1960年代の長崎を舞台に、ジャズを通じて結ばれる少年たちの熱い友情と切ない恋を描いた不朽の名作、小玉ユキ先生の『坂道のアポロン』。2025年現在も多くのファンを魅了し続けるこの物語の結末が気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、『坂道のアポロン』の第1話から最終巻(全9巻)までのあらすじを、物語の時系列に沿って徹底解説します。アニメや映画との違いにも触れながら、作品の核心に迫ります。
※この記事は作品の結末を含む重大なネタバレを記載しています。未読の方はご注意ください。
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『坂道のアポロン』の主な登場人物
物語を彩る魅力的なキャラクターたち。特に中心となる3人の関係性は必見です。
- 西見 薫(にしみ かおる)
本作の主人公。父親の仕事の都合で九州の叔父の家に預けられた転校生。裕福な家庭で育ち、クラシックピアノを得意とする優等生ですが、内向的で心を閉ざしがち。千太郎との出会いを通じてジャズの魅力に目覚め、大きく成長していきます。 - 川渕 千太郎(かわぶち せんたろう)
薫のクラスメイトで、「札付きのワル」として周囲から恐れられている少年。豪快で破天荒な性格ですが、情に厚く、ドラムの腕はピカイチ。薫をジャズの世界に引き込む、もう一人の主人公です。 - 迎 律子(むかえ りつこ)
薫たちのクラス委員長で、レコード店「ムカエレコード」の一人娘。明るく優しい性格で、誰にでも分け隔てなく接します。千太郎とは幼なじみで、薫と千太郎の友情を温かく見守る存在です。 - 桂木 淳一(かつらぎ じゅんいち)
千太郎が「淳兄」と慕う、大学に通う先輩。トランペットを吹きこなし、薫と千太郎にとってジャズの師匠のような存在です。 - 深堀 百合香(ふかほり ゆりか)
美術部に所属する、ミステリアスな雰囲気を持つ上級生。千太郎が想いを寄せる相手です。
【巻別】坂道のアポロンのネタバレあらすじ
ここからは、単行本全9巻のあらすじを時系列に沿ってご紹介します。彼らの青春がどのように紡がれていくのか、その軌跡を追いかけましょう。
1巻:運命の出会いとジャズセッション
1966年初夏。横須賀から叔父の住む長崎県佐世保市へ転校してきた西見薫。転校初日、息苦しさから逃げ出した屋上で、クラスの不良・川渕千太郎と最悪の出会いを果たします。しかし後日、クラス委員長の迎律子に連れられて彼女の実家「ムカエレコード」を訪れた薫は、地下のスタジオでドラムを叩く千太郎の姿を目の当たりにします。そこで繰り広げられるジャズセッション。クラシック一筋だった薫は、初めて触れるジャズの自由で情熱的なリズムに心を奪われ、千太郎、律子との特別な夏が始まります。
2巻:芽生える友情と淡い恋心
ジャズを通じて、薫と千太郎は唯一無二の親友となっていきます。薫は律子に惹かれ始めますが、律子の視線が幼なじみの千太郎に向けられていることに気づき、複雑な想いを抱えます。一方、千太郎は上級生の百合香に片思い中。薫、千太郎、律子。それぞれの恋心が交錯し、甘酸っぱくも切ない三角関係が動き出します。
3巻:すれ違う想いと嫉妬
薫は律子への想いを募らせますが、千太郎と律子の親密な様子に嫉妬心を隠せません。友情と恋心の間で揺れ動く薫。さらに、千太郎が憧れる淳兄の存在も加わり、人間関係はより複雑に絡み合っていきます。ジャズのセッションにも、彼らの心の揺れが反映され始め、少しずつ不協和音が生じ始めます。
4巻:向き合う過去と家族の絆
物語は登場人物たちの過去にも焦点を当てていきます。薫は、幼い頃に自分を置いて出ていった母親に会うため、一人で東京へ向かう決意をします。母親との再会を通じて、薫は自身の生い立ちと向き合い、精神的に大きな成長を遂げます。この出来事は、薫だけでなく、千太郎や律子との関係にも変化をもたらすきっかけとなります。
5巻:亀裂とそれぞれの道
高校2年生になった薫たち。千太郎が別のバンドの誘いを受けるなど、彼らの周りの環境も変わり始めます。音楽に対する考え方の違いや、恋愛のすれ違いから、薫と千太郎の間に深い溝が生まれてしまいます。かつてのように純粋に音楽を楽しめなくなった3人の関係は、次第にぎくしゃくしていきます。
6巻:文化祭の奇跡!魂のセッション
物語のハイライトとも言える文化祭のエピソード。バラバラになりかけていた薫と千太郎ですが、文化祭のステージで再びセッションをすることに。はじめは噛み合わなかった演奏も、音楽を通じて互いの魂をぶつけ合ううちに、奇跡的なグルーヴを生み出します。体育館を熱狂の渦に巻き込んだ伝説の演奏は、2人の絆を再び固く結びつけました。
