※ネタバレ注意※ この記事は、漫画『恋する寄生虫』（原作：三秋縋、漫画：ホタテユウキ）の第1巻から最終巻までのあらすじと結末を詳しく解説しています。まだ作品を読んでいない方は、物語の重要な展開を知ることになりますのでご注意ください。
孤独を抱える男女が出会い、惹かれ合う。しかし、その恋心は“寄生虫”によって生み出されたものだったとしたら…？そんな衝撃的な問いを投げかける本作の魅力を、結末まで徹底的に掘り下げていきます。
本作はコミックシーモアで全3巻が配信されており、完結済みです。この記事を読んで気になった方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。
『恋する寄生虫』とは？作品の基本情報
『恋する寄生虫』は、三秋縋の同名小説を原作とし、ホタテユウキが漫画を手掛けた作品です。角川コミックス・エースから刊行され、コミックは全3巻で美しく完結しています。極度の潔癖症で社会から孤立する青年と、視線恐怖症で不登校の少女。二人の歪で純粋な恋物語が、繊細な筆致で描かれています。
第1巻ネタバレ：孤独な二人の出会いと奇妙な契約
物語は、極度の潔癖症により失業し、社会との関わりを絶った青年・高坂賢吾の視点から始まります。彼の前に突然現れた謎の男・和泉から、「不登校の少女の面倒を見てほしい」という奇妙な依頼を受けます。
その少女こそ、もう一人の主人公・佐薙ひじり。白金色の髪にヘッドフォンが特徴的な彼女は、他人の視線を極度に恐れる視線恐怖症を患っていました。当初、二人の関係はぎこちなく、ひじりは高坂に対して心を閉ざしています。
しかし、「社会復帰のためのリハビリ」という名目で共に過ごす時間が増えるにつれ、互いの抱える孤独や弱さに触れていきます。「クリスマスまでに手をつなぐ」というささやかな目標を立て、少しずつ物理的、そして心理的な距離を縮めていく二人。孤独な魂が共鳴し合うように、彼らの間には特別な感情が芽生え始めていました。
第2巻ネタバレ：芽生えた恋心と“虫”がもたらす残酷な真実
リハビリを通して、高坂とひじりの関係は単なる協力者から、恋人同士のような親密なものへと変化していきます。互いにとって唯一無二の存在となり、このまま幸せな日々が続くかのように思われました。
しかし、その穏やかな日常は、和泉によって告げられた衝撃の事実によって打ち砕かれます。
「君たちの頭の中には、新種の寄生虫が棲みついている。その恋は、虫によって操られた感情だ」
高坂の潔癖症も、ひじりの視線恐怖症も、すべてはこの寄生虫が原因であること。そして、二人が強く惹かれ合ったのも、宿主同士を引き合わせようとする虫の本能によるものだったのです。この残酷な真実は、彼らのアイデンティティと恋心の根幹を揺るがします。
「この感情は偽物なのか？」と苦悩する高坂に対し、ひじりは「たとえ虫に操られていても、あなたに愛されていると感じるこの瞬間が幸せ」と口にします。自らの意思か、虫の操りか。二人は出口のない問いに深く苛まれていくのです。
最終巻（3巻）ネタバレ：引き裂かれた二人と余韻を残す結末
「恋する寄生虫」の存在が明らかになり、高坂とひじりは治療のために引き離されることになります。彼らの頭から“虫”を駆除し、それぞれが“普通”の生活に戻るための処置でした。
治療が進むにつれ、高坂の潔癖症は少しずつ快方に向かっているかのように見えました。しかし、それは本当に望んだ結果だったのでしょうか。虫を失うことは、ひじりへの想いを失うことと同義だったのかもしれません。
物語は、単純なハッピーエンドを迎えるわけではありません。治療の果てに待っていたのは、予想だにしない展開でした。最終的に、ひじりは高坂の前から姿を消してしまいます。
彼女はどこへ行ったのか。虫がいなくなった後、二人の間に生まれた感情は何だったのか。物語は明確な答えを示さず、読者の心に深く、静かな余韻を残して幕を閉じます。この結末をどう解釈するかは、読んだあなた次第です。
「虫」の正体と物語が問いかけるテーマ
作中に登場する“虫”は、実在する寄生虫「フタゴムシ」などがモチーフになっていると考えられています。フタゴムシは雌雄が一体となって生きるという特徴があり、決して離れることのない高坂とひじりの関係性を象徴しているかのようです。
この物語が私たちに投げかけるのは、「感情の起源は重要か？」という根源的な問いです。たとえきっかけが寄生虫であったとしても、二人が共に過ごした時間、育んだ想いは本物ではなかったのでしょうか。当事者が幸せであるならば、その感情の正当性を他者が問うことはできるのでしょうか。
『恋する寄生虫』は、単なる恋愛物語ではなく、愛や幸福の本質を問う、深く哲学的な作品なのです。
映画版や原作小説との違いは？
『恋する寄生虫』は2021年に実写映画化もされており、林遣都さんと小松菜奈さんが主演を務めました。映画や原作小説と比較すると、コミカライズ版はビジュアルの力でキャラクターの心情や物語の切ない雰囲気をより直感的に伝えてくれる魅力があります。
- 原作小説：登場人物の心理描写がより深く、詳細に描かれています。
- 映画版：映像美と俳優陣の演技により、物語の世界観に没入できます。
- 漫画版：小説の繊細な心情と、映画のビジュアル的な美しさを両立させた、バランスの取れた表現が特徴です。
それぞれのメディアで異なる魅力を発見できるので、漫画を読んだ後に他のメディアに触れてみるのもおすすめです。
『恋する寄生虫』はどこで読める？お得な情報も
漫画『恋する寄生虫』は、電子書籍ストア「コミックシーモア」で全3巻が好評配信中です。完結済みなので、一気に物語の結末まで読み進めることができます。
コミックシーモアなら、無料の試し読みも充実しています。まずは1巻を少し読んでみて、作品の雰囲気が自分に合うか確かめてみるのがおすすめです。
切なくも美しい二人の恋の行方を、ぜひあなた自身の目で見届けてください。
まとめ：偽りの恋から始まる、真実の愛の物語
『恋する寄生虫』のネタバレと結末について解説しました。寄生虫という奇妙な存在から始まった二人の関係は、私たちに「愛とは何か」を問いかけます。
切ない結末ではありますが、そこに込められたメッセージは深く、読み終えた後も長く心に残ることでしょう。この記事で興味を持たれた方は、ぜひコミックシーモアで原作の持つ独特の空気感に触れてみてください。
