【注意】この記事には、漫画『体育館の殺人』の重大なネタバレ(犯人、トリック、結末)が含まれています。
まだ物語の結末を知りたくない方は、ブラウザを閉じて、まずは作品を読むことを強くおすすめします。論理の鎖が繋がる快感を、ぜひご自身の目で確かめてください。
青崎有吾先生の傑作ミステリを名鳥輪先生が鮮やかにコミカライズした『体育館の殺人』。アニメ好きの引きこもり探偵・裏染天馬が、学内で起きた密室殺人の謎に挑む本格ミステリです。
この記事では、結末を知った上でもう一度物語を振り返りたい方や、どうしても真相が気になる方のために、犯人やトリック、各話のあらすじを徹底的に解説します。
先に結論をお伝えすると、この事件の犯人は生徒会長の正木章弘です。なぜ彼が犯行に至ったのか、その巧妙なトリックとは何だったのか、物語を順に追いながら見ていきましょう。
『体育館の殺人』作品概要と配信状況
『体育館の殺人』は、第22回鮎川哲也賞を受賞した青崎有吾先生のデビュー作(裏染天馬シリーズ第1作)を原作としたコミカライズ作品です。
- 原作: 青崎有吾
- 漫画: 名鳥輪
- 出版社: KADOKAWA
- 掲載誌: 月刊コミックアライブ
【2025年11月現在の配信状況】
コミックシーモアでは、コミカライズ版の単行本1巻と、単行本を細かく分けた分冊版が12話まで配信中です。物語は分冊版12話で完結しており、事件の真相まですべて読むことができます。
【全話ネタバレ】体育館の殺人 あらすじを時系列で一挙解説
雨が降りしきる放課後、旧体育館で起きた一つの事件。ここから、裏染天馬の鮮やかな推理劇が始まります。分冊版の各話に沿って、物語の核心に迫っていきましょう。
第1話:雨の旧体育館、惨劇の幕開け
物語は、旧体育館の舞台袖で放送部部長・朝島の遺体が発見される場面から始まります。現場は施錠されており、状況は完全な「密室」。唯一、現場近くにいた卓球部部長の佐川に疑いの目が向けられます。卓球部員の袴田柚乃は、佐川の無実を信じ、学園一の変わり者として知られる裏染天馬に助けを求めることを決意します。
第2話:変わり者の名探偵、裏染天馬登場
柚乃の依頼を受け、アニメ鑑賞の合間に重い腰を上げた天才・裏染天馬。彼は現場の状況を聞いただけで、いくつかの矛盾点を指摘します。特に彼の興味を引いたのは、事件現場から少し離れた男子トイレに不自然に置かれていた一本の黒い紳士物の傘。この傘が、後の推理の重要な鍵となっていきます。
第3話:交錯する証言とアリバイ
裏染と柚乃は関係者への聞き込みを開始。放送部員、演劇部員、そして生徒会のメンバー。それぞれのアリバイや証言が少しずつ食い違い、事件はより複雑な様相を呈していきます。裏染は放送室のDVDやリモコンといった些細な物証から、犯人像を少しずつ絞り込んでいきます。
第4話:疑惑の人物と新たな謎
捜査線上に何人かの容疑者が浮上しますが、いずれも密室状況を説明できず、決定的な証拠に欠けていました。警察の捜査も難航。そんな中、新たな証言によって、事件当日の被害者と生徒会の間に何らかのトラブルがあった可能性が浮かび上がります。
第5話:事件の鍵を握る「一本の傘」
裏染は、再びあの「傘」に注目します。なぜ傘はあそこに置かれていたのか? 誰の物なのか? そして、なぜ持ち主は名乗り出ないのか? この傘が単なる忘れ物ではなく、犯人が仕掛けたトリックの一部であることを見抜いた裏染は、犯人へと繋がる論理の糸をたぐり寄せ始めます。
第6話:放送室に残された不自然な痕跡
放送室の利用状況を再調査する中で、ある決定的な手がかりが発見されます。それは、犯人が「放送室の機材に精通している人物」であることを示す痕跡でした。これにより、容疑者の範囲はさらに限定されることになります。
第7話:食い違う証言と真実の行方
関係者の証言をパズルのように組み合わせる裏染。誰が嘘をつき、誰が真実を語っているのか。些細な矛盾を突き、アリバイを崩していく過程は圧巻です。特に、生徒会メンバーの言動に、裏染は鋭い視線を向けます。
第8話:裏染天馬の推理ショー開幕
集まった情報をもとに、裏染はついに仮説を構築します。「犯人は特定の時間にアリバイがなく、放送室を利用でき、かつ傘のトリックを実行可能な人物」。原作小説でいう「読者への挑戦状」にあたるこのパートで、犯人特定の条件がほぼ出揃います。
第9話:水面下で動く生徒会の思惑
