羽柴麻央先生が描く、心を静かに揺さぶる珠玉の短編集『星の子』。少年ルカの成長の軌跡を繊細なタッチで紡いだこの物語は、多くの読者の涙を誘い、深い感動を与えています。
この記事では、単行本に収録されている全7作品のあらすじと結末に触れるネタバレ解説をお届けします。「どんな物語か知りたい」「結末が気になる」という方は、ぜひ読み進めてみてください。
※本記事は作品の結末を含むネタバレ内容が含まれます。未読の方はご注意ください。
さっそく物語の世界に触れていきましょう。
羽柴麻央『星の子』の基本情報
まずは作品の基本情報からご紹介します。『星の子』は1巻で完結している短編集で、表題作シリーズ5編と、読み切り2編が収録されています。
- タイトル:星の子
- 作者:羽柴麻央
- 巻数:全1巻(完結)
- 収録作品一覧:
- 星の子
- 星の子 17光年の緒
- 星の子 天動説とそらの底
- 星の子 星と風の子
- 星の子 ルカくんとおつきさま
- afterglow
- 眠れる森の少女
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『星の子』はこんな人におすすめ!
この物語は、特に以下のような方に心からおすすめしたい作品です。
- 繊細な心理描写や、登場人物の心の機微に触れる物語が好きな方
- 親子の絆や家族の愛をテーマにした作品で感動したい方
- 切なくも温かい、静かな余韻に浸れる漫画を読みたい方
- 日常の中にある小さな奇跡や輝きを感じたい方
一つでも当てはまったなら、きっとあなたの心に残る一冊になるはずです。
【ネタバレ】『星の子』収録全7作品のあらすじと結末
ここからは、収録されている全7作品のあらすじと物語の核心に触れるネタバレを解説していきます。各物語がどのような感動をくれるのか、その魅力に迫ります。
星の子(表題作シリーズ)
物語の中心となるのは、少年ルカの成長を描く連作短編シリーズです。幼少期から青年期へと移ろう中で変化していく彼の世界、そして母親との関係性が、切なくも美しく描かれます。
「星の子」
シリーズの原点となる物語。幼いルカにとって、母親は世界のすべてでした。しかし成長するにつれ、少しずつ芽生える自立心と、変わらず深い愛情を注いでくれる母への想いが交錯します。親元を離れる日の出来事を通して描かれる親子の絆は、涙なしには読めません。
「星の子 17光年の緒」
「17光年」という距離が象徴するように、心と心の見えない繋がりや距離感がテーマ。過去の記憶と現在の想いが、一本の細い糸のようにルカの心を繋ぎます。
「星の子 天動説とそらの底」
自分の世界が中心だった子供時代が「天動説」なら、他者と関わり世界が広がっていくことは、まさに「地動説」への転換。学校や友人との関わりの中で、ルカが自分の立ち位置を見つけていく過程が描かれます。
「星の子 星と風の子」
思春期の揺れ動く心を、きらめく星や吹き抜ける風といった自然の情景に重ねて描いた一編。言葉にならない感情が、美しい風景描写を通して静かに伝わってきます。
「星の子 ルカくんとおつきさま」
どこか孤独を抱えながらも、豊かな内面世界を持つルカ。夜空に浮かぶ「おつきさま」をモチーフに、彼の夢や幻想が幻想的に描かれます。静かな夜に読みたくなる物語です。
シリーズを通して描かれるのは、誰にでも訪れる「成長」という名の、少し寂しくて、でも誇らしい旅立ちの物語。ルカが選び取る未来と、彼を送り出す母親の眼差しが織りなす結末は、読む人の心を温かい光で満たしてくれるでしょう。
afterglow(読み切り)
表題作とは趣が異なり、青春時代の恋愛模様を描いた読み切り作品。憧れの先輩に寄せる淡い恋心と、その顛末が描かれます。「afterglow(残光)」というタイトルの通り、物語のラストには、キラキラした時間の後に残る、ほろ苦くも愛おしい余韻が漂います。特にラストシーンの切なさは、多くの読者の共感を呼んでいます。
眠れる森の少女(読み切り)
童話「眠れる森の美女」をモチーフにした、幻想的な雰囲気の読み切り。閉ざされた心を持つ少女が、外の世界とどう向き合っていくのかを描く心理ドラマです。繊細なタッチで描かれる少女の内面世界に、思わず引き込まれてしまいます。
羽柴麻央先生が描く世界の魅力
羽柴麻央先生の作品の魅力は、何と言ってもその繊細な心理描写と、静かで抑制の効いた作風にあります。大きな事件が起こるわけではありません。しかし、日常の中に潜む感情のさざ波や、キャラクターたちの息遣いを丁寧にすくい上げることで、読者の心に深く響く物語を生み出しています。
特に『星の子』では、子供が成長していく過程で親が感じる喜びと寂しさ、そして子供自身の自立への戸惑いが見事に描かれており、「親目線で読むと涙が止まらない」といった感想も多く寄せられています。
『星の子』に関するよくある質問
Q. この漫画は何巻まで出ていますか?完結していますか?
A. 『星の子』は全1巻で完結している短編集です。続編はなく、この一冊で物語は完結しています。
Q. 芦田愛菜さん主演の映画『星の子』と同じ作品ですか?
A. 別の作品です。同名の映画(2020年公開)は、今村夏子さんの小説が原作となっています。羽柴麻央先生の漫画『星の子』とは内容が異なりますのでご注意ください。
まとめ:静かな感動に浸れる名作をあなたも
羽柴麻央先生の『星の子』は、派手さはないものの、読めば読むほどに味わいが深まる、スルメのような魅力を持った作品です。
少年ルカの成長と母子の絆、そして青春のきらめきと切なさ。この一冊に詰め込まれた珠玉の物語たちは、あなたの心に温かい灯をともしてくれるはずです。
少し心が疲れた時、優しい物語に触れたい時に、ぜひ手に取ってみてください。きっと忘れられない読書体験があなたを待っています。
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