優柔不断な男と、彼を一途に愛し続ける男。二人の危うい関係が織りなす、切なくも激しい恋愛模様を描いた水城せとな先生の傑作『窮鼠はチーズの夢を見る』。
2020年には実写映画化もされ、多くの人の心を揺さぶりました。しかし、原作漫画で描かれる心理描写の深さは、また格別です。
この記事では、原作漫画『窮鼠はチーズの夢を見る』の第一話から最新話（コミックシーモア配信マイクロ版13巻）までのあらすじを結末まで、完全ネタバレで解説します。
登場人物の関係性や、実写映画版との違いにも触れていくので、物語の核心を知りたい方はぜひ読み進めてください。
【ご注意】本記事は物語の結末を含む重大なネタバレを記載しています。未読の方はご注意ください。
『窮鼠はチーズの夢を見る』作品概要
『窮鼠はチーズの夢を見る』は、漫画家・水城せとな先生による作品です。女性向けコミック誌で連載され、その繊細でリアルな心理描写から、BLというジャンルを超えて多くの読者から高い評価を得ています。
物語は、受け身で流されがちな性格の主人公・大伴恭一と、彼を長年一途に想い続けてきた大学の後輩・今ヶ瀬渉の関係を中心に展開。愛と執着、嫉妬と依存が渦巻く、ビターで濃密な大人の恋愛ストーリーです。
主な登場人物
- 大伴恭一（おおとも きょういち）
広告代理店に勤めるサラリーマン。優柔不断で誰にでも優しく、来るものを拒まない性格が災いし、常に浮気を繰り返しています。物語の主人公であり、今ヶ瀬との関係を通して自身の感情と向き合うことになります。 - 今ヶ瀬渉（いまがせ わたる）
大学時代から恭一に想いを寄せる後輩。興信所の調査員として恭一の浮気調査を請け負ったことをきっかけに、彼との関係を強引に開始します。一途で嫉妬深く、恭一への愛は時に狂気的な執着を見せます。 - 主要な脇役たち
恭一の妻・知佳子や、元恋人の夏生、会社の同僚など、二人の関係に影響を与える様々な人物が登場し、物語に複雑な摩擦と深みを与えています。
【ネタバレ】第一話から最新話までのあらすじを徹底解説
ここからは、コミックシーモアで配信中のマイクロ版1巻から13巻までの流れを追いながら、物語の核心に迫ります。
第1話：偶然の再会と危険な取引
妻・知佳子から浮気の疑いをかけられた主人公・大伴恭一。彼の前に現れたのは、妻が雇った興信所の調査員であり、大学時代の後輩・今ヶ瀬渉でした。今ヶ瀬は、浮気の証拠を突きつけ、「事実を黙っている代わりに、あなたとキスがしたい」と衝撃的な取引を持ちかけます。その場しのぎで応じてしまう恭一でしたが、この瞬間から二人の歪んだ関係が静かに始まります。
第2話：流される日々と芽生える感情
妻との関係は冷え切っていく一方で、恭一は今ヶ瀬との密会を重ねます。流されやすい性格の恭一は、今ヶ瀬のペースに巻き込まれ、関係を断ち切ることができません。職場の女性からも好意を寄せられる中、恭一は自分の心がどこにあるのか分からず、戸惑いを感じ始めます。
第3話：嫉妬の影と過去の繋がり
今ヶ瀬の恭一に対する執着が徐々に明らかになります。恭一の元カノ・夏生の存在や、今ヶ瀬が長年恭一を想い続けてきた過去が垣間見え、物語は複雑な様相を呈していきます。恭一もまた、自分では気づかないうちに、今ヶ瀬の存在に心をかき乱されていくのでした。
第4話：一線を越える夜
曖昧だった二人の関係は、ついに一線を越え、肉体関係へと発展します。しかし、それは決して甘いだけの時間ではありません。既婚者である恭一の罪悪感、妻との離婚問題、そして今ヶ瀬の隠された深い想いが絡み合い、二人の関係をより一層複雑にしていきます。
第5話：執着の正体
今ヶ瀬の激しい愛情表現に、恭一はこれまで誰にも感じたことのない独占欲を抱き始めます。ただ流されていただけの関係が、いつしか恭一の中で特別なものに変わりつつありました。一方で、今ヶ瀬が大学時代からどれほど恭一を想っていたのか、その過去が明かされます。
第6話：すれ違う心
恭一の元カノや会社の同僚など、外部の人間が二人の関係に介入し始めます。今ヶ瀬の激しい独占欲と、恭一の優柔不断さが原因で、二人の間には少しずつすれ違いが生じ、穏やかだった関係に波風が立ち始めます。
第7話：訪れる亀裂
関係の亀裂は決定的となり、二人の心は離れていきます。精神的に追い詰められる今ヶ瀬と、現状を変えられない自分に嫌気がさす恭一。激しい衝突の末、今ヶ瀬は恭一の前から姿を消してしまいます。
第8話：不在が告げる本当の気持ち
