魔法科高校の劣等生 会長選挙編（コミック）徹底ネタバレ：第一話から結末まで

『魔法科高校の劣等生 会長選挙編』は、原作小説の短編「会長選挙と女王様」をコミカライズした、全1巻完結の特別なエピソードです。九校戦の熱狂と横浜騒乱編の緊迫感の間に描かれる、束の間の学園生活。しかし、そこでは次期生徒会長の座を巡る静かな、それでいて一筋縄ではいかない選挙戦が繰り広げられていました。

アニメでは描かれていないこの貴重な物語を、本記事では第一話から結末までのあらすじを、ネタバレありで徹底解説します。

司波達也と深雪の兄妹が、この学園の「日常」といえる選挙にどう関わっていくのか。この記事を読めば、『会長選挙編』のすべてがわかります。

『魔法科高校の劣等生 会長選挙編』の作品概要

『会長選挙編』は、原作・佐島勤先生、作画・柚木N’先生によって描かれたコミカライズ作品です。シリーズの時系列としては、「九校戦編」の後、「横浜騒乱編」の前にあたります。大規模な戦闘や魔法バトルではなく、第一高校内の人間関係やキャラクターの魅力に焦点を当てた、学園ドラマ色の強い物語です。

• 原作: 佐島 勤
• 作画: 柚木N’
• キャラクターデザイン: 石田可奈
• 巻数: 全1巻（完結）
• 位置づけ: アニメ未放送エピソード

絶対的なカリスマで生徒会を率いた七草真由美の卒業が迫る中、後継者選びは難航。そんな中、白羽の矢が立ったのは、気弱で控えめな生徒会書記・中条あずさでした。彼女を会長の座に押し上げるため、達也と深雪が水面下で動き出します。

『魔法科高校の劣等生 会長選挙編』のあらすじを時系列でネタバレ

ここからは、『会長選挙編』の物語を第一話から順に、詳しくご紹介します。未読の方はご注意ください。

新生徒会長選挙の幕開け

新学期が始まり、第一高校は次期生徒会長選挙の話題で持ちきりです。三年生で絶対的な支持を得ていた生徒会長・七草真由美が卒業を控えており、誰もがその後継者に注目していました。

生徒会内部では、副会長の服部刑部少丞範蔵が有力候補と見られていましたが、彼は部活連会頭への就任が内定。もう一人の候補として名前が挙がったのは、生徒会書記を務める中条あずさでした。

しかし、あずさ本人は「私なんかが会長なんて、絶対に無理です！」と固辞。彼女の気弱な性格と、真由美という偉大な前会長へのプレッシャーが、立候補をためらわせます。

この状況を憂慮した真由美は、司波兄妹に「あずさの説得」を依頼。ここから、達也と深雪による静かな作戦が始まります。

達也の”裏工作”と深雪の説得

あずさの説得は、一筋縄ではいきません。彼女の不安は根深く、単純な励ましでは心が動かないのです。

ここで、司波兄妹の完璧な役割分担が光ります。

まず動いたのは達也。彼はただ説得するのではなく、あずさが立候補せざるを得ない状況を作り出す「裏工作」に乗り出します。過去の生徒会選挙で起きたトラブルや、会長不在による学内の混乱といった「脅し文句」とも取れる情報をちらつかせ、あずさを心理的に追い込んでいきます。さらに、彼女がCAD（術式補助演算機）オタクであることを見抜き、伝説のエンジニア「トーラス・シルバー」作の最新型飛行デバイスを報酬として提示。この”アメとムチ”を巧みに使った交渉術で、あずさの心を揺さぶります。

一方、深雪は、不安に苛まれるあずさの心に優しく寄り添います。「お兄様も私も、全力でサポートします」という言葉で安心感を与え、彼女が一人ではないことを伝えます。達也の強引な手法で生まれた迷いを、深雪の温かい言葉が包み込み、最後の一押しをするのです。

