【注意】この記事には、漫画『ホムンクルス』の結末までの重大なネタバレが含まれています。
人間の心の歪みが“異形”として見えるようになったら、あなたはどうしますか?
山本英夫先生が描く唯一無二のサイコスリラー『ホムンクルス』は、頭蓋骨に穴を開ける手術「トレパネーション」によって第六感に目覚めた男の物語です。その衝撃的な設定と人間の深層心理をえぐる内容は、完結から時を経た2025年現在も、多くの読者に強烈なインパクトを与え続けています。
この記事では、『ホムンクルス』の第1巻から最終巻(全15巻)までのあらすじを、物語の時系列に沿って徹底解説します。結末が気になる方、物語の全体像をもう一度振り返りたい方は、ぜひ読み進めてみてください。
漫画『ホムンクルス』とは?作品の基本情報
『ホムンクルス』は、『殺し屋1』などで知られる鬼才・山本英夫先生による青年漫画です。人間の内面に深く切り込むテーマ性と、一度見たら忘れられない独特の作画で人気を博しました。
- 作者: 山本英夫
- 連載誌: 週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)
- 連載期間: 2003年~2011年
- 単行本: 全15巻(完結済み)
- 映画化: 2021年に綾野剛さん主演で実写映画化
物語は、新宿の公園で車上生活を送る主人公・名越進が、ある怪しげな医大生から奇妙な実験を持ちかけられるところから始まります。
【巻ごとネタバレ】『ホムンクルス』第1巻から最終巻までのあらすじ
ここからは、第1巻から最終15巻までの物語の流れを、各巻のポイントと共に解説していきます。
第1巻:第六感の覚醒「トレパネーション」
主人公は、高級ホテルの前で車上生活を送る男・名越進(なごし すすむ)。彼の前に、医大生と名乗る伊藤学(いとう まなぶ)が現れます。伊藤は名越に「頭蓋骨に穴を開ける手術(トレパネーション)を受ければ70万円を支払う」という常軌を逸した取引を持ちかけます。金に困っていた名越は、この怪しげな実験の被験者になることを決意。手術後、彼は左目だけで物を見ると、人の心の歪みが“異形の姿”として見えるようになってしまいます。
第2巻:見え始めた「心の歪み」
自分の身に起きた異変に戸惑う名越。彼は伊藤に相談し、自分が見ているものが「ホムンクルス」と呼ばれる、対象者の深層心理が可視化されたものであると知らされます。ヤクザの組長がロボットに見えたり、女子高生が砂の塊に見えたりと、街ゆく人々の心の闇を覗き見る日々が始まります。
第3巻:ホムンクルスとの対峙
名越は、他人のホムンクルスと対峙することで、その人物が抱えるトラウマやコンプレックスを解消できることに気づき始めます。しかし、それは同時に他人の心に土足で踏み込む行為でもありました。そして、名越は自分自身の体の一部もまた、異形に見えることに気づき、内面と外面の境界が揺らぎ始めます。
第4巻:記号の女子高生「1775」登場
名越の前に、特に印象的なホムンクルスを持つ女子高生が現れます。彼女の体は数字や記号の羅列で構成されており、名越は彼女を「1775」と呼びます。彼女の心の闇に深く関わっていく中で、名越は伊藤の実験の倫理的な危うさと、自身が持つ能力の恐ろしさを痛感していきます。
第5巻:他人の深層心理への介入
名越と「1775」ことユカリの関係はさらに深まります。彼女の家庭環境や歪みの原因を探るうち、名越は単に「見る」だけでなく、他人の深層心理へ「介入」するようになります。この力は、彼にとって救いであると同時に、逃れられない呪いとなっていくのです。
第6巻:曖昧になる自己の境界
ホムンクルスの表現は、記号や砂だけでなく、さらに多様で抽象的なものへと変化していきます。他者との境界線が曖昧になる感覚に苛まれながら、名越は次第に封印していた自分自身の過去と向き合わざるを得なくなります。
第7巻~第10巻:暴かれる名越の過去
物語の焦点は、徐々に名越自身の謎へと移っていきます。彼がなぜ車上生活を送っているのか。かつては外資系のエリート銀行員だったという過去、そして美容整形で全く別の顔を手に入れたという衝撃の事実が明らかになります。伊藤もまた、自身の歪んだ性を露わにし、二人の関係は実験の被験者と術者という枠を超え、より複雑に絡み合っていきます。
