【閲覧注意】この記事は、漫画『憑きそい』(著:山森めぐみ)の収録作品すべての結末を含む、完全なネタバレ記事です。これから作品を読みたい方、恐怖を新鮮な気持ちで味わいたい方は、ブラウザを閉じることを強く推奨します。
「読んだら最後、あなたの日常にも“それ”は現れるかもしれない…」
Instagramで「インスタ最恐」として話題を呼び、書籍化、さらにはドラマ化もされたホラー漫画『憑きそい』。その魅力は、日常に潜む些細な違和感が、じわりじわりと精神を侵食してくるリアルな恐怖にあります。この記事では、そんな『憑きそい』に収録されている全エピソードのあらすじと結末を、作品の魅力と共に徹底的に解説していきます。
『憑きそい』とは?作品の基本情報
『憑きそい』は、作者である山森めぐみさんが実体験や読者からの投稿を基に描いた、短編形式のホラー漫画です。派手な演出やグロテスクな表現に頼らず、日常の延長線上にある不気味さで読者を恐怖のどん底に突き落とします。
- 著者: 山森めぐみ
- 出版社: 扶桑社
- 配信状況: 現在、コミックシーモアなどで第1巻が配信中です。ほぼ描き下ろしとなる珠玉の恐怖譚が収録されています。
ドラマ化も話題に!原作との違いは?
本作は2023年にFODオリジナルドラマとして映像化され、大きな話題を呼びました。ドラマは全9話で構成されており、原作の持つ不穏な空気感を見事に再現しています。
原作が短編オムニバス形式であるのに対し、ドラマ版はエピソードを再構成し、一本の大きな物語として楽しめるようになっています。原作を読んでからドラマを観るか、ドラマを観てから原作を読むか…どちらから体験するかで、恐怖の感じ方が変わるのも本作の楽しみ方の一つです。
【閲覧注意】ここから先は『憑きそい』全話のネタバレを含みます
準備はよろしいでしょうか?
ここから先は、単行本第1巻に収録されている全エピソードのあらすじと結末を解説します。物語の核心に触れていますので、自己責任でお読みください。
『憑きそい』収録全話のネタバレあらすじ
かくれんぼ
幼い頃に誰もが経験したであろう「かくれんぼ」。しかし、この物語のかくれんぼはどこか異質でした。いるはずのない場所に誰かがいたり、見えない誰かが遊びに混ざっていたり…。子供の無邪気な遊びに紛れ込んだ“何か”の存在。最後に見つかった「それ」の正体は明かされず、読者の記憶に不気味な違和感を植え付けます。
黒い服の人
通勤途中や街角で、なぜかいつも見かける「黒い服の人」。最初は気のせいだと思っていましたが、その存在は日に日に主人公に近づいてきます。他の誰にも見えていないその姿は、果たして何者なのか。物理的な危害はないものの、常に監視されているような精神的な恐怖がじわじわと心を蝕んでいく、ストーカータイプのホラーです。
そっちじゃない
面接会場へ向かう途中、親切な人に教えられた近道。しかし、その道を進むと不気味な場所に行き着いてしまいます。「そっちじゃない」という囁きに従うべきだったのか…。人生の岐路における「選択」がテーマとなっており、一度の間違いが取り返しのつかない結果を招くという、後味の悪い恐怖を描いています。
道連れのトンネル
肝試しの定番、いわくつきのトンネルを訪れた若者グループ。最初はふざけ合っていた彼らでしたが、トンネルの中で次々と不可解な現象に見舞われます。「道連れ」という言葉通り、一人、また一人と“あちら側”へ引きずり込まれていく仲間たち。閉鎖空間の中、逃げ場のない恐怖が襲いかかります。
もう一人の面接官
緊張感が漂う就職活動の面接会場。しかし、その場には本来いるはずのない「もう一人の面接官」が存在していました。主人公にしか見えないその存在は、不気味な笑みを浮かべてこちらを見ています。人生を左右する重要な場面で、見えない存在が与えるプレッシャーと恐怖を描いたエピソードです。
大家さん
引っ越したアパートの大家さんは、少し変わった人物でした。夜中に聞こえる奇妙な物音、隣人の不審な行動。その原因を探るうち、この物件と大家さんにまつわる過去の秘密が明らかになっていきます。住居という最も安心できるはずの場所が、恐怖の舞台へと変貌する日常侵食ホラーです。