7巻:恋の行方と訪れる転機
文化祭を経て、薫と律子の関係に大きな進展が訪れます。自分の気持ちに正直になった薫の行動が、停滞していた三角関係を大きく動かします。一方、千太郎の身辺にも大きな変化が。百合香と淳兄の関係を知った千太郎は、自身の恋に一つの決着をつけ、新たな道を歩み始めようとします。
8巻:忍び寄る別れの影
高校3年生、卒業を間近に控え、それぞれが自らの進路を考え始めます。東京の大学を目指す薫、地元の船乗りになることを考える千太郎。未来への希望と同時に、やがて来る別れの予感が彼らの心をよぎります。そんな中、千太郎の家庭環境にまつわる衝撃的な出来事が起こり、物語はクライマックスに向けて一気に加速していきます。
【結末】最終巻のネタバレと物語のその先
最終巻では、彼らの青春時代に一つの終止符が打たれます。
ある悲しい事件が引き金となり、千太郎は薫や律子の前から突然姿を消してしまいます。親友の失踪に打ちのめされた薫は、失意の中、たった一人で上京し、大学生活を送ることに。時は流れ、彼らはそれぞれの道を歩み始めます。
しかし、物語はそこで終わりません。数年の歳月が流れた後、医師となった薫のもとに、ある情報が舞い込みます。それは、遠く離れた地で、千太郎が生きているという知らせでした。
果たして、薫と千太郎は再会できるのか。そして、律子との恋の行方は…?彼らが奏でた青春のアンサンブルが、どのようなフィナーレを迎えるのか。その感動的な結末は、ぜひご自身の目で確かめてみてください。胸を打つラストシーンがあなたを待っています。
アニメ版・実写映画との違いは?
『坂道のアポロン』はアニメ化、実写映画化もされており、それぞれ高い評価を得ています。しかし、原作漫画でしか味わえない魅力もたくさんあります。
メディア | 特徴 |
---|---|
原作漫画 (全9巻) | キャラクター一人ひとりの心理描写が非常に丁寧。アニメや映画ではカットされたエピソードや、物語のその後を描いた番外編も収録されており、最も深く物語を堪能できます。 |
アニメ版 (全12話) | 音楽をテーマにした作品だけに、実際にジャズの名曲が流れるセッションシーンは圧巻。原作のハイライトを凝縮し、テンポ良く物語を楽しめます。 |
実写映画 | 1960年代の佐世保の街並みが美しく再現されており、役者陣の熱演が光ります。限られた時間の中で、友情と恋の物語が感動的に描かれています。 |
アニメや映画を観てハマった方こそ、原作漫画を読むことで新たな発見や感動が待っています。登場人物たちの細やかな心の機微は、ぜひ原作で味わってみてください。
『坂道のアポロン』ネタバレに関するFAQ
最後によくある質問をまとめました。
Q. 漫画は何巻で完結していますか?
A. 原作漫画は全9巻で完結しています。番外編を収録した『坂道のアポロン BONUS TRACK』も刊行されています。コミックシーモアでは全巻配信中です。
Q. アニメは原作のどこまで描かれていますか?
A. アニメ版(全12話)は、原作のクライマックスである高校卒業までのエピソードを中心に再構成されています。原作の最終巻で描かれる、その後の物語については簡潔にまとめられています。
Q. ネタバレを読んでからでも楽しめますか?
A. はい、間違いなく楽しめます。『坂道のアポロン』の魅力は、ストーリーの結末だけでなく、登場人物たちの心情の移り変わりや、胸を熱くするジャズセッションの描写にあります。あらすじを知ってから読むことで、キャラクターの表情やセリフ一つひとつの意味をより深く味わうことができるでしょう。
まとめ:青春のきらめきと痛みが詰まった不朽の名作
『坂道のアポロン』のネタバレあらすじを1巻から最終巻までご紹介しました。
ジャズ、友情、そして恋。うまくいかないことばかりの青春時代を、不器用ながらも全力で駆け抜けた薫、千太郎、律子。彼らの物語は、読者の心に懐かしくも温かい感動を残してくれます。
この記事であらすじを知り、少しでも「読んでみたい」と感じたなら、ぜひ原作漫画を手に取ってみてください。文字と絵で紡がれるセッションの熱量と、登場人物たちの繊細な心の動きは、あなたの心をきっと震わせるはずです。
コミックシーモアなら、スマホやタブレットでいつでもどこでも、彼らの青春の物語に浸ることができます。この機会に、全巻一気読みしてみてはいかがでしょうか。