この兄妹の完璧なコンビネーションにより、あずさはついに生徒会長選挙への立候補を決意します。

波乱の投票日と意外な結末

立候補者が中条あずさ一人となったことで、選挙は信任投票という形で行われることになりました。立会演説会当日、あずさは緊張しながらも、自分の言葉で生徒会長としての決意を表明します。

そして迎えた投票結果。信任投票のため、あずさの会長就任は確実かと思われましたが、ここで前代未聞の「珍事」が発生します。

なんと、立候補していないはずの司波深雪、そして司波達也に大量の票が投じられていたのです。特に深雪への票は、まるで彼女を「女王様」として崇めるかのような熱狂ぶり。これらの票は規則上、無効票として扱われる可能性が高いものでした。

一体なぜ、こんな事態が起きたのでしょうか？そして、この波乱を乗り越え、最終的に第一高校の新たなリーダーとなるのは誰なのか？

物語は、学園らしいコミカルさと、魔法科高校ならではの特殊な人間関係が交錯する中で、意外な結末を迎えます。中条あずさが新会長としての一歩を踏み出すまでのドラマは、ぜひご自身の目でお確かめください。

『会長選挙編』3つの注目ポイント・見どころ

『会長選挙編』は派手な戦闘シーンこそありませんが、キャラクターの魅力が詰まった珠玉のエピソードです。特に注目したい3つのポイントをご紹介します。

見どころ①：達也と深雪の完璧なコンビネーション

裏で策略を巡らせる達也と、表で優しく寄り添う深雪。この兄妹の役割分担は、シリーズの大きな魅力の一つです。『会長選挙編』では、そのコンビネーションが存分に発揮され、気弱なあずさを会長へと導いていきます。二人の阿吽の呼吸は、ファン必見です。

見どころ②：気弱なあずさの成長物語

普段は控えめで、先輩たちの後ろに隠れているような印象のあずさ。そんな彼女が、会長という重責を前に葛藤し、悩み、そして一歩前に踏み出す姿は、応援せずにはいられません。彼女の小さな、しかし確かな成長物語として楽しむことができます。

見どころ③：大規模戦闘なし！濃密な学園ドラマと人間関係

このエピソードの主戦場は、魔法戦闘ではなく「選挙」です。だからこそ、キャラクターたちの細やかな表情や会話、心理描写が丁寧に描かれています。七草真由美や服部、渡辺摩利といったお馴染みのメンバーたちのやり取りも豊富で、魔法科高校の「日常」を深く味わうことができます。

『会長選挙編』はこんな人におすすめ！

• 魔法科シリーズの日常回や学園ドラマが好きな人
• 達也と深雪の兄妹のやり取りをもっと見たい人
• 中条あずさをはじめとした脇役キャラクターたちの活躍が見たい人
• アニメでは描かれなかったエピソードを補完したい、コンプリート志向のファン
• 派手な戦闘よりも、キャラクターの心理描写や会話劇を楽しみたい人

上記に一つでも当てはまるなら、『会長選挙編』は間違いなく楽しめる作品です。

『会長選挙編』に関するQ&A

ここでは、ファンからよく寄せられる質問にお答えします。

Q. アニメで放送される予定はありますか？

A. 2025年12月現在、アニメ化の公式発表はありません。このエピソードを楽しめるのは、原作小説の短編と、このコミカライズ版のみとなっています。

Q. シリーズのどのタイミングで読むのがおすすめですか？

A. 物語の時系列通り、アニメ第1期の「九校戦編」を観た後、「横浜騒乱編」を観る前に読むのが最もおすすめです。キャラクターの関係性がより深く理解でき、シリーズ全体をさらに楽しめます。

まとめ：未アニメ化エピソードをコミックで楽しもう！

『魔法科高校の劣等生 会長選挙編』は、シリーズの壮大な物語の合間に咲いた、一輪の花のようなエピソードです。達也の知略、深雪の優しさ、そしてあずさの成長が詰まったこの物語は、魔法科シリーズのファンなら必読と言えるでしょう。

この記事で興味を持った方は、ぜひコミックを手に取って、キャラクターたちの生き生きとした表情や、コミカルで心温まるやり取りを堪能してください。