経路案内
スマートフォンの地図アプリが示した経路通りに進むと、なぜか目的地からどんどん遠ざかってしまう。同じ場所をループしたり、存在しない道に迷い込んだり…。便利なテクノロジーに潜む罠を描いた現代的な恐怖譚。最終的に辿り着いた場所がどこだったのか、その結末は読者の想像に委ねられます。
丘の上の家
見晴らしの良い丘の上にポツンと建つ一軒家。どこか惹きつけられるようにその家を訪れた主人公は、家の中に渦巻く過去の怨念に囚われてしまいます。家そのものが意思を持っているかのような不気味な描写が続き、一度足を踏み入れたら二度と出られないかもしれないという恐怖を感じさせます。
行き止まり
車で山道を進んでいると、道は突然行き止まりに。引き返そうにも、なぜか道が塞がれています。物理的にも心理的にも追い詰められた状況で、主人公は“何か”の存在に気づきます。逃げ場のない閉塞感が極限の恐怖を生み出す、シンプルな構成ながらも強烈なインパクトを残す一編です。
審査員
とあるコンテストの審査員を務めることになった主人公。しかし、他の審査員たちの評価基準は常軌を逸していました。彼らが求めているのは、才能や努力ではなく、もっと別の“何か”。社会的な評価の裏に隠された人間の狂気と、理不尽なシステムへの恐怖を描き出します。
階段
アパートの階段を上り下りするだけの、ごくありふれた日常。しかし、ある日から階段の段数が変わったり、見知らぬ誰かとすれ違ったりと、異変が起き始めます。毎日使う場所が少しずつ異界へと繋がっていく恐怖。階段を下りきった先に待っている結末とは…?
蛇
主人公の周りに、蛇のように執念深い視線を向ける人物が現れます。その人物の異常な執着は、やがて主人公の日常を脅かし始めます。人間関係の中に潜む嫉妬や怨念が「蛇」というモチーフを通して描かれ、生きた人間の怖さを強く感じさせるエピソードです。
憑きそい
本作の表題作。霊感の強い主人公は、友人や知人に“憑きそっている”霊の姿が見えてしまいます。親切心からそれを伝えようとしますが、逆に気味悪がられ、孤立していくことに。憑いている霊よりも、それを受け入れられない人間の心の闇が恐ろしい。果たして「憑きそい」は祓うことができるのか、それとも共に生きていくしかないのか。明確な答えは示されず、重い問いを読者に投げかけて物語は幕を閉じます。
ゾッとする読後感…『憑きそい』の魅力と怖さの正体
『憑きそい』の最大の魅力は、その圧倒的な「リアリティ」です。
描かれるのは、誰の身にも起こりうる日常の一コマ。だからこそ、些細な違和感が拭い去れない恐怖となって心に残り続けます。
明確な答えが提示されない「余白」の多い結末も特徴で、読者は「あの黒い服の人は何だったのか」「なぜ憑いてきたのか」を考え続け、物語が終わった後も恐怖を引きずることになります。夜中に一人で読むと、部屋の隅や窓の外が気になって眠れなくなるかもしれません。
『憑きそい』に関するよくある質問(FAQ)
Q. 漫画は何巻まで出ていますか?
A. 2025年11月現在、単行本(電子書籍)は第1巻が配信されています。最新の配信状況は各電子書籍サイトでご確認ください。
Q. ドラマは何話までありますか?
A. FODで配信されたオリジナルドラマは、全9話で完結しています。
ネタバレを読んで本編が気になったあなたへ
この記事で紹介した恐怖は、まだほんの入り口に過ぎません。
山森めぐみ先生が描く、じっとりとした空気感、キャラクターの表情、コマ割りの妙…これらは実際に漫画を読んでこそ、その真価を体感できます。
「文字だけでは物足りない」「本当の恐怖を味わいたい」
そう感じた方は、ぜひ電子書籍で本編をチェックしてみてください。特にコミックシーモアなら、お得なクーポンやキャンペーンも充実しており、手軽に試し読みから始めることができます。
あなたのすぐ後ろにも、“何か”が憑きそっているかもしれませんよ…?