第11巻~第14巻:過去の罪と精神の崩壊
名越は、自分の過去に関わる女性「ななこ」の存在を追い求めます。整形前の自分と現在の自分、そしてホムンクルスとして見える世界が混濁し、彼の精神は限界へと近づいていきます。他人の心の歪みを癒してきたはずの力が、今度は周囲の人々を悲劇へと巻き込み始め、物語は破滅的な様相を呈していきます。
第15巻(最終巻):衝撃の結末へ
全ての謎と伏線が収束し、物語はクライマックスを迎えます。名越は自身の過去と完全に対峙し、伊藤との関係にも決着が訪れます。彼が追い求めてきた「ななこ」を巡る出来事は、取り返しのつかない悲劇へと発展。名越が最後に見たもの、そして彼が下した選択とは何だったのでしょうか。
単行本の最終巻には、雑誌掲載時にはなかった32ページにも及ぶ描き下ろしのエピローグが収録されています。名越進という男がたどり着いた本当の結末は、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
『ホムンクルス』の主要登場人物
本作の複雑な物語を彩る、中心的なキャラクターたちをご紹介します。
名越進(なごし すすむ)
本作の主人公。見栄と虚構で固めたエリート人生に挫折し、車上生活を送る男。トレパネーション手術によって、人の心の歪みを視覚化する能力を得る。
伊藤学(いとう まなぶ)
名越に手術を持ちかけた医大生。人間の深層心理や欲望に強い興味を持つ。物語を通して、彼の歪んだ倫理観や内面も明らかになっていく。
ななこ
名越の過去に深く関わる謎の女性。彼の記憶の中で断片的に登場し、物語の核心に迫る鍵を握る人物。
1775(ユカリ)
名越が出会う女子高生。全身が数字や記号のホムンクルスに見える。彼女との関わりが、名越の能力と運命を大きく動かすことになる。
作品の核心に迫るテーマと読みどころ
『ホムンクルス』の魅力は、ただ奇抜なだけでなく、読者に深い問いを投げかけるテーマ性にあります。
トレパネーションと第六感
物語の根幹をなす「トレパネーション」は、古代から行われていたとされる穿頭手術です。これをきっかけに第六感が覚醒するというオカルト的な設定が、リアルな心理描写と融合し、独特の世界観を生み出しています。
人間の深層心理を可視化する衝撃
「自分は他人からどう見られているのか?」という普遍的な問いに対し、本作は「心の歪みそのものを見る」という形で答えを提示します。外見と内面、自己認識と他者評価のズレをグロテスクかつ哲学的に描き出す表現力は圧巻です。
映画版(2021年)と原作漫画の違い
2021年に公開された実写映画版は、原作のエッセンスを抽出しつつ、映画ならではの脚色が加えられています。物語の骨子は共通していますが、キャラクターの描写や結末に至るまでの展開には違いがあります。
特に、原作漫画で描かれる名越の過去の深掘りや、最終巻の描き下ろしエピローグで語られる結末は、漫画でしか味わえない体験です。映画を観て興味を持った方も、ぜひ原作を手に取ってみることをおすすめします。
『ホムンクルス』に関するよくある質問
- Q. 漫画『ホムンクルス』は全何巻ですか?
- A. 全15巻で完結しています。
- Q. コミックシーモアで最終巻まで読めますか?
- A. はい、2025年9月現在、コミックシーモアでは第1巻から最終第15巻まで、全巻配信されています。
結末のその先は原作で!『ホムンクルス』をお得に読む方法
この記事では、『ホムンクルス』の壮大な物語のあらすじをネタバレありでご紹介しました。しかし、名越が見た世界の本当の質感、心をえぐられるようなセリフの数々、そして鬼気迫る作画の魅力は、実際に読んでみないと伝わりません。
特に、全てを悟った名越が迎える結末と、単行本でしか読めないエピローグは、あなたの心に深く刻まれるはずです。
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あなたも名越の左目を通して、人間の心の奥底を覗いてみませんか?