Netflixでのドラマ化で大きな話題を呼んだ、川端志季先生の名作『宇宙を駆けるよだか』。容姿も性格も良い完璧な女子高生・あゆみと、容姿にコンプレックスを抱えるクラスメイト・然子の身体が入れ替わるという衝撃的な展開から目が離せません。
この記事では、原作漫画『宇宙を駆けるよだか』（全3巻）の第1話から最終話までのあらすじを、時系列に沿って詳しくネタバレ解説します。
「ドラマは見たけど原作の結末が気になる」「読む前にどんな話か知っておきたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は原作漫画の結末を含む重大なネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
『宇宙を駆けるよだか』の結末は？物語の核心に迫る
物語の結末を一言でまとめるなら、「外見ではなく、内面が本当の自分を形作る」という真理と、登場人物たちがそれぞれの痛みを受け入れ、未来へ歩み出す物語です。
衝撃的な入れ替わりから始まった物語は、単なる元サヤに収まるハッピーエンドではありません。傷つき、悩み抜いた彼らが最後に下した選択とは何だったのか。その答えが、この物語の最大の魅力です。
『宇宙を駆けるよだか』作品概要
『宇宙を駆けるよだか』は、川端志季先生によって描かれた少女漫画です。集英社の「別冊マーガレット」で連載され、コミックスは全3巻で完結しています。
思春期の繊細な感情や、外見至上主義という現代社会の歪みを鋭く描き出し、多くの読者の心を揺さぶりました。2018年にはNetflixで実写ドラマ化され、原作ファン以外にも広く知られるきっかけとなりました。
- 作者：川端志季
- 掲載誌：別冊マーガレット
- 巻数：全3巻（完結）
- 配信状況：コミックシーモアなどで全巻配信中
【時系列】宇宙を駆けるよだか 全話ネタバレあらすじ解説
ここからは、物語の始まりから衝撃の結末まで、ストーリーの流れを追いながら詳しく解説していきます。
物語の発端：完璧な日常が崩壊する日
主人公の小日向あゆみは、明るく可愛い容姿と優しい性格で、誰からも愛される人気者。幼なじみで恋人の水本との初デートを心待ちにしていました。
しかし、そのデート当日、一本の電話が彼女の運命を大きく変えます。電話の相手は、同じクラスの海根然子。「今から自殺する」という然子の言葉に、あゆみは彼女を止めようと指定されたビルの屋上へ急ぎます。
屋上で然子を見つけた瞬間、あゆみは意識を失います。そして病院のベッドで目覚めた時、鏡に映っていたのは、醜いと蔑まれていた然子の姿でした。一方、然子はあゆみの身体を手に入れ、あゆみとしての日々を謳歌し始めます。
誰に訴えても信じてもらえず、絶望の淵に立たされるあゆみ。恋人の水本さえも、外見が変わった彼女に気づきません。そんな中、唯一あゆみの異変に気づき、手を差し伸べたのが、もう一人の幼なじみ・火賀でした。
中盤の展開：入れ替わった世界での苦悩と絆
然子の身体で生きることを強いられたあゆみは、これまで経験したことのないイジメや孤独を味わいます。しかし、どんな状況でも優しさと明るさを失わない彼女の内面は、少しずつ周囲に影響を与え始めます。
一方、あゆみの身体を手に入れた然子は、念願だった人気者の生活を楽しみますが、内面のコンプレックスや孤独感は消えません。彼女がなぜ入れ替わりを望んだのか、その背景にある壮絶な家庭環境や心の闇が徐々に明らかになっていきます。
あゆみを献身的に支える火賀。彼は「中身があゆみなら、外見なんて関係ない」と断言し、二人の間には友情を超えた強い絆が生まれます。あゆみもまた、常に味方でいてくれる火賀の存在に救われていきます。
物語の転機：「赤月の日」と新たな入れ替わり
物語の鍵を握るのが、不吉な言い伝えがある「赤月の日」の存在です。あゆみと然子が入れ替わったのも、この赤月の日でした。
