※この記事には、漫画『サユリ』の重大なネタバレが含まれています。未読の方はご注意ください。
押切蓮介先生が描く唯一無二のホラー漫画『サユリ』。夢のマイホームに引っ越した一家を襲う、あまりにも理不尽な怪異。そして、絶望の淵から始まる壮絶な“逆襲”の物語は、多くの読者に衝撃とカタルシスを与えました。
2024年には実写映画化もされ、再び大きな注目を集めています。
この記事では、そんな『サユリ』の第1話から、完全版にのみ収録された描き下ろし第12.5話までのあらすじを、結末の考察まで含めて徹底的にネタバレ解説します。映画との違いや、お得に読めるコミックシーモアの情報もあわせてご紹介します。
押切蓮介が描くホラーの傑作『サユリ』とは?
『サユリ』は、『ハイスコアガール』や『でろでろ』で知られる漫画家・押切蓮介先生によるホラー作品です。平凡な一家が新居で体験する恐怖と、それに抗う家族の姿を描いています。
本作は当初、単行本全2巻で完結しました。その後、2024年の映画化に合わせて、描き下ろしの新作エピソード「第12.5話」やあとがきを追加収録した『サユリ 完全版』が1冊にまとめられて刊行されています。
物語を隅々まで味わいたい方は、この「完全版」から読むのがおすすめです。
【ネタバレ】『サユリ』第1話から最終話までのあらすじ
それでは、神木家を襲った悲劇と反撃の全貌を、物語の順を追って見ていきましょう。
導入:幸せな日常の崩壊
物語は、神木家が長年の夢だったマイホームへ引っ越してくるシーンから始まります。父、母、長男の則雄、妹、そして祖父母。家族全員が新しい生活に胸を膨らませていました。
しかし、その幸せは長くは続きません。引っ越しの直後、大黒柱である父親が突然、謎の心臓発作で急死してしまいます。これを皮切りに、家の中では奇妙な笑い声や不気味な物音が響き渡り、家族は得体の知れない「何か」の存在を感じ始めます。
家に巣食う存在「サユリ」による、悪意に満ちた呪いが静かに牙を剥き始めたのです。
中盤:加速する絶望と反撃の狼煙
父の死後、神木家を襲う不幸は加速していきます。母は精神のバランスを崩し、他の家族も次々とサユリの犠牲に。ある者は命を落とし、ある者は行方知れずに…家は、もはや安らぎの場所ではなく、逃れられない恐怖の館と化していました。
主人公の則雄は、家族を守るために必死に抗いますが、人知を超えた力の前になすすべもなく、ただ絶望を深めていきます。
全ての希望が潰えたかと思われたその時、事態は誰もが予想しなかった方向へ転がります。生き残った家族の一人、物静かだったはずの祖母が、突如として“覚醒”するのです。
「やられたらやり返す」――。涙を拭い、怒りを力に変えた祖母の覚醒は、この物語が単なる被害者の記録ではないことを示す、反撃の狼煙でした。
終盤:則雄と祖母の壮絶な逆襲
覚醒した祖母は、孫の則雄とともに、家に巣食う霊「サユリ」への壮絶な復讐を開始します。ただ逃げ惑うだけだった神木家は、恐怖の対象に牙を剥く攻撃者へと変貌を遂げたのです。
ここからの展開は、押切蓮介作品の真骨頂。物理的、精神的なあらゆる手段を用いて霊に立ち向かう祖母と則雄の姿は、ホラー漫画でありながら、読者に不思議なカタルシスを与えます。理不尽な恐怖に対し、人間が怒りと執念で立ち向かう姿は、まさに圧巻の一言です。
完全版限定!描き下ろし「第12.5話」の内容は?
『サユリ 完全版』には、単行本未収録の描き下ろし「第12.5話」が収録されています。これは物語の核心を揺るがすものではなく、本編の合間を補完するショートエピソードです。
登場人物の何気ない表情や、本編では描かれなかったシーンの裏側などが描かれており、物語の奥行きと没入感をさらに深めてくれます。『サユリ』の世界をより深く理解したいファンにとっては必読のエピソードと言えるでしょう。
衝撃の結末を考察!『サユリ』が描く恐怖とカタルシス
則雄と祖母による常軌を逸した反撃の果てに、物語はどのような結末を迎えるのでしょうか。
具体的な最後の展開については、ぜひご自身の目で確かめていただきたいのですが、本作のラストは単なる「めでたしめでたし」では終わりません。理不尽な存在に一矢報いた彼らが手にしたものとは…。
読後に残るのは、恐怖だけでなく、やり場のない怒りをぶつけた末の奇妙な爽快感、そして深い悲しみが入り混じった、複雑な感情です。この独特の読後感こそが、『サユリ』がただのホラー漫画で終わらない傑作である理由なのかもしれません。
映画版『サユリ』と原作漫画の主な違い
2024年夏に公開された実写映画版『サユリ』は、『貞子vs伽椰子』や『不能犯』で知られる白石晃士監督がメガホンを取りました。
映画版は、原作の持つ不気味な雰囲気と「逆襲」のカタルシスを忠実に再現しつつも、映像ならではの演出が加えられています。特に、祖母の覚醒シーンやクライマックスの対決シーンは、映画ならではの迫力で描かれており、原作ファンも新たな驚きをもって楽しめるでしょう。
物語の基本的な流れは原作に沿っていますが、一部の描写の変更やキャラクターの解釈に違いが見られます。映画を観て興味を持った方は、ぜひ原作漫画を読んで、その違いを確かめてみてください。
『サユリ』はどこで読める?映画の前に原作をチェック!
押切蓮介先生が描く、恐怖と復讐の物語『サユリ』。その衝撃的な展開と唯一無二の読後感は、ホラーファンならずとも一度は体験する価値があります。
特に、映画では描ききれなかった細かな心理描写や、完全版で追加されたエピソードは、原作でしか味わえません。
電子書籍ストア「コミックシーモア」なら、描き下ろしエピソードを含む『サユリ 完全版』をすぐに読むことができます。
呪われた家で繰り広げられる、神木家の絶望と反撃の物語。その結末を、あなた自身の目で見届けてみませんか?


