「シャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授がもし、腐敗した社会を変えようとするダークヒーローだったら？」
そんな斬新な切り口で多くのファンを魅了する漫画『憂国のモリアーティ』。その衝撃的なストーリーと、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティとシャーロック・ホームズの息をのむような頭脳戦に、ページをめくる手が止まらなくなった方も多いのではないでしょうか。
この記事では、『憂国のモリアーティ』の物語の核心に迫るネタバレを、第一部の衝撃的な結末から2025年より連載が開始された第二部の最新話まで、徹底的に解説します。
- 第一部の結末はどうなったの？ウィリアムは本当に…？
- 最新話（第二部）ではどんな物語が展開されているの？
- アニメや舞台と原作の違いは？
など、ファンなら誰もが気になる疑問に答えていきます。この記事を読めば、『憂国のモリアーティ』の世界をより深く、より面白く楽しめること間違いなしです。
※この記事は、単行本未収録の最新話や物語の結末に関する重大なネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
物語の興奮をもう一度味わいたい方、結末を知った上で読み返したい方も、ぜひ最後までお付き合いください。
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『憂国のモリアーティ』とは？悪を以て悪を裁く犯罪卿の物語
『憂国のモリアーティ』は、原案をアーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズに置き、構成を竹内良輔先生、漫画を三好輝先生が担当するクライムサスペンスです。物語の舞台は、産業革命により発展を遂げる一方、旧態依然とした階級制度が根付く19世紀末の大英帝国。
主人公は、かの有名な名探偵シャーロック・ホームズの最大の宿敵、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。
彼は、類まれなる頭脳を持つ数学教授でありながら、その裏では、腐敗した貴族たちを断罪し、階級制度に縛られた国を内側から作り変えようと目論む「犯罪卿（クライム・ロード）」として暗躍します。
ウィリアムは、兄のアルバート、弟のルイスと共に、同じ志を持つ仲間たちと完全犯罪を計画し、悪徳貴族を次々と社会的に抹殺していきます。彼らのやり方は、法では裁けぬ悪を、より大きな悪で制するというもの。その冷徹で緻密な計画は、まさに芸術の域に達しています。
しかし、彼の前に立ちはだかるのが、唯一彼と対等に渡り合える存在、シャーロック・ホームズ。
悪を裁く「犯罪卿」と、謎を解き明かす「名探偵」。相容れないはずの二人の運命が交錯する時、大英帝国を揺るがす壮大な物語の幕が上がるのです。本作は、単なる悪役の物語ではなく、歪んだ社会に絶望し、理想の未来のためにその身を汚すことを選んだ者たちの、悲しくも美しい「憂国の物語」なのです。
【ネタバレ注意】第一部の衝撃的な結末｜「最後の事件」の真相とは
ここからは、物語の核心である第一部の結末について、詳しくネタバレ解説していきます。ウィリアムが目指した「理想の国」の行方、そしてシャーロックとの宿命の対決の結末は、多くの読者に衝撃と感動を与えました。
「犯罪卿」ウィリアムの真の目的
ウィリアムが率いるモリアーティ陣営の目的は、単なる貴族への復讐ではありませんでした。彼らの真の目的は、「犯罪卿」という巨大な悪の象徴を創り出し、それを民衆の敵として打倒させることで、国民の意識を改革し、階級制度を根底から破壊することにありました。
その計画の最終段階、通称「最後の事件」において、ウィリアーは自らがすべての犯罪を計画した「犯罪卿」であることを世間に公表します。そして、貴族も平民も関係なく、多くの人々を巻き込む大規模なテロを演出し、ロンドンの街を恐怖に陥れます。
これは、人々の中に眠る「正義感」や「団結心」を呼び覚ますための、あまりにも過激な荒療治でした。貴族という共通の敵ではなく、「犯罪卿」という絶対悪を前にした時、人々は階級の垣根を越えて手を取り合えるのではないか──。それがウィリアムの描いた最後の筋書きだったのです。
ウィリアムとシャーロック、宿命の対決と結末
計画の最終局面、ウィリアムは建設中のタワーブリッジの頂上で、宿敵であり、唯一の理解者でもあったシャーロック・ホームズと対峙します。
