【ネタバレ注意】
この記事は、ハセガワM先生の漫画『マリアの棲む家』(単行本1巻)の結末を含む完全ネタバレ記事です。グロテスクな表現や精神的にショッキングな内容に触れていますので、未読の方やホラーが苦手な方はご注意ください。
まず結論!『マリアの棲む家』の結末とは?
『マリアの棲む家』は、引きこもりの少女・小野真理愛が自宅で行方不明になった事件を巡るサイコホラーです。
物語の結末は、主人公格の星野遥香と霊感少女アカリは辛うじて現実世界に生還しますが、事件の元凶である真理愛や、家に関わった大人たちの一部は救われないまま、家の怪異に囚われてしまうという、救いのない後味の悪いエンディングを迎えます。ハッピーエンドを期待する方には、覚悟が必要な作品です。
この物語がなぜそのような結末を迎えるのか、第1話から順を追って詳しく解説していきます。
『マリアの棲む家』作品基本情報
まずは、本作の基本的な情報をおさらいしておきましょう。
- タイトル:マリアの棲む家
- 作者:ハセガワM
- 出版社:KADOKAWA
- レーベル:ビームコミックス
- 巻数:単行本 全1巻(完結)
- 配信状況:コミックシーモアをはじめ、各電子書籍ストアで配信中です。
登場人物一覧
物語を深く理解するために、主要な登場人物たちを紹介します。
- 小野真理愛:物語の中心人物。5年前に「旧小野邸」で忽然と姿を消した引きこもりの少女。彼女の絶望が怪異の根源となります。
- 星野遥香:旧小野邸の向かいに住む引きこもりの女性。かつて真理愛と遊んだことがあり、自室のドアに現れた異変をきっかけに事件に巻き込まれます。
- アカリ:叔母である霊能力者・斉木景子と共に旧小野邸の調査に訪れた少女。強い霊感を持ち、遥香と共に真理愛の心の世界へ足を踏み入れます。
- 日村:高額な報酬に惹かれ、真理愛の捜索依頼を受けた私立探偵。現実的な視点から家に挑みますが、次第に常軌を逸した現象に呑み込まれていきます。
- 斉木景子:アカリの叔母で霊能力者。専門家として怪異に立ち向かいますが、家の呪いは彼女の想像を絶するものでした。
【全話ネタバレ】第1話から最終話までのあらすじを徹底解説
ここからは、単行本1巻に収録されている物語の全貌を、章ごとに詳しく解説していきます。
第1話:不気味な家と怪異の始まり
物語は、近隣から不気味な存在として避けられている「旧小野邸」の描写から始まります。この家では5年前、社長令嬢の小野真理愛が引きこもりの末に行方不明になっていました。
家の向かいに住む引きこもりの女性・星野遥香は、かつて真理愛と交流があった過去を持ちます。ある日、遥香は自室のドアに人間大の黒いシミができているのを発見。そのシミは次第に膨らみ、中から眼球や内臓を思わせるグロテスクな肉塊があふれ出してきます。日常が静かに、しかし確実に侵食されていく恐怖の幕開けです。
第2話:探索者たちの侵入と異変の拡大
遥香が謎の現象に苦しむ一方、旧小野邸には複数の人間が足を踏み入れます。一人は、真理愛の捜索依頼を受けた私立探偵の日村。もう一組は、霊能力者の斉木景子とその姪であるアカリです。
彼らが家を調査する中で、遥香の部屋で起きている現象が、旧小野邸の内部と繋がっていることが判明します。遥香の部屋のドアから溢れ出す「闇」は、単なるシミではなく、真理愛が作り出した異空間への入り口だったのです。
中盤:真理愛の精神世界「地獄」へのダイブ
物語は中盤から、現実世界と真理愛の内的世界が交錯し、一気に加速します。遥香とアカリは、意を決して遥香の部屋のドアから溢れる闇の中へと飛び込みます。
その先は、真理愛が過去に受けた虐待や心の傷が具現化した、悪夢のような世界。壁や床は赤黒い肉塊で覆われ、おびただしい数の眼球がこちらを監視しています。緻密でグロテスクな作画は圧巻で、読者は登場人物たちと共に、出口のない精神の迷宮をさまよう感覚に陥ります。
クライマックス:対峙と無慈悲な結末
真理愛の精神世界は、侵入者たちを排除しようと牙を剥きます。過去のトラウマから生まれた異形の怪物たちが襲いかかり、調査に加わった大人たちは次々とその犠牲となっていきます。私立探偵の日村や霊能力者の斉木も、プロとしての矜持も虚しく、この家の底知れぬ絶望に呑み込まれてしまいます。
遥香とアカリは、世界の中心にいる真理愛の意識と対峙しますが、彼女を「救う」ことはできません。真理愛が抱える絶望はあまりにも深く、外部からの干渉を拒絶するからです。
最終話:誰一人救われないラストの解釈
物語の終わり。遥香とアカリは、辛うじて現実世界へと帰還します。しかし、彼女たちの心には深い傷跡が残りました。そして、旧小野邸の怪異は消え去ることはありません。
真理愛自身はもちろん、彼女を虐待した父親や調査に関わった大人たちの一部は、永遠にあの家(=真理愛の精神世界)に囚われたままとなりました。誰かが救われるカタルシスはなく、ただただ濃厚な「絶望」と「不気味な余韻」だけが残る。これこそが『マリアの棲む家』の結末であり、本作が純粋なホラー作品として高く評価される所以です。
作品の魅力・怖さのポイントはここ!
