【ネタバレ注意】この記事では、スタジオジブリによる映画化でも知られる名作『コクリコ坂から』の原作漫画について、第1話から最終話までのあらすじと結末を徹底的に解説します。映画版との違いや、物語の深い考察にも触れていきますので、作品のすべてを知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
物語の核心に迫る内容が含まれるため、まだ結末を知りたくない方はご注意ください。
先に結論をお伝えすると、物語は主人公・海と風間俊が「兄妹かもしれない」という過酷な運命に翻弄されながらも、真実を追い求め、純粋な愛を貫く感動的なストーリーです。
『コクリコ坂から』の基本情報
まずは、原作漫画の基本情報をおさらいしておきましょう。
- 原作: 佐山哲郎
- 作画: 高橋千鶴
- 連載誌: なかよし(講談社)
- 連載期間: 1979年12月号 – 1980年8月号
- 単行本: 全2巻
- 映画化: 2011年(スタジオジブリ、監督:宮崎吾朗、企画・脚本:宮崎駿)
1980年代の少女漫画ならではの繊細な心理描写と、まっすぐなキャラクターたちが織りなす青春ドラマは、連載から数十年が経った今もなお、多くのファンを魅了し続けています。
『コクリコ坂から』はどこで読める?
「原作漫画を読んでみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか。
2025年11月現在、『コクリコ坂から』は電子書籍サイト「コミックシーモア」で配信中です。サイトの表記では1巻までが配信されており、いつでもどこでもスマホやタブレットで手軽に読むことができます。
映画では描かれなかった細かなエピソードやキャラクターの心情を、ぜひ原作で味わってみてください。無料の試し読みも可能なので、まずはチェックしてみてはいかがでしょうか?
【ネタバレ】『コクリコ坂から』原作漫画のあらすじを章ごとに解説
ここからは、物語の核心である原作漫画のストーリーを、章ごとに詳しく解説していきます。映画の記憶と照らし合わせながらお楽しみください。
序盤:海と俊、運命の出会い
物語の主人公は、港町で下宿「コクリコ荘」を切り盛りする高校生の小松崎海。彼女は、朝鮮戦争で亡くなった船乗りの父を想い、毎朝庭に信号旗を揚げるのが日課でした。
一方、同じ高校に通う風間俊は、学校新聞「週刊カルチェラタン」を手掛ける人気者。彼は古い部室棟「カルチェラタン」の取り壊しに反対する活動の中心人物でした。
ある日、俊は取り壊し反対を訴えるため、校舎の屋根からプールへ飛び込むという派手なパフォーマンスを敢行。その大胆な姿に、海は知らず知らずのうちに惹かれていきます。新聞の制作を手伝うことになった海は、情熱的で真っ直ぐな俊と急接近し、二人の間には淡い恋心が芽生え始めるのでした。
中盤:深まる絆と、忍び寄る過去の影
共に過ごす時間が増えるにつれ、海と俊の想いは確かなものへと変わっていきます。カルチェラタンの大掃除を通じて、生徒たちの心は一つになり、二人の絆もより一層深まっていきました。
しかし、幸せな時間も束の間、二人の運命を揺るがす衝撃の事実が発覚します。海が自宅に飾っていた父の写真と、俊が大切に持っていた写真に写る男性が、あまりにも似ていたのです。
そして、俊は自身の出生の秘密を知り、海にこう告げます。
「俺たちは、兄妹かもしれない」
突然突きつけられた過酷な現実に、二人は激しく動揺。お互いを想う気持ちが強いほど、その苦しみは深くなるばかりでした。
終盤:苦悩の果てに見つけ出す真実
「兄妹」という事実に苦悩した俊は、海に対してそっけない態度を取り、意識的に距離を置こうとします。好き合っているのに、結ばれてはいけない。切ない想いを胸に秘めながら、二人は兄妹として振る舞おうとしますが、募る想いを抑えることはできません。
このままではいけない。海は、海外で仕事をしている母に真相を確かめるため、手紙を書きます。そして、カルチェラタンの存続問題を解決するため東京へ向かった海と俊は、そこで全ての真実を知る人物と出会うことになるのです。
最終話(結末):二人が迎える未来とは
物語の結末では、ついに全ての誤解が解き明かされます。海と俊の間に、血の繋がりはなかったのです。父たちの間にあった深い友情と、戦争という時代が引き起こした悲しいすれ違いが、二人の運命を複雑に絡ませていました。
