2025年8月19日、少年ジャンプ+に突如として掲載され、そのタイトルと内容のギャップでSNSを席巻した読み切り漫画『白膠花高校ローション相撲部』。
「タイトルで出落ちかと思ったら、中身は王道のスポ根だった」「なぜか泣けた」と、読者の感情をいい意味で裏切った話題作です。
今回は、2025年12月現在でも読み返し推奨の声が高い本作について、あらすじやネタバレを含む感想、そして作者・水あさと先生の描く「ギャグ×熱血」の魅力を徹底解説します。
まだ読んでいない方は、ぜひジャンプ+で本編をチェックしてから戻ってきてくださいね。
- 『白膠花高校ローション相撲部』のあらすじと基本情報
- 【ネタバレあり】結末までの詳細なストーリー解説
- なぜ「異色スポーツ漫画」として評価が高いのか?
- 作者・水あさと先生の作風と関連作品
作品の基本情報:公開日と作者について
まずは本作の基本データを整理しておきましょう。
- タイトル:白膠花高校ローション相撲部(ぬるでこうこうろーしょんすもうぶ)
- 作者:水あさと
- 掲載媒体:少年ジャンプ+(読切)
- 公開日:2025年8月19日
作者の水あさと先生といえば、『デンキ街の本屋さん』や『阿波連さんははかれない』など、独特の間合いと愛らしいキャラクター描写で知られる実力派です。
本作はジャンプ+の企画の一環として公開され、そのインパクト絶大なタイトルと、水あさと先生らしい可愛らしい絵柄のギャップが公開直後から大きな話題を呼びました。
あらすじ(ネタバレなし):お嬢様学校に伝わる伝統の「ヌルヌル」
舞台は、格式高いお嬢様学校として知られる「白膠花(ぬるで)高校」。
品位と教養を重んじるこの学校には、なぜか伝統として「ローション相撲部」が存在していました。
新入生の濡石すずは、友人の付き添いでローション相撲部を見学することになります。
そこで目にしたのは、大量のローションが注がれた土俵の上で、真剣な眼差しでぶつかり合う先輩たちの姿。
部長の百日紅(さるすべり)をはじめ、部員たちはいたって大真面目に、この滑りやすいフィールドでの戦いを探求していました。
一見すると奇天烈な光景に戸惑うすずでしたが、彼女には誰にも言えない「ある秘密」があり、それがローション相撲との運命的な出会いを引き寄せることになります。
ギャグ漫画のような設定で描かれる、純度100%の青春スポーツストーリー。それが本作の導入です。
【ネタバレ注意】詳しいあらすじと結末:滑る土俵で見つけた「踏ん張る」意味
※ここから先は物語の核心に触れるネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
主人公・すずの秘密と入部
実はすずは、かつて柔道(もしくは相撲などの組み技系スポーツ)で将来を嘱望された選手でしたが、怪我によってその道を諦めた過去を持っていました。
「もう二度と、あんな熱い場所には戻れない」と心を閉ざしていたすず。しかし、ローション相撲部の稽古を見るうちに、彼女の身体が反応します。
ローション相撲は単なるお色気やバラエティではありません。
足元が極端に滑る環境だからこそ、体幹の強さ、重心のコントロール、そして一瞬の判断力が求められる高度な競技として描かれているのです。
百日紅部長の「滑るからこそ、地に足をつけることの大切さがわかる」という言葉に心を動かされたすずは、再び勝負の世界へ足を踏み入れることを決意します。
クライマックスの決勝戦
物語のクライマックスは、ライバル校との対抗戦(または部内の真剣勝負)。
すずは持ち前のセンスと、ローション相撲特有の技術「滑りを利用した受け流し」などを駆使して勝ち進みます。
決勝戦では、過去の怪我のトラウマがフラッシュバックし、足を踏ん張ることへの恐怖に襲われるシーンも。
しかし、仲間たちの声援と、この競技を通じて取り戻した「熱さ」が彼女を支えます。
最後は、ローションの滑りを逆手に取った捨て身の技で見事に勝利。
かつて怪我で諦めた「踏ん張る」ことを、最も滑りやすい場所で克服するというカタルシスが描かれ、物語は爽やかな大団円を迎えます。
なぜ面白い?注目すべき3つのポイント
本作が単なる「出落ちギャグ」で終わらず、多くの読者の心を掴んだ理由を分析します。
1. 徹底された「相撲パロディ」の解像度
作中では、塩まきの代わりに粉末ローションを撒いたり、蹲踞(そんきょ)の姿勢でヌルヌルと滑ったりと、相撲の所作がすべて「ローションありき」に変換されています。
この変換があまりにも真面目に行われているため、読者は「馬鹿馬鹿しいのに、なんだか神聖な儀式に見えてくる」という不思議な感覚に陥ります。
専門用語や作法をしっかり踏まえた上でのパロディだからこそ、笑いの後に妙な説得力が生まれるのです。
2. 王道スポ根の構造を忠実に再現
設定こそ奇抜ですが、ストーリーラインは驚くほど王道です。
- 挫折した主人公
- 奇妙だが熱い先輩との出会い
- 特殊な環境下での特訓
- トラウマの克服と勝利
この「ベタ」な構成を、あえて「ローション相撲」という不安定な土俵に乗せることで、王道の良さを再確認させる手法が見事です。
読者は「なんでローション相撲で泣いてるんだ自分は……」と困惑しながらも、熱い展開に引き込まれてしまいます。
3. 水あさと流「ギャグとシリアスの緩急」
水あさと先生の真骨頂である、シュールなギャグと真剣な表情の落差が本作でも遺憾なく発揮されています。
ヌルヌルで転ぶ瞬間のコミカルな絵面と、勝利を決めた瞬間の決めゴマのカッコよさ。
この緩急こそが、本作を「異色スポーツ漫画」の傑作たらしめている要因でしょう。
水あさと作品ファンへのアプローチと他作比較
本作が気に入った方は、ぜひ水あさと先生の過去作もチェックしてみてください。
たとえば代表作である『阿波連さんははかれない』。
こちらも、距離感の測れない少女・阿波連さんと、その世話を焼くライドウくんのやり取りを描いたコメディですが、独特の「間」と、時折挟まれる意外な身体能力描写などは、今回のローション相撲部に通じるものがあります。
また、『デンキ街の本屋さん』で見られるような、少しマニアックな題材をポップに描く手腕も健在です。
「変な設定なのにキャラが生き生きしている」という水あさとワールドの入門としても、本作は最適と言えるでしょう。
読後感・評価:どんな人におすすめ?
『白膠花高校ローション相撲部』は、以下のような方に特におすすめです。
- 一風変わったスポーツ漫画が読みたい人:『競女!!!!!!!!』などが好きな人には刺さる可能性大です。
- 短時間でスッキリしたい人:読み切り作品として完成度が高く、読後の爽快感が抜群です。
- 水あさと先生のファンの人:先生の「真面目にふざける」スタイルが凝縮されています。
2025年12月現在、単行本化の情報はまだ入ってきていませんが、これだけの話題作ですので、将来的に短編集などに収録される可能性は高いでしょう。
まとめ
異色の設定と王道の熱さが融合した『白膠花高校ローション相撲部』。
「ローション相撲」という言葉の響きだけで敬遠するのはもったいない、漫画表現の可能性を感じさせる一作です。
まだ読んでいない方は、ぜひ少年ジャンプ+のアーカイブや、今後の収録情報をチェックしてみてください。
滑って転んで、それでも立ち上がる少女たちの姿に、きっとあなたも胸を熱くするはずです。