事件の背景に、生徒会内部の権力争いがあったことが明らかになります。被害者の朝島は、生徒会長・正木のある「秘密」を握っていました。その秘密こそが、今回の事件の引き金となったのです。また、生徒会長の座を狙う八橋の暗躍も、事件に複雑な影を落としていました。
第10話:犯人へと続く論理の道筋
すべてのピースが揃いました。傘の謎、放送室の痕跡、関係者のアリバイ、そして動機。裏染はこれらの情報を一本の線で繋ぎ、たった一人の人物を犯人として特定します。
第11話:ついに明かされる犯人の正体
関係者を集めた裏染は、淀みない推理を展開。彼は、犯人が生徒会長・正木章弘であると断定します。正木が朝島を殺害し、いかにして密室を作り上げたのか。傘を使った巧妙なトリックの全貌が、彼の口から語られます。
第12話(最終話):事件の真相と残されたもの
正木の犯行は、自身のカンニングという不正を朝島に知られ、それをネタに脅されたことへの口封じでした。すべての謎が解き明かされ、事件は幕を閉じます。しかし、事件の裏で暗躍していた人物の存在も示唆され、後味の良さだけでは終わらない、人間ドラマの深みを感じさせる結末となっています。登場人物たちがこれからどうなっていくのか、その余韻はぜひ本編で確かめてみてください。
『体育館の殺人』最大の謎!密室トリックと傘の論理を解説
この物語の核心は、巧妙に仕組まれた密室トリックと、その鍵となる「傘の論理」です。
【トリックの要点】
- 密室の構築: 犯人は体育館の舞台袖で朝島を殺害後、内側からしか施錠できない仕組みの扉を、ある道具を使って外から施錠しました。
- 傘の役割: 男子トイレに置かれた傘は、犯人のアリバイ工作と、密室トリックを完成させるための重要な小道具でした。犯人はこの傘を利用して、自分が事件当時に別の場所にいたように見せかけたのです。
裏染天馬は、傘が「なぜ」「誰によって」「どのように」置かれたのかを論理的に突き詰めることで、犯人のアリバイを完璧に崩しました。この鮮やかな論理展開こそ、本作最大の魅力と言えるでしょう。
犯人は誰?動機と事件の全貌
改めて、事件の犯人と動機をまとめます。
- 犯人: 正木章弘(生徒会長)
- 動機: 自身のカンニング行為を被害者の朝島に知られ、口封じのために殺害。
- 共犯・黒幕: 直接の共犯者はいませんが、生徒会副会長の八橋が、正木を失脚させて会長の座を奪うために、朝島を焚きつけて事件の引き金を引いたという側面もあります。
完璧に見えた生徒会長が抱える闇と、学園内の人間関係が複雑に絡み合った、悲しい事件だったのです。
読者への挑戦状!あなたはどこで真相に気づけましたか?
原作小説では、解決編の前に「読者への挑戦状」が挿入されます。漫画版でも、裏染が推理を披露する前に、犯人を特定するためのヒントはすべて提示されていました。
あなたはどの段階で犯人が分かりましたか?
- 不自然に置かれた傘に違和感を覚えた時?
- 放送室の機材の扱いに気づいた時?
- 生徒会メンバーの言動が怪しいと感じた時?
ぜひ、もう一度読み返して、散りばめられた伏線を探してみてください。きっと新たな発見があるはずです。
『体育館の殺人』をお得に読むならコミックシーモア!
この記事を読んで、改めて『体育館の殺人』を読みたくなった方も多いのではないでしょうか。文字で読むのとは違う、漫画ならではの緊迫感やキャラクターの表情をぜひ体験してみてください。
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※注意※ 分冊版は単行本の内容を分割したものです。重複購入にご注意ください。
よくある質問(FAQ)
Q. コミックシーモアでは何話まで読めますか?
A. 2025年11月現在、コミックシーモアでは単行本1巻、分冊版は12巻(最終話)まで配信されています。分冊版で事件の結末まで一気に読むことが可能です。
Q. 原作小説と漫画の違いはありますか?
A. ストーリーの根幹は原作に忠実ですが、漫画ではキャラクターの表情や事件現場の様子が視覚的に描かれるため、より臨場感を持って楽しめます。裏染天馬のキャラクターもビジュアル化されることで、さらに魅力的に感じられます。
まとめ:本格ミステリの傑作を漫画で体感しよう!
『体育館の殺人』は、緻密なロジックと魅力的なキャラクターが織りなす、本格ミステリの傑作です。特に、すべての伏線が回収される解決編の爽快感は格別です。
「犯人を知ってから読むと、キャラクターの何気ない一言や行動が伏線だったことに気づけて二度美味しい」のもミステリの醍醐味。
あなたもこの機会に、裏染天馬の名推理を漫画で追体験してみませんか?