真実を知り、全てのしがらみから解放された二人。長い苦悩のトンネルを抜けた彼らが、最後にどのような言葉を交わし、どんな未来への一歩を踏み出すのか…。
原作漫画のラストシーンは、映画とはまた違った、心に深く染み渡る感動が待っています。爽やかで希望に満ちた結末は、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
映画版(スタジオジブリ)と原作漫画の主な違い
2011年に公開されたスタジオジブリの映画版は、原作の骨格を大切にしながらも、いくつかの設定が変更されています。ここでは、主な違いを表で比較してみましょう。
| 項目 | 原作漫画 | 映画版(2011年) |
|---|---|---|
| 時代設定 | 1980年頃(連載当時) | 1963年(東京オリンピック前年) |
| 主人公の名前 | 小松崎 海(こまつざき うみ) | 松崎 海(まつざき うみ) |
| 海の父親の死因 | 朝鮮戦争で機雷に触れ死亡 | 朝鮮戦争でLST(戦車揚陸艦)が機雷に触れ死亡 |
| カルチェラタンの扱い | 学校新聞部の名称として登場 | 歴史ある男子文化部部室棟(建物)の名称 |
| 真相の解明 | 登場人物たちの証言によって徐々に明らかになる | 海の母の帰国や、父の戦友たちの登場によりドラマチックに解明される |
映画版は、高度経済成長期の日本の活気や、「古いものを壊し、新しいものを建てる」という時代の空気感を背景に、物語を再構築しています。原作を読んだ後に映画を観ると、宮崎駿氏が脚本で加えたかったテーマやメッセージがより深く理解できるでしょう。
物語の考察・見どころ
『コクリコ坂から』がただの恋愛物語で終わらないのは、その背景にある深いテーマがあるからです。
見どころ①:時代に翻弄される若者たちの純愛
物語の核心にあるのは、「戦争」という大きな歴史のうねりです。親世代が経験した戦争が、子供たちの世代の恋愛にまで影を落とすという構図は、非常に重く、切ないテーマです。しかし、海と俊はその運命に屈することなく、自分たちの力で真実を掴み取ろうとします。そのひたむきな姿こそ、本作最大の見どころと言えるでしょう。
見どころ②:古き良きものを守る心
映画版で特に強調されているのが、「カルチェラタン」の保存運動です。これは、単に古い建物を守るだけでなく、そこに刻まれた歴史や人々の想いを未来へ繋いでいくことの象徴です。新しいものばかりがもてはやされる時代へのアンチテーゼであり、現代の私たちにも通じる普遍的なメッセージが込められています。
『コクリコ坂から』に関するQ&A
最後に、本作に関してよくある質問にお答えします。
Q. 結局、海と俊は本当に兄妹だったの?
A. いいえ、兄妹ではありません。
物語の終盤で、二人に血の繋がりがないことがはっきりと証明されます。二人の父親は親友同士であり、戦争にまつわる複雑な事情から生じた誤解でした。
Q. 原作と映画はどちらを先に見るのがおすすめ?
A. どちらからでも楽しめますが、映画を先に観てから原作を読むのがおすすめです。
映画で描かれた美しい横浜の風景やキャラクターたちのイメージを持った上で原作を読むと、設定の違いや心理描写の細やかさをより深く味わうことができます。逆に、原作ファンが映画を観ると、ジブリならではの再解釈の妙を楽しむことができるでしょう。
Q. 物語の結末はどうなるの?
A. 全ての誤解が解け、海と俊は晴れて結ばれます。
二人の未来を明るく照らす、希望に満ちたハッピーエンドです。原作ならではの感動的なラストシーンは、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
まとめ:原作漫画で本当の感動を体験しよう!
『コクリコ坂から』は、時代を超えて愛される不朽の青春ロマンスです。映画で感動した方はもちろん、まだ物語に触れたことがない方にも、ぜひ原作漫画を手に取っていただきたいと思います。
海と俊が紡ぐ、切なくも美しい恋の物語。その全ての真実と感動が、ここにあります。
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