【ネタバレ注意】この記事は、世紀末先生の漫画『殺さない彼と死なない彼女』の第一話から最新刊『After』までの結末を含む、詳細なネタバレ解説です。まだ物語の結末を知りたくない方は、ブラウザを閉じることをお勧めします。
先に要点だけ知りたい方へお伝えすると、物語は主人公たちに訪れる衝撃的な別れをもってクライマックスを迎え、その後の日々が続編『After』で丁寧に描かれます。現在、コミックシーモアでは続編を含む全2巻が配信中です。
『殺さない彼と死なない彼女』とは?作品の基本情報
『殺さない彼と死なない彼女』は、漫画家・世紀末先生による、Twitterへの投稿から生まれた感動の4コマ漫画です。主に3組の男女が織りなす不器用で、どこか切ない日常を切り取った群像劇として描かれています。
一見するとネガティブなタイトルですが、その中身は優しさと愛に満ちており、多くの読者の心を掴みました。2019年には実写映画化もされ、大きな話題を呼んだ作品です。
- 作者: 世紀末
- ジャンル: 少女漫画、人間ドラマ、4コマ
- 配信状況: 全2巻(本編+続編『After』)が配信中
物語を彩る主要な登場人物たち
本作は、3つの物語が並行して進みます。それぞれのキャラクターが持つ不器用な魅力が、物語に深みを与えています。
- 小坂れい: 「殺す」が口癖の、ぶっきらぼうで無気力な少年。しかし、その言葉とは裏腹に、根は非常に優しい心を持っています。
- 鹿野なな: 「死にたい」が口癖の、ネガティブな少女。リストカットの痕があり、常に死を意識していますが、小坂れいとの出会いで少しずつ変化していきます。
- きゃぴ子: 「全人類に愛されたい」と願う、明るく振る舞う女の子。いつも彼女をそばで見守る幼馴染の「地味子」との関係性が描かれます。
- 君が代ちゃん: 何度フラれてもめげずに告白を繰り返す、一途で健気な女の子。恋愛に無関心な「八千代くん」との恋の行方が描かれます。
【全話ネタバレ】第1話から衝撃の結末までを時系列で解説
ここからは、物語の核心に触れるネタバレを含みます。各エピソードがどのように繋がり、あの感動のラストへと収束していくのか、その流れを追っていきましょう。
出会い:奇妙で不器用な関係のはじまり
物語は、退屈な日々を送る小坂れいが、教室で死んだハチを埋葬する鹿野ななを見かけるところから始まります。「死にたい」と呟き、どこか儚げな彼女に、れいは興味を惹かれます。
「殺すぞ」と乱暴な言葉を投げかけるれいと、「死にたいからちょうどいい」と返すなな。二人の会話は常にちぐはぐで、一見すると冷たい関係に見えます。しかし、この奇妙な出会いが、互いの孤独な心に光を灯すきっかけとなるのです。
日常の中の優しさ:少しずつ縮まる心の距離
二人の関係は、何気ない日常の積み重ねの中でゆっくりと変化していきます。れいがななの好物であるハチミツをかけたホットケーキを作ってあげたり、なながれいのためにマフラーを編んだり。不器用な二人は、素直な言葉の代わりに、ささやかな行動で互いを思いやります。
並行して描かれる「きゃぴ子と地味子」「君が代ちゃんと八千代くん」のエピソードも、それぞれの形で「愛」や「承認」を求める姿が描かれ、作品全体のテーマである「不器用な優しさ」を補強していきます。
クライマックスと結末:訪れる、あまりにも切ない運命
物語の断片が繋がり始め、登場人物たちの関係性が深まった頃、物語は予期せぬ形で急展開を迎えます。
ある決定的な出来事をきっかけに、れいに悲劇的な運命が訪れるのです。これまで積み重ねてきた何気ない日常や、彼の不器用な優しさが伏線となり、読者の胸に深く突き刺さります。
「殺す」という言葉の裏にあった本当の気持ち、そして「死にたい」と願っていた少女がどう生きていくのか。本作の結末は、具体的な描写をあえて抑えることで、読者一人ひとりの心に強い余韻を残す、涙なしには読めないものとなっています。
続編『After』で描かれる“その後”の世界
衝撃の結末から月日が流れた“その後”を描くのが、続編である『殺さない彼と死なない彼女 After』です。
コミックシーモアの商品説明にも「長いエピローグ」とあるように、この続編では、残された登場人物たちが喪失とどう向き合い、日々を生きていくのかが丁寧に描かれています。本編で心を揺さぶられた読者にとって、必読の内容と言えるでしょう。
彼らが選んだ未来、そして心の中に生き続ける大切な記憶。物語の本当の結末を、ぜひその目で見届けてください。
続編『After』まで一気に読もう!
映画との違いは?原作ならではの読みどころ
2019年に公開された実写映画も高い評価を得ていますが、原作漫画にはまた違った魅力があります。
言葉の裏に隠された本当の優しさ
「殺す」「死ね」といった攻撃的な言葉が、実は愛情や関心の裏返しとして描かれる本作。4コマという短い形式だからこそ、セリフ一つひとつの重みや、言葉にできない感情が際立ちます。この独特の空気感は、原作ならではの魅力です。
群像劇としての完成度
映画では時間軸を整理して描かれていますが、原作では3組の物語が断片的に、そして交互に提示されます。一見バラバラに見えるエピソードが、終盤に向けて一つの大きな感情のうねりへと繋がっていく構成は見事です。このカタルシスは、ぜひ原作で味わってほしいポイントです。
まとめ:『殺さない彼と死なない彼女』はどこで読める?
『殺さない彼と死なない彼女』は、ただ切ないだけの物語ではありません。不器用ながらも必死に生きるキャラクターたちの姿を通して、生きることの愛おしさや、誰かを想うことの温かさを教えてくれる作品です。
電子書籍ストア「コミックシーモア」では、本編と続編『After』の全2巻が配信されています。
映画を観て感動した方も、この記事で初めて興味を持った方も、ぜひ原作漫画を手に取ってみてください。きっとあなたの心に残る一冊になるはずです。


