぎ」を敏感に感じ取る能力を持っています。
  • 宝条:霊感体質の怪談ライター。小林に依頼され、ファンブック企画に参加します。彼の持つ霊的な視点が、常人には見えない怪異の本質を照らし出していきます。

【ネタバレ注意】物語のあらすじと因果関係を徹底解剖

ここから、物語の核心に迫るネタバレ解説を始めます。フリー編集者の小林が、人気YouTuber・池田のファンブックを作る企画を立ち上げたことから、すべての歯車が狂い始めます。

彼らが再取材のために訪れるのは、池田の動画の中でも特に人気の高い3つの心霊スポット。「変態小屋」「天国病院」「輪廻ラブホ」。一見、無関係に見えたこれらの場所は、古くから伝わる「六部殺し」という呪いの伝承で繋がっていました。

変態小屋:呪いの始まりと「六部殺し」の片鱗

最初の聖地「変態小屋」。床一面に散らばる大量の女性の写真は、単なる変質者のコレクションではありませんでした。追加取材を進めるうち、写真の女性たちが次々と不幸な死を遂げていること、そしてその死が「新しい命」を介した復讐の連鎖、すなわち「六部殺し」のパターンと酷似していることが判明します。

ここから、彼らは単なる心霊現象ではない、もっと根深く、計画的な呪いの渦に巻き込まれていくのです。

天国病院:「乗り移り」と「生まれ変わり」の交差点

次に訪れた「天国病院」は、「会いたい人に会える」という噂のある廃病院。ここで一行は、自殺した看護師の怨念が、単にその場に留まるのではなく、生きている人間に「乗り移る」という形で存在し続けていることを目の当たりにします。

「生まれ変わり」とは異なる「憑依」という現象。この違いが、物語の終盤で重要な意味を持ってきます。

輪廻ラブホ:呪いが次の担い手へ渡る場所

壁に「げんきなあなたがうまれます」と不気味な文字が書かれた「輪廻ラブホ」。ここで「六部殺し」の伝承と、呪いが人から人へと受け渡されるメカニズムがより鮮明になります。呪いは終わるのではなく、常に次の「担い手」を探しているのです。

そして、この聖地巡礼と並行して、主人公・池田が抱える過去の罪が暴かれていきます。

池田の罪悪感と「鈴木優子」の真相

池田は大学時代、同級生の鈴木優子に「空っぽ」と言われたことに深く傷つき、呪いの儀式で彼女を呪ってしまった過去がありました。その後、同姓同名の女性が轢き逃げで死亡したニュースを見て、「自分の呪いで彼女を殺してしまった」という強烈な罪悪感を抱え続けていたのです。

しかし、物語はここで大きな転換点を迎えます。轢き逃げの被害者は、池田が知る鈴木優子とは同姓同名の別人だったことが判明するのです。

罪悪感から解放されたかに見えた池田。しかし、本当の恐怖はここからでした。

すべての伏線が収束する衝撃の結末

池田の罪悪感は、事実誤認に基づくものでした。しかし、彼が抱いた「死ねばいいのに」という強い負の感情そのものが、新たな呪いのトリガーとなり得ることを物語は示唆します。

そして、すべての取材を終えた池田のもとに、一本の電話がかかってきます。

電話の向こうから聞こえてくる、冷たい声。その声が告げた言葉が、読者を底知れぬ恐怖へと突き落とします。

「あなたの番」

この一言は、何を意味するのでしょうか。呪いの輪廻は終わっておらず、池田が新たな「担い手」に選ばれたということなのか。それとも、作中で不気味に現れる「風船男」のような怪異が、彼を次のステージへと誘っているのか。

明確な答えは描かれず、物語は幕を閉じます。呪いの連鎖が続くことを予感させる、不穏で美しいラストシーン。この結末の解釈は、完全に読者一人ひとりに委ねられているのです。

よくある質問(FAQ)

結局、鈴木優子は死んだの?

池田が呪った同級生の鈴木優子は生きていました。彼が殺してしまったと思い込んでいたのは、同姓同名の別人です。この「事実」と「思い込み」のズレが、本作の恐怖の核心となっています。

風船男の正体は?

作中で度々登場する、巨大な頭部を持つ人型の怪異「風船男」。その正体は最後まで明かされません。呪いの案内人なのか、それとも呪いそのものの具現化なのか。読者の想像を掻き立てる、謎に満ちた存在です。

続編はあるの?

2025年8月現在、続編に関する公式な発表はありません。しかし、あの意味深なラストを考えると、新たな物語が紡がれる可能性はゼロではないかもしれません。今後の展開に期待しましょう。

まとめ:読み終えた後に、本当の恐怖が始まる

『穢れた聖地巡礼について』は、単純な心霊現象を描いたホラーではありません。人間の罪悪感や負の感情が、いかにして「呪い」という形を成し、伝染していくのかを冷徹な筆致で描いた物語です。

散りばめられた伏線、巧みなミスリード、そしてすべてが繋がったと思った瞬間に突き落とされるラスト。読み終えた後、あなたの背後に新たな「気配」を感じてしまうかもしれません。

この記事で解説した因果関係を踏まえてもう一度読み返すと、初見では気づかなかった新たな発見と恐怖があなたを待っています。ぜひ、この底知れぬ恐怖の巡礼に、あなたも参加してみてください。

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