元に戻る方法を探すあゆみと火賀は、次の赤月の日に再び入れ替わりを試みようとします。しかし、事態は彼らの想像を超えた方向へ。嫉妬や執着が渦巻く中、新たな入れ替わりが発生し、4人の関係はさらに複雑に絡み合っていきます。
誰が誰で、本当の心はどこにあるのか。登場人物たちの葛藤はピークに達し、物語はクライマックスへと突き進みます。
クライマックスから最終話：彼らが選んだ未来
最終巻では、入れ替わりの謎と、然子が抱える心の深層が全て明かされます。幸せを掴むため、自分自身を取り戻すため、あゆみ、然子、火賀、水本の4人は最後の選択を迫られます。
物語の結末は、単に「元に戻ってめでたしめでたし」という単純なものではありません。入れ替わりという異常な体験を通して、彼らは「人の価値は外見で決まるのか」「本当に大切なものは何か」という問いと向き合いました。
最終話で描かれるのは、それぞれの痛みを受け入れ、赦し、新たな一歩を踏み出す姿です。読者の心に深く、そして静かに響くラストシーンは、感動と考察の余韻を残します。彼らがどのような関係を選び、どんな表情で未来を見つめるのか、ぜひ原作で見届けてください。
主要登場人物の関係性まとめ
本作の魅力は、複雑に絡み合う4人の関係性です。それぞれのキャラクターを簡単に紹介します。
- 小日向あゆみ：物語の主人公。明るく心優しい美少女。然子と身体が入れ替わってしまう。
- 海根然子：あゆみのクラスメイト。容姿に強いコンプレックスを抱き、あゆみの身体を奪う。
- 火賀俊平：あゆみと水本の幼なじみ。誰よりも早く入れ替わりに気づき、あゆみを支え続ける。
- 水本公史郎：あゆみの恋人であり幼なじみ。最初は外見の変化に戸惑うが、次第に内面を見つめるようになる。
この4人の想いが交錯し、嫉妬、友情、愛情が物語をドラマチックに彩ります。
原作漫画とNetflixドラマ版との違いは？
Netflixで配信されているドラマ版（全6話）は、原作の世界観を忠実に再現し非常に評価が高いです。しかし、全3巻の物語を凝縮しているため、いくつかの違いがあります。
主な違いは以下の通りです。
- 心理描写の深さ：漫画では、キャラクターのモノローグが多く、特にあゆみや然子の内面の葛藤がより詳細に描かれています。原作を読むと、彼女たちの行動原理がさらに深く理解できます。
- 一部エピソードの省略：ドラマでは尺の都合上、一部のサブエピソードやキャラクター間の細かなやり取りがカットされています。
- 結末のニュアンス：大筋の結末は同じですが、ラストシーンの余韻やキャラクターの表情の解釈は、原作ならではの魅力があります。
ドラマ版を観て感動した方こそ、原作漫画を読むことで新たな発見があり、より一層『宇宙を駆けるよだか』の世界に浸れるはずです。
【感想・考察】「美しさ」とは何かを問いかける物語
『宇宙を駆けるよだか』が単なる入れ替わりラブストーリーで終わらないのは、「本当の美しさとは何か？」という普遍的なテーマを突きつけてくるからです。
私たちは無意識のうちに、人を外見で判断していないでしょうか。もし自分が愛する人の外見が、最も醜いと感じるものに変わってしまったら、変わらぬ愛を誓えるでしょうか。
この物語は、綺麗事だけでは済まされない人間の本質を鋭くえぐり出します。しかし、同時に、困難な状況でも失われない人間の内面の輝きや、人を想う心の強さを描いています。読後には、自分自身の価値観を改めて見つめ直すきっかけを与えてくれるでしょう。
まとめ：衝撃の結末は原作で！『宇宙を駆けるよだか』を読もう
この記事では、『宇宙を駆けるよだか』の第1話から最終話までのネタバレあらすじを解説しました。
容姿と内面、愛と友情をテーマにした本作は、一度読んだら忘れられない強烈なインパクトを残す名作です。全3巻とコンパクトにまとまっているので、一気に読むことができます。
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