ウィリアムは、自らが「犯罪卿」として死ぬことで計画を完成させようとします。すべての罪を背負い、人々の憎しみを一身に受け、悪の象徴として葬り去られる。それが彼の望む結末でした。彼はシャーロックに自分を殺させようとしますが、シャーロックはウィリアムの真意と、その奥にある孤独と痛みを完全に見抜いていました。
「お前一人が罪を被って、綺麗に死んで終わらせるなんて許さねえ」
「生きろ、ウィリアム。生きて、お前の罪を償え」
シャーロックは、ウィリアムを殺すのではなく、「生かす」ことを選びます。そして、計画の共犯者としてウィリアムと共に橋からテムズ川へと身を投げるのです。
世間では、「犯罪卿モリアーティは名探偵シャーロック・ホームズと共に死んだ」と報じられ、ウィリアムの計画は成就します。彼の死（とされた出来事）をきっかけに、英国では階級制度を見直す気運が高まり、社会は少しずつ良い方向へと変わり始めました。
これが、第一部「最後の事件」の結末です。自己犠牲によって世界を変えようとしたウィリアムと、その孤独な魂を救おうとしたシャーロック。二人の関係性の到達点として、これ以上なく美しく、そして切ない幕引きと言えるでしょう。
最新話のネタバレと考察｜第二部の新たな戦い
多くのファンが涙した第一部完結から約1年。2025年1月号の『ジャンプSQ.』にて、待望の第二部が開幕しました！
第一部の結末で死んだと思われていたウィリアムとシャーロックは、実は生きていました。「最後の事件」から3年後の世界を舞台に、彼らの新たな物語が始まります。
『憂国のモリアーティ-The Remains-』での補完
第二部の前に、物語を繋ぐ重要な短編集『憂国のモリアーティ-The Remains-』が連載されていました。ここでは、「最後の事件」後のキャラクターたちの様子や、語られなかった過去のエピソードが描かれ、ファン必読の内容となっています。
特に注目すべきは、ウィリアムとシャーロックがスイスのマイリンゲンで療養生活を送る様子です。テムズ川に転落した際、ウィリアムは瀕死の重傷を負い、視力もほとんど失っていました。シャーロックはそんな彼を献身的に支え、二人の間には敵対関係を超えた、静かで穏やかな絆が育まれていました。
第二部の幕開けと新たな脅威「薬物事件」
第二部は、そんな療養生活を終えたウィリアムたちが、再び英国の闇と対峙するところから始まります。
現在のウィリアムは、「犯罪卿」としての過去を捨て、英国政府の非公式な相談役、いわば「影の守護者」として活動しています。一方、ルイスやモネ、ボンドといったかつての仲間たちは、英国全土に蔓延し始めた謎の薬物の行方を追っていました。
この薬物は、使用した人間の潜在能力を異常なまでに引き出す危険な代物。その裏には、MI6（英国秘密情報部）や、死んだはずの「犯罪卿」を信奉する過激な集団など、新たな敵の影がちらつきます。
最新話では、ウィリアeィアムがその卓越した頭脳で薬物事件の謎に迫り、シャーロックもまた独自の調査で事件の核心に近づいていきます。かつて国を破壊しようとした男と、国を守ろうとする男。立場は変われど、二人の共闘が再び見られるのではないかと、ファンの期待は最高潮に達しています。
【考察】第二部の展開はどうなる？
ここからは筆者の考察になりますが、第二部のテーマは「再生」と「贖罪」になるのではないでしょうか。
第一部で世界を一度「破壊」したウィリアムが、今度はその世界を「守る」側に回る。それは彼にとっての罪の償いであり、自らが創り変えた世界に対する責任を果たすための戦いになるはずです。
また、新たな敵は「犯罪卿」の模倣犯や信奉者である可能性が高いと推測します。ウィリアムが生み出してしまった「カリスマ」が、彼の意図しない形で暴走し、新たな悲劇を生む。その連鎖を断ち切ることが、第二部におけるウィリアムの大きな使命となるのかもしれません。
そして何より、ウィリアムとシャーロックの関係がどう変化していくのか。かつての宿敵が、今度はどのような形で協力し、あるいは対立するのか。二人の天才が再び交わる時、どんな化学反応が起きるのか、目が離せません。
最新巻（19巻）は第一部完結の必読巻！
『憂国のモリアーティ』の単行本最新巻は19巻です（2023年2月発売）。
この19巻には、先ほど詳しく解説した第一部のクライマックス「最後の事件」編が完全収録されています。
- ウィリアムが計画の全貌を明かすシーン
- ロンドンの街が大混乱に陥る様子
- そして、タワーブリッジでのウィリアムとシャーロックの最後の対話と決断
物語のすべてがここに詰まっています。何度読んでも胸が締め付けられるような、名シーンの連続です。特に、ウィリアムを救おうとするシャーロックの言葉と行動には、涙なしではいられません。