『マリアの棲む家』の魅力は、単なるネタバレだけでは伝わりきりません。本作を唯一無二のホラーたらしめているポイントを解説します。
- 圧倒的な画力と描き込み:物語が進むにつれて密度を増していく、禍々しくも美しい作画は必見です。特に、内臓や肉塊が蠢く異世界の描写は、生理的な嫌悪感と芸術性を同時に感じさせます。
- 救いのない物語:ホラー作品にありがちな「悪霊を倒して解決」という展開は一切ありません。根源にあるのは少女の「絶望」であり、それは決して消えることのない呪いとして永続します。この徹底した救いのなさが、読後にずっしりとした恐怖を残します。
- 閉塞感と精神的恐怖:引きこもりの少女が作り出した「家」という閉鎖空間が舞台であるため、どこにも逃げ場がないという閉塞感が常に漂っています。物理的な恐怖よりも、精神をじわじわと蝕むような恐怖が好きな方にはたまらないでしょう。
『マリアの棲む家』はどんな人におすすめ?
本作は、間違いなく人を選ぶ作品です。以下の項目に当てはまる方には、ぜひ読んでいただきたい傑作ホラーです。
- グロテスクな表現に耐性がある方
- 救いのないバッドエンドが好きな方
- 伊藤潤二作品のような、生理的嫌悪感を煽るホラーが好きな方
- 緻密な描き込みや独特の世界観を持つアート系の漫画が好きな方
逆に、ハッピーエンドや爽快感を求める方、グロ描写が苦手な方にはおすすめできません。
よくある質問(Q&A)
最後に、本作に関するよくある質問にお答えします。
Q. 読むのにどれくらい時間がかかりますか?
A. 単行本1巻で完結している作品なので、早い人なら30分~1時間程度で読了できます。しかし、その短い時間で濃厚な読書体験ができるのが魅力です。
Q. グロいですか?怖さのレベルは?
A. はい、かなりグロテスクです。内臓や肉塊を思わせる描写が全編にわたって登場するため、ホラー耐性は必須です。怖さのレベルは、お化け屋敷的なビックリ系ではなく、精神的に追い詰められるタイプの最上級レベルと言えるでしょう。
Q. 実写化やアニメ化の予定はありますか?
A. 2025年11月現在、公式からの実写化やアニメ化に関する発表はありません。しかし、この唯一無二の世界観を映像で見てみたいというファンからの声は根強く存在します。
お得に読むならコミックシーモアがおすすめ!
『マリアの棲む家』のネタバレを読んで、作品そのものが気になった方も多いのではないでしょうか。
緻密に描き込まれた絶望の世界は、実際に漫画を読んでこそ真の恐怖を味わえます。電子書籍サイトのコミックシーモアでは、お得なクーポンやキャンペーンを利用して本作を購入できます。
ぜひ、あなた自身の目で、この救いのない物語の結末を見届けてみてください。
まとめ:読む覚悟が試される傑作サイコホラー
この記事では、ハセガワM先生の『マリアの棲む家』の結末やあらすじを徹底的にネタバレ解説しました。
本作は、少女の深い絶望が生み出した、逃げ場のない地獄巡りの物語です。読後、あなたの心に残るのは爽快感ではなく、ずっしりと重い恐怖と一筋の物悲しさでしょう。しかし、それこそが本作の最大の魅力です。
結末を知った上で読むことで、キャラクターたちの行動やセリフに隠された伏線に気づき、より深く物語を味わうことができます。覚悟を決めて、この傑作ホラーの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。