今ヶ瀬が去ってから数ヶ月。恭一は元カノの夏生と付き合い始め、平穏な日常を取り戻したかのように見えました。しかし、彼の心には常に今ヶ瀬の不在が大きな影を落としています。失って初めて、今ヶ瀬が自分にとってどれほど大きな存在だったのかを痛感するのでした。
第9話：雨の中の再会
ある雨の日、二人は劇的な再会を果たします。空白の時間を埋めるかのように、互いの感情を激しくぶつけ合う恭一と今ヶ瀬。一度は壊れたはずの関係でしたが、この再会をきっかけに、二人の想いは再び燃え上がります。
第10話：向き合う覚悟
再び始まった二人の関係。しかし、過去の過ちや周囲の人間関係が、依然として彼らの前に立ちはだかります。今ヶ瀬の激しい愛情を受け止めながら、恭一は今度こそ自分の気持ちから逃げずに、彼と真剣に向き合う覚悟を決め始めます。
第11話：愛と依存のクライマックス
物語はクライマックスへ。恭一は、今ヶ瀬と共にいる未来を選ぶのか、それとも離れるのか、人生を左右する大きな決断を迫られます。濃密な心理描写と感情のぶつかり合いを通して、二人の関係の本質が問われます。
第12話：さらけ出す弱さ
互いの過去や弱さをすべてさらけ出し、二人は最終的な関係の形を模索します。これまであった誤解が解け、ただひたすらに互いを求め合う。物語は、感動のラストに向けて静かに収束していきます。
第13話：二人が選んだ結末
恭一と今ヶ瀬、二人の長い愛憎劇に、ついに決着の時が訪れます。恭一が下した最後の決断とは？そして、今ヶ瀬はその答えをどう受け止めるのか？
愛なのか、執着なのか、それとも依存なのか――。様々な感情が渦巻いた末に二人がたどり着く結末は、読む者の心に深く、そして静かな余韻を残します。この感動のラストシーンは、ぜひご自身の目でお確かめください。
原作漫画と実写映画の主な違い
実写映画版も非常に評価が高いですが、原作漫画との間にはいくつかの違いがあります。
- 心理描写の深さ：原作漫画では、恭一のモノローグや今ヶ瀬の細かな表情の変化が丁寧に描かれており、キャラクターの心の機微をより深く味わうことができます。
- エピソードの有無：映画の尺の都合上、原作の一部のエピソードやサブキャラクターとのやり取りは簡略化されています。原作を読むことで、二人の関係性をより多角的に理解できるでしょう。
映画で感動した方こそ、原作を読むことで新たな発見や感動が待っているはずです。
読後の考察：これは愛か、それとも執着か
『窮鼠はチーズの夢を見る』は、単なる恋愛物語ではありません。本作は私たちに「愛とは何か」という普遍的なテーマを突きつけます。
今ヶ瀬の行動は、一途な愛なのか、それとも歪んだ執着なのか。恭一が感じた感情は、愛情なのか、それともただの依存だったのか。物語には明確な答えが用意されていません。だからこそ、読者は自分自身の価値観と照らし合わせながら、二人の関係性について深く考えさせられるのです。決断できない人間の痛みや、誰かを求める心の渇きが、痛いほどリアルに描かれています。
よくある質問（FAQ）
Q1：漫画は何巻で完結していますか？
A1：コミックシーモアでは、物語の結末までを描いたマイクロ版が全13巻で配信されています。（2025年11月現在）
Q2：映画と原作の結末は同じですか？
A2：物語の大きな流れやテーマは共通していますが、結末のシーンにおける演出やキャラクターの心情表現には違いがあります。ぜひ両方を見比べて、その違いを楽しんでみてください。
『窮鼠はチーズの夢を見る』はどこで読める？
『窮鼠はチーズの夢を見る』は、国内最大級の電子書籍ストア「コミックシーモア」で読むのがおすすめです。
コミックシーモアなら、マイクロ版で1話ずつ自分のペースで読み進めることも、お得なセットで一気にまとめ買いすることも可能です。もちろん、無料の試し読みも充実しています。
まだ読んだことがない方は、まずは無料試し読みで、この物語の持つ独特な空気に触れてみてはいかがでしょうか。
まとめ：心を揺さぶる傑作をその目で
今回は、水城せとな先生の『窮鼠はチーズの夢を見る』のあらすじを、第一話から結末までネタバレでご紹介しました。
ただ流されるだけだった男が、一人の人間との出会いによって自分の感情と向き合い、大きな決断を下すまでの物語。その切なくも美しい結末は、きっとあなたの心に深く刻まれるはずです。
この記事を読んで少しでも興味が湧いた方は、ぜひ原作漫画を手に取って、恭一と今ヶ瀬が紡ぐ物語のすべてを体験してください。
