「もしも人生をやり直せたら…」そんな誰もが一度は夢見る願いを叶えた女性の、甘く切ない青春を描いた高梨みつば先生の名作『スミカスミレ』。2025年現在も多くのファンを魅了し続ける本作の結末が気になっていませんか？
この記事では、『スミカスミレ』の全11巻にわたる物語のあらすじから最終巻の結末まで、重要なポイントを徹底的にネタバレ解説します。登場人物の関係性やドラマ版との違いにも触れていくので、本作の世界観をより深く知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
※注意：この記事は、物語の結末を含む重大なネタバレを記載しています。未読の方は、まず作品を読んでからお楽しみいただくことを強くおすすめします。
『スミカスミレ』の作品基本情報
まずは、物語の基本情報をおさらいしておきましょう。
- タイトル：スミカスミレ
- 著者：高梨みつば
- 出版社：集英社
- 掲載誌：Cocohana
- 巻数：全11巻（完結済み）
- ジャンル：少女マンガ、恋愛、ファンタジー、ドラマ化
本作は2016年にテレビドラマ化もされ、原作ファン以外からも大きな注目を集めました。
物語を彩る主要登場人物
『スミカスミレ』の魅力的な世界観は、個性豊かなキャラクターたちによって紡がれます。ここでは物語の中心となる3人をご紹介します。
- 如月澄（きさらぎ すみ） / 如月すみれ（きさらぎ すみれ）
本作の主人公。家族の介護に一生を捧げ、恋も青春も知らぬまま60歳になった女性。母の死をきっかけに、化け猫・黎の力で17歳の姿「すみれ」として人生をやり直すことになります。中身は60歳のままなので、若者言葉や流行に戸惑う姿がコミカルで応援したくなるキャラクターです。 - 黎（れい）
如月家にあった古い屏風から現れた、人の姿になれる化け猫。すみれを若返らせた張本人で、彼女の保護者のように振る舞いながら学園生活を見守ります。ミステリアスな存在ですが、時折見せる嫉妬や優しさが物語の鍵を握ります。 - 真白勇征（ましろ ゆうせい）
すみれが転入した高校のクラスメイト。誰にでも優しく誠実な好青年で、すみれが困っているところを助けたことをきっかけに距離を縮めていきます。すみれにとって、初めての恋の相手となる重要な人物です。
【ネタバレ】1巻～3巻：人生の再スタートと初恋の始まり
物語は、60歳の如月澄が亡き母の遺影に「青春をやり直したい」と涙ながらに語りかける場面から始まります。その時、家にあった屏風から血が滴り、封印されていた化け猫・黎が姿を現しました。
黎の妖術によって、澄はなんと17歳の少女「如月すみれ」へと若返ります。失われた青春を取り戻すため、すみれは高校に通うことを決意。そこでクラスメイトの真白勇征と運命的な出会いを果たします。
見た目は17歳でも中身は60歳の澄。慣れない高校生活に戸惑いながらも、真白の優しさに支えられ、次第に惹かれていくすみれ。文化祭などのイベントを通して二人の距離は縮まり、ついに交際をスタートさせます。初めて経験する恋のときめき、友人と過ごす日々の楽しさ。すみれは、夢にまで見た輝かしい青春を謳歌するのでした。
一方、保護者のように振る舞う黎は、すみれと真白の仲が深まる様子を複雑な表情で見守ります。彼の存在が、今後の物語に大きな影響を与えていくことを予感させます。
【ネタバレ】4巻～6巻：深まる絆と忍び寄る影
真白との交際も順調に進み、幸せな日々を送るすみれ。しかし、その幸せは長くは続きません。すみれの正体を知る者は誰もいないはずでしたが、黎の存在や屏風の秘密に迫る怪しげな人物が現れ始めます。
特に、黎と同じく屏風に封印されていた化け猫・雪洞（ぼんぼり）の登場は、物語に新たな波乱を巻き起こします。彼女は黎に強い執着を見せ、すみれたちの関係をかき乱そうと画策します。
さらに、すみれは「自分がいつか60歳の姿に戻ってしまうのではないか」という恐怖と常に隣り合わせです。真白への想いが深まるほど、秘密を抱え続けることへの罪悪感も増していきます。恋愛の進展と共に、ファンタジーならではの切ない葛藤が色濃く描かれる巻です。
【ネタバレ】7巻～9巻：明かされる過去とそれぞれの覚悟
物語は中盤に差し掛かり、黎がなぜ屏風に封印されていたのか、その壮絶な過去が少しずつ明らかになっていきます。彼が背負う宿命や、すみれ（澄）との間にあった遠い昔からの因縁が描かれ、単なる化け猫ではない、黎というキャラクターの奥行きが一気に増します。
黎の過去を知ったすみれは、彼を救いたいと強く願うようになります。それは、真白への恋心とはまた違う、家族のような深い愛情でした。すみれは、自分の幸せだけでなく、黎の幸せのためにも行動することを決意します。
一方、真白もすみれのミステリアスな雰囲気に何かを感じ取りながらも、彼女への想いを揺るがせることはありません。それぞれのキャラクターが自らの過去や想いと向き合い、未来のために覚悟を決める、非常に重要な展開が続きます。
【ネタバレ】10巻～最終11巻：運命の選択と物語の結末
物語はついにクライマックスへ。黎の力を利用しようとする敵が現れ、すみれは絶体絶命のピンチに陥ります。愛する人々を守るため、そして黎を呪われた宿命から解放するため、すみれは人生を懸けた大きな選択を迫られます。
黎もまた、すみれの幸せを心から願い、自らの存在を賭したある決断を下します。それはあまりにも切なく、自己犠牲的な選択でした…。
しかし、この物語は単なる悲劇では終わりません。60年間の人生で澄が培ってきた優しさと強さ、そしてすみれとして得た真っ直ぐな想いが、絶望的な状況に一筋の光を差し込み、奇跡の結末を引き寄せます。
すみれと真白、そして黎。三人がたどり着いた未来とは？ 全ての伏線が回収され、涙なしでは読めない感動のラストは、ぜひご自身の目でお確かめください。読了後、温かい気持ちに包まれること間違いなしです。
原作漫画とドラマ版の気になる違いは？
2016年に放送されたドラマ版も人気を博しましたが、原作漫画とはいくつかの違いがあります。
一番大きな違いは、物語の結末と時間経過の描き方です。ドラマ版はオリジナルの展開で完結しましたが、原作はじっくりと時間をかけて、高校卒業後から社会人になったすみれたちの姿まで丁寧に描いています。
キャラクターの設定やエピソードにも細かな違いがあり、ドラマ版を楽しんだ方でも、原作を読むことで新たな発見や感動を味わえます。特に、黎の過去や心情の掘り下げは原作ならではの魅力と言えるでしょう。
読者を魅了する『スミカスミレ』のおすすめポイント
『スミカスミレ』がなぜこれほど多くの読者の心を掴むのか。その魅力を改めてご紹介します。
一番の魅力は、「人生のやり直し」というファンタジー設定の中に描かれる普遍的なテーマです。主人公のすみれは、見た目は若返っても中身は60歳のまま。その経験に裏打ちされた優しさや思慮深さが、周囲の人々を惹きつけ、問題を解決へと導きます。
本作は単なる年の差恋愛や青春物語ではありません。「何歳になっても人は輝ける」「誰かのために生きる喜び」といった、心温まるメッセージが込められた人生賛歌なのです。読了後には、自分の人生も少し愛おしく思えるような、優しい気持ちにさせてくれる作品です。
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