「この子知りませんか?」は、てぃーろんたろん先生が描く、人生に絶望したおじさんと謎多き家出少女の逃避行を描いたサスペンス・ヒューマンドラマです。
先の読めない展開と、心に深く突き刺さるキャラクターたちの物語が話題を呼び、多くの読者を魅了しています。2025年11月現在、コミックシーモアでは全7巻で堂々の完結を迎えています。
この記事では、「この子知りませんか?」の第1話から最終巻(7巻)までのあらすじを、結末の核心に触れる部分まで完全ネタバレで解説します。
「結末が気になって仕方ない」「読む前に全体の流れを知っておきたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
※本記事は作品の結末を含む重大なネタバレを記載しています。未読の方はご注意ください。
『この子知りませんか?』の作品概要
『この子知りませんか?』は、日常に潜む狂気と、孤独な魂が寄り添う切ない物語が見事に融合した作品です。サスペンスやホラーの要素を含みながらも、その根底には深い人間ドラマが流れています。
| 作者 | てぃーろんたろん |
|---|---|
| ジャンル | 青年マンガ、人間ドラマ、ホラー、サスペンス |
| 巻数 | 全7巻(完結済み) |
| 主な配信サイト | コミックシーモア など |
【2025年最新】配信状況と完結情報
2025年11月現在、「この子知りませんか?」は電子書籍サイトを中心に全7巻が配信されており、物語はすでに完結しています。
最終巻である7巻の配信をもって、良平と千秋の旅路のすべてが描かれました。これから読む方は、結末まで一気に読み進めることができます。
主要な登場人物
物語を動かす二人の主人公と、彼らを取り巻く重要なキャラクターたちを紹介します。
| キャラクター | 説明 |
|---|---|
| 中山良平 | 34歳の町工場勤務の男性。自分の意志で何も決めてこなかった人生に嫌気がさし、衝動的に職場を飛び出して旅に出る。 |
| 木口千秋 | 良平の職場の裏口に現れていた小学生の少女。良平の旅に半ば強引に同行する。その正体は物語最大の謎。 |
| ヤス | 良平の旧友。失踪した良平を心配し、その行方を追う中で事件の真相に近づいていく。 |
| 高橋 | オカルトに詳しい良平の同僚。千秋にまつわる不可解な現象について、独自の視点から良平に助言を与える。 |
【完全ネタバレ】1話から最終巻までのあらすじを巻ごとに解説
ここからは、物語の核心に迫るネタバレを含みます。第1巻から最終7巻までの衝撃的な展開を、時系列に沿って追っていきましょう。
第1巻:旅の始まりと謎の同乗者
「自分で決める」ことをせず、流されるままに生きてきた中山良平。ある日、鬱屈した感情が爆発し、上司を殴って会社を飛び出します。彼は「やり残したことリスト」を胸に、あてのない旅に出ることを決意。しかし、車の荷台には見知らぬ少女・木口千秋が潜んでいました。
千秋の「どこかへ連れて行って」という懇願を受け入れた良平は、奇妙な二人旅を始めます。しかし、道中で見せる千秋の不可解な言動や、時折見せる暗い表情は、この旅がただの逃避行ではないことを予感させます。
第2巻:深まる謎と追跡の影
旅を続ける中で、良平と千秋の間には少しずつ絆のようなものが芽生え始めます。しかし、千秋は時折、過去のトラウマを彷彿とさせる断片的な記憶を口にします。一方、良平の失踪は警察や旧友たちの知るところとなり、静かに捜索の輪が狭まっていきます。
この巻では、読者に対して「木口千秋という少女が過去に事故で亡くなっている」という衝撃的な情報が断片的に示唆され始め、物語は一気にサスペンスの色を濃くしていきます。
第3巻〜第4巻:過去の事件と交錯する世界
物語の舞台は、千秋の過去に深く関わる「窪山町」へと移ります。良平は千秋の正体を探るうち、この町で過去に起きた忌まわしい事故と、それが隠蔽されてきた事実に気づき始めます。