第一部の壮大なフィナーレを、ぜひ単行本でじっくりと味わってください。アニメや先のネタバレで結末を知っているという方も、漫画ならではの緻密な心理描写や迫力ある作画に、新たな感動を発見できるはずです。
アニメや舞台との違いは？メディアミックスの魅力
『憂国のモリアーティ』は、漫画だけでなく、アニメ、ミュージカル、舞台と幅広くメディアミックス展開されています。それぞれの媒体に違った魅力があり、比較してみるのも楽しみ方の一つです。
| メディア | 特徴 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| 原作漫画 | 最も詳細なストーリーと心理描写。三好先生の美麗な作画が魅力。物語のすべてがここにある。 | 物語を深く理解したい、原作の雰囲気が好きな人 |
| アニメ | 豪華声優陣によるキャラクターボイスと、動きのある映像が魅力。ストーリーは原作に忠実だが、一部再構成されている。 | 作品に初めて触れる人、声優ファン |
| ミュージカル | 歌とダンスで表現される情熱的な物語。キャラクターの感情がダイレクトに伝わる。俳優陣の熱演が光る。 | 音楽や舞台が好きな人、キャラクターに没入したい人 |
アニメ版の特徴
アニメ版（2クール全24話）は、原作のストーリーを大切にしながらも、テンポよく見られるようにエピソードの順番が入れ替えられたり、一部カットされたりしています。特に、「最後の事件」の演出は非常にドラマチックで、映像ならではの迫力があります。斉藤壮馬さん（ウィリアム役）や古川慎さん（シャーロック役）など、声優陣の魂のこもった演技も必聴です。
ミュージカル・舞台版の特徴
通称「モリミュ」と呼ばれるミュージカル版や舞台版は、生の演技ならではの熱量が最大の魅力です。鈴木勝吾さん（ウィリアム役）や平野良さん（シャーロック役）をはじめとするキャスト陣が、歌や殺陣を通してキャラクターの葛藤や情熱を表現します。原作のダークでシリアスな雰囲気を、エンターテインメントとして昇華させた傑作です。
原作を読んだ後に他のメディアに触れると、「このシーンはこう表現するのか！」という新たな発見があり、作品の世界がさらに広がりますよ。
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よくある質問（FAQ）
最後に、『憂国のモリアーティ』に関するよくある質問をまとめました。
Q. 結局、ウィリアムとシャーロックは死んだの？生きてるの？
A. 生きています。 第一部のラスト「最後の事件」でテムズ川に転落しましたが、二人とも生存していました。第二部では、3年後の世界で再び活躍する姿が描かれています。
Q. 漫画は完結したの？最終回はどうなった？
A. 第一部は19巻で完結しましたが、物語全体としては完結していません。 2025年1月号から第二部が連載開始されており、物語は続いています。本当の最終回はまだ描かれていません。
Q. 第二部はいつから始まった？
A. 『ジャンプSQ.』2025年1月号（2024年12月4日発売）から連載がスタートしました。
Q. おすすめの巻は？どこから読むべき？
A. もちろん1巻から読むのがベストですが、特に物語が大きく動くのは、シャーロック・ホームズが本格的に登場する3巻以降です。また、第一部のクライマックスである14巻～19巻の「最後の事件」編は、本作の魅力が凝縮された必読のエピソードです。
まとめ：憂国のモリアーティの本当の戦いはこれからだ！
この記事では、『憂国のモリアーティ』の第一部の結末から最新話までのネタバレ、そして作品の魅力を徹底的に解説しました。
- 第一部はウィリアムの自己犠牲による社会変革で完結
- ウィリアムとシャーロックは生きており、第二部で新たな脅威に立ち向かう
- 第二部は「犯罪卿」が生み出した遺産と向き合う「贖罪」の物語になる可能性
悪を以て悪を裁き、歪んだ世界を一度破壊したウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。彼の本当の戦いは、これから始まるのかもしれません。
緻密に練られたストーリー、魅力的なキャラクターたち、そして胸を打つ人間ドラマ。ネタバレを読んで少しでも興味が湧いたなら、ぜひ原作を手に取ってみてください。きっと、あなたも「犯罪卿」の共犯者になりたくなるはずです。
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