西尾維新が贈る大人気ミステリー「忘却探偵シリーズ」。その記念すべき第一作が『掟上今日子の備忘録』です。
眠ると記憶がリセットされてしまう探偵・掟上今日子が、事件を「今日のうちに」解決する姿は、多くの読者を魅了し続けています。
この記事では、『掟上今日子の備忘録』に収録された全5話のあらすじから結末、そして物語の核心に迫るトリックまで、徹底的にネタバレ解説します。
「結末を知ってから安心して読みたい」「ドラマ版との違いが気になる」という方は、ぜひ最後までお付き合いください。
※この記事は作品の重大なネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
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『掟上今日子の備忘録』の作品概要
『掟上今日子の備忘録』は、「忘却探偵シリーズ」の第1作目として刊行されたミステリー小説です。「物語シリーズ」や「戯言シリーズ」で知られる西尾維新による、軽快な会話劇とロジカルな謎解きが融合した傑作として知られています。
- 著者: 西尾維新
- イラスト: VOFAN
- シリーズ: 忘却探偵シリーズ
- 収録話数: 全5話の連作短編集
2015年には実写ドラマ化もされ、大きな話題を呼びました。原作の持つ独特の雰囲気と、映像ならではの表現が組み合わさり、新たなファン層を獲得しました。
物語を彩る主要登場人物
本作の魅力は、なんといっても個性豊かなキャラクターたち。物語の中心となる二人を紹介します。
掟上今日子(おきてがみ きょうこ)
一日で記憶がリセットされてしまう「忘却探偵」。どんな事件も即日解決をモットーとする最速の名探偵です。忘れてはならない情報は、自身の体にマジックペンで書き留めています。白髪と眼鏡がトレードマークで、そのミステリアスな存在感が読者を引きつけます。
隠館厄介(かくしだて やくすけ)
人生で常に不運に見舞われ、あらゆる事件で犯人だと疑われてしまう青年。本作におけるワトソン役であり、物語の語り手でもあります。彼の「冤罪体質」が事件の引き金となり、今日子との運命的な出会いを果たします。今日子に想いを寄せていますが、彼女の記憶が毎日リセットされるため、その関係は常に「初めまして」から始まります。
【全話ネタバレ】掟上今日子の備忘録のあらすじと結末
ここからは、単行本に収録されている全5話のあらすじと結末を、章ごとに詳しくネタバレ解説していきます。
初めまして、今日子さん
勤め先の研究所で、機密データが入ったSDカード紛失の容疑をかけられた隠館厄介。人生において数えきれないほど冤罪を経験してきた彼は、探偵斡旋所「サンドグラス」を通じて、忘却探偵・掟上今日子に助けを求めます。
タイムリミットが迫る中、今日子は圧倒的な速さで現場を調査。彼女が導き出した結論は、「犯人探し」ではなく、研究所の管理体制の盲点を突いた驚くべき真相でした。データは盗まれたのではなく、ある人物の勘違いと隠蔽工作によって「ない」ことにされていたのです。今日子の鮮やかな推理により厄介の疑いは晴れ、彼はこの忘却探偵に惹かれていくのでした。
紹介します、今日子さん
人気漫画家が脅迫される事件に巻き込まれた厄介。再び今日子に依頼をしますが、現場には容疑者候補が多数。アシスタント、編集者、誰もが怪しく見えます。
今日子は関係者との会話から巧みに情報を引き出し、一見無関係に見える数字の羅列やパスワード設定の癖から、犯人の正体に迫ります。トリックの鍵は、デジタル化された現代ならではの金銭トラブルと、人間関係の歪み。犯人は最も信頼されていたはずの内部の人物でした。今日子の推理は、事件の真相だけでなく、クリエイターたちの苦悩までも浮き彫りにします。
お暇ですか、今日子さん
ある小説家の遺稿を探す依頼。しかし、手掛かりは「120分のカセットテープ」や「修正テープ」といった、時代錯誤なアナログ品ばかり。厄介は今日子と共に、故人が遺した謎のメッセージの解読に挑みます。
今日子は、これらのアナログ品が示す言葉の裏の意味を見抜きます。消えた原稿は、物理的な「紙」ではなく、全く別のメディアにデータとして隠されていました。「カセットテープ」という言葉が、実は別の意味を持つダブルミーニングになっていたのです。この事件を通じて、記憶を失う今日子と、記憶を遺そうとした故人の対比が切なく描かれます。
失礼します、今日子さん
このエピソードは、今日子自身の謎に少しだけ迫る物語です。ある人物の警護を依頼された今日子と厄介。しかし、事件は単純な警護では終わりません。