さらに、物語は現実世界だけでなく、千秋が見ている「常識の通じない世界」の描写が交錯し始めます。彼女の前に現れる謎の存在や、不気味な現象の数々。これは現実なのか、それとも…。読者は良平と共に、この世界の真実を見極めようと引き込まれていきます。
第5巻〜第6巻:真相への接近と隠蔽された狂気
良平は旧友のヤスや同僚の高橋の協力を得て、窪山町の闇にさらに深く迫ります。子どもたちの連続失踪、不気味な慰霊碑、そして村人たちがひた隠しにする血塗られた過去。すべての点が線で繋がり始めたとき、良平たちは事件の核心に限りなく近づきます。
しかし、真相に近づくほど、千秋の身に起こる異常現象は激化。彼女を蝕む「死に神」と呼ばれる存在の影が、すぐそこまで迫っていました。
第7巻(最終巻):死に神の正体と二人の結末
ついに、すべての謎が明らかになります。千秋を苦しめてきた「死に神」の驚くべき正体、窪山町に渦巻く因縁の中心人物、そして隠蔽された事件の全貌が、怒涛の展開で描かれます。
絶望的な状況の中、良平は千秋を救うために、そして自分自身の人生に決着をつけるために、最後の選択を迫られます。千秋が最後に取った行動とは?そして、良平が下した決断とは?
二人の旅路が迎える結末は、悲しいだけではない、温かな光を感じさせるものとなっています。物語のラストシーン、良平の前に広がる光景は、読者の心に深い余韻を残します。あれは現実だったのか、それとも…。その答えは、ぜひご自身の目でお確かめください。
結末の意味を考察|千秋は幽霊だったのか?
「この子知りませんか?」の結末は、読者に様々な解釈の余地を残しています。
最も有力な考察は、「千秋はやはり過去の事故で亡くなった少女の霊であり、未練を残してこの世に留まっていた」というものです。作中で描かれる、良平以外の人間には千秋が見えていないかのような描写や、過去の新聞記事などがその根拠とされています。
そして、生きる意味を見失っていた良平が、千秋との旅を通じて彼女の無念を晴らし、再び「自分の意志で生きる」ことを決意する「魂の救済」と「再生」の物語として読み解くことができます。ラストシーンで千秋が再び現れる描写は、良平が前を向いて歩き始めたことへの、彼女からの感謝のメッセージだったのかもしれません。
『この子知りませんか?』に関するよくある質問
最後に、本作に関してよく検索される質問にお答えします。
Q. 千秋は本当に死んでいるのですか?
A. 作中で明確に「死んでいる」と断言されるわけではありませんが、物語の多くの描写が「千秋はすでに亡くなっている存在(幽霊)」であることを示唆しています。この謎こそが物語の核心であり、最大の魅力となっています。
Q. 良平は最後にどうなりますか?
A. 良平は千秋との旅を経て、生きる希望を取り戻します。彼は自らの命を絶つことなく、千秋の思い出を胸に、新たな人生を歩み始めることを決意します。物語は彼の再生で幕を閉じます。
Q. 原作(インディーズ版)と商業リメイク版で違いはありますか?
A. はい、違いはあります。商業リメイク版では、作画が大幅に向上しているほか、エピソードの追加や伏線の整理が行われ、より物語の深みと完成度が増しています。今から読むのであれば、ストーリーがより洗練された商業版がおすすめです。
まとめ:『この子知りませんか?』は伏線と感動が交差する傑作
「この子知りませんか?」は、単なるサスペンスやホラーに留まらない、孤独な二人の魂が救済されるまでを描いた傑作ヒューマンドラマです。張り巡らされた伏線が見事に回収されていくカタルシスと、読後に残る切なくも温かい余韻は、きっとあなたの心に深く刻まれるでしょう。
物語は全7巻で美しく完結しています。気になった方は、ぜひこの機会に一気読みしてみてはいかがでしょうか。
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