「ある朝、夫が『死にたい』とつぶやいた…」
細川貂々先生によるコミックエッセイ『ツレがうつになりまして。』は、夫婦の日常に突然訪れた「うつ病」との闘いを、ユーモアと愛情たっぷりに描いた感動の名作です。
この記事では、『ツレがうつになりまして。』の全3巻のあらすじから気になる結末までを、ネタバレありで徹底解説します。
映画化もされた本作が、なぜ多くの人の心を打ち続けるのか。その魅力の核心に迫ります。
※本記事は作品の結末に触れる内容を含みます。未読の方はご注意ください。
『ツレがうつになりまして。』の作品概要
『ツレがうつになりまして。』(通称:ツレうつ)は、漫画家である細川貂々先生が、自身の夫(ツレ)がうつ病を発症した実体験を基に描いたコミックエッセイです。
作者・刊行情報
作者は細川貂々(ほそかわ てんてん)先生。2006年に幻冬舎から単行本が刊行され、その後シリーズ化されました。うつ病という重いテーマを扱いながらも、温かく、時にコミカルな作風で多くの読者の共感を呼び、2011年には宮﨑あおいさん、堺雅人さん主演で映画化もされています。
コミックシーモアでの配信状況
2025年9月現在、コミックシーモアでは『ツレがうつになりまして。』シリーズが全3巻完結で配信中です。各巻試し読みも可能なので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
【ネタバレ】『ツレがうつになりまして。』全3巻のあらすじ
ここからは、物語の核心に触れる全3巻のネタバレあらすじを、各巻ごとに詳しくご紹介します。
第1巻:突然の告白と闘病生活の始まり
物語は、妻であり作者のハルさん(細川貂々)の視点で進みます。彼女の夫「ツレ」は、外資系のIT企業で働く真面目なスーパーサラリーマン。しかしある朝、ツレはハルさんに「死にたい」と衝撃的な一言を告げます。
それまで「なんとなく調子が悪そう」くらいにしか思っていなかったハルさん。ツレの異変は、不眠、食欲不振、無気力といった形で静かに進行していました。病院へ行くと、医師から下された診断は「うつ病」。
「会社、辞めないなら、離婚する!」
ハルさんの力強い言葉に後押しされ、ツレは休職を決意。こうして、夫婦二人三脚、そしてペットのイグアナ「イグ」との闘病生活が始まります。励ましの言葉が逆効果になったり、収入が途絶える不安に駆られたり…。これまで当たり前だった日常が、少しずつ形を変えていく様子がリアルに描かれます。
第2巻:回復と変化、新しい夫婦のかたち
『その後のツレがうつになりまして。』と題された第2巻では、発症から数年が経過した日々のエピソードが描かれます。
ツレの症状は一進一退を繰り返しながらも、少しずつ回復の兆しを見せ始めます。家事をこなすようになったり、ハルさんの仕事を手伝ったりと、以前とは違う役割を見出していくツレ。その過程で、夫婦は「サラリーマンの夫」と「漫画家の妻」という関係性から、人生のパートナーとして新たな関係を再構築していきます。
ツレは最終的に会社を退職。夫婦は講演会に呼ばれるなど、社会との新たな関わり方も生まれます。うつ病になったことで失ったものもありますが、それ以上に得た「新しい価値観」や「夫婦の絆」が温かく描かれる巻です。
第3巻:7年目の日常と見つけた幸せ
シリーズ最終巻となる『7年目のツレがうつになりまして。』では、発症から7年後の夫婦の姿が描かれます。
ツレはうつ病が「完治」したわけではありません。しかし、「ゆっくり自分のペースで生きる」という新しい生き方を確立し、安定した日々を送っています。以前のようにバリバリ働くことはできなくても、そこには穏やかで確かな幸せがありました。
病気になったツレを支え続けたハルさんもまた、この経験を通して大きく成長します。当たり前の日常がいかに尊いか、そして、完璧じゃなくてもいいという気づき。うつ病という経験が、夫婦にとってかけがえのないものに変わっていく様子が描かれ、物語は優しい希望とともに締めくくられます。
最終巻までの結末を解説|「完治」ではない新しい道
『ツレがうつになりまして。』の結末は、病気が完全に治って元通りになる「ハッピーエンド」ではありません。
本作が示すのは、うつ病という経験を受け入れ、病気と共に生きていく「新しい幸せの形」です。ツレはうつ病になる前の自分には戻れませんでした。しかし、夫婦は価値観を大きく変え、以前よりも深く、そして温かい絆で結ばれます。
ラストシーンで描かれるのは、劇的な回復ではなく、穏やかな日常の続きです。それは、「うつは終わりではない」という、作者から読者への力強くも優しいメッセージ。この「受け入れる」という結末こそが、本作が多くの読者の心を掴んで離さない最大の理由なのかもしれません。
映画・ドラマ化との違いは?
2011年に公開された映画版(主演:宮﨑あおい、堺雅人)は、原作の温かい雰囲気を忠実に再現しつつも、2時間の物語として再構成されています。
- エピソードの取捨選択:映画では、原作の数多くのエピソードの中から、物語の主軸となる部分が抽出されています。
- キャラクターの描写:ペットのイグアナ「イグ」など、原作のユーモラスな要素の一部は、映画では描き方が異なったり省略されたりしています。
映画も素晴らしい作品ですが、原作コミックには、日々の細やかな感情の機微や、クスッと笑える日常のやり取りがより豊富に描かれています。映画を観て感動した方こそ、原作を読むことで、ハルさんとツレの物語をさらに深く味わえるはずです。
『ツレがうつになりまして。』に関するQ&A
- Q1. 漫画『ツレがうつになりまして。』は全何巻ですか?
- A1. コミックシーモアで配信されているシリーズは、全3巻で完結しています。
- Q2. この物語は実話ですか?
- A2. はい、作者である細川貂々先生と、その夫(ツレ)の実体験に基づいたコミックエッセイです。
- Q3. 映画はいつ公開されましたか?
- A3. 2011年10月8日に公開されました。監督は佐々部清、主演は宮﨑あおいさんと堺雅人さんです。
『ツ重たいテーマを、温かいユーモアで。
『ツレがうつになりまして。』は、うつ病という難しいテーマを扱いながらも、決して暗いだけの物語ではありません。
そこにあるのは、困難に直面しながらも、お互いを思いやり、支え合い、そして笑い合う夫婦の姿です。もしあなたが今、何かに悩んでいたり、誰かを支えたいと思っていたりするなら、この物語はきっと心に寄り添い、温かい光を灯してくれるはずです。
この感動の物語を、ぜひコミックシーモアで体験してみてください。お得なクーポンを使えば、さらにお安く手に入れるチャンスもありますよ。