物語の核心は、今日子がなぜ「忘却探偵」になったのか、その過去を匂わせる部分にあります。事件そのものは解決しますが、今日子の体にあるメモの意味や、彼女が守ろうとする「ルール」の背景が示唆されます。厄介との関係性にも微妙な変化が生まれ、シリーズ全体のテーマである「記憶の価値」を読者に問いかける、重要なお話です。
さようなら、今日子さん
本作の最終話。厄介が持ち込んだのは、ある人物の「人生」そのものに関わる、非常にデリケートな依頼でした。それは、これまでの事件とは一線を画す、推理だけでは割り切れない、人の想いが絡んだ謎でした。
今日子が出した結論は、単なる犯人探しや真相究明ではありませんでした。彼女は、依頼人の想いを最大限に尊重し、忘却探偵だからこそできる、あまりにも切なく、そして優しい「嘘」で事件を締めくくります。
毎日記憶を失う今日子と、彼女との記憶を積み重ねていきたい厄介。二人の関係は決して交わることのない平行線なのかもしれません。読者の胸に深い余韻を残す結末は、ぜひ原作で確かめてみてください。
物語の核心に迫るトリックを徹底解説
『掟上今日子の備忘録』で使われるトリックは、物理的な証拠だけでなく、人間の心理的な盲点や思い込みを利用したものが特徴です。
- デジタルとアナログの融合: SDカードやクラウドといった現代的なテーマと、カセットテープのような古いメディアを組み合わせ、読者の先入観を巧みに裏切ります。
- 言葉の多義性: 西尾維新作品ならではの言葉遊びがトリックに直結しています。何気ない一言が、実は事件解決の重要なヒントになっているのです。
- 「忘却」という設定: 今日子が記憶を失うからこそ、先入観なく物事を観察でき、真相にたどり着けるという設定が、ミステリーとしての面白さを加速させています。
犯人が「なぜそのトリックを使ったのか」という動機まで深く掘り下げられるため、謎解きの爽快感と人間ドラマの両方を楽しめるのが最大の魅力です。
実写ドラマ版との違いは?
2015年に放送された新垣結衣さん主演のドラマ版も人気を博しましたが、原作とはいくつかの違いがあります。
- ストーリー構成: ドラマ版は1話完結のエピソードが多く、原作の複数のエピソードを再構成したり、オリジナル要素を加えたりしています。
- キャラクターの役割: ドラマ版では、厄介以外のオリジナルキャラクターや、原作では脇役だった人物の役割が大きくなっています。
- 雰囲気: 原作が持つ軽妙でロジカルな会話劇に対し、ドラマ版は登場人物たちの人間関係やコメディ要素がより強調されています。
ドラマから入った方も、原作を読むことで西尾維新特有の緻密な伏線回収や、より深いキャラクターの心理描写を味わうことができます。ぜひ両方を見比べて、その違いを楽しんでみてください。
『掟上今日子の備忘録』はどこで読める?
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よくある質問
- Q. 掟上今日子の記憶は本当に戻らないのですか?
- A. はい、シリーズを通して彼女の記憶は眠るたびにリセットされるという設定は一貫しています。なぜそうなったのかという謎が、シリーズ全体の大きな魅力の一つとなっています。
- Q. 「忘却探偵シリーズ」は完結していますか?
- A. 2025年11月現在、シリーズはまだ完結しておらず、続刊が刊行されています。本作を読んだ後も、今日子と厄介の物語を追い続けることができます。
- Q. 読む順番は『備忘録』からで良いですか?
- A. はい、本作がシリーズ第1作目なので、ここから読み始めるのがおすすめです。『掟上今日子の備忘録』から順番に『掟上今日子の推薦文』『掟上今日子の挑戦状』と続いていきます。
まとめ:忘却探偵の魅力と次に読むべき作品
この記事では、『掟上今日子の備忘録』の全5話のネタバレあらすじと、その魅力について解説しました。
- 最速の謎解き: 記憶を失うハンデをものともしない、今日子の鮮やかな推理。
- 切ない関係性: 毎日「初めまして」から始まる今日子と厄介の、もどかしくも応援したくなる関係。
- 緻密な伏線: 西尾維新ならではの言葉遊びとロジックが織りなす、完成度の高いミステリー。
忘れてしまうからこそ、今この瞬間を全力で生きる今日子の姿は、私たちに「記憶」とは何かを問いかけてきます。ミステリー好きはもちろん、切ないラブストーリーが好きな方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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