十角館の殺人 ネタバレ(漫画版) — 結末・トリックを完全解説

十角館の殺人 ネタバレ(漫画版) — 結末・トリックを完全解説 青年マンガ
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綾辻行人先生による不朽の名作にして、新本格ミステリーの金字塔『十角館の殺人』。その衝撃は、清原紘先生の美麗な筆致によって漫画化され、新たな世代の読者をも震撼させています。

この記事では、漫画版『十角館の殺人』のあらすじから結末、そして読者の度肝を抜いた「衝撃の一行」のトリックまで、物語の核心に迫る完全ネタバレ解説をお届けします。

「結末だけ知りたい」「トリックの仕組みが気になる」という方は、ぜひ読み進めてください。この記事を読めば、十角館で起きた惨劇のすべてが明らかになります。

注意:ここから先は完全なネタバレです

この記事には、漫画『十角館の殺人』の犯人、トリック、結末に関する重大な情報がすべて含まれています。
まだ作品を読んでいない方、ご自身の目で真相を確かめたい方は、ここでブラウザを閉じることを強く推奨します。

『十角館の殺人』作品概要

『十角館の殺人』は、1987年に刊行された綾辻行人先生のデビュー作であり、「館シリーズ」の記念すべき第一作目です。日本のミステリー界に「新本格」という一大ムーブメントを巻き起こした伝説的な作品として知られています。

漫画版は、人気漫画家の清原紘先生が作画を担当し、2019年から月刊アフタヌーンで連載されました。原作の持つ独特の不気味さと緻密な論理展開を、圧倒的な画力で見事に描ききり、現在では全5巻で完結しています。

2024年には実写ドラマ化もされ、時代を超えて多くのファンを魅了し続けています。

主要登場人物一覧(ニックネームと本名)

物語を理解する上で重要なのが、登場人物たちの「ニックネーム」。K大学ミステリ研究会のメンバーは、敬愛する推理作家の名前をニックネームとして名乗っています。

  • 【島(十角館)のメンバー】
    • エラリイ(江南 孝明):探偵役を自負するリーダー格。
    • アガサ(戸川 京子):メンバーの紅一点。
    • カー(島田 潔):長身で無口な青年。
    • ヴァン(守須 恭一):冷静沈着な医学生。
    • ルルウ(大野 裕):陽気なムードメーカー。
    • ポウ(小島 ゆかり):内気で繊細な女性。
    • オルツィ(吉川 誠一):社交的な性格。
  • 【本土の登場人物】
    • 江南 孝明(かわみなみ たかあき):元ミステリ研究会メンバー。島田とは旧知の仲。
    • 島田 潔(しまだ きよし):江南と共に事件の謎を追う探偵役。
    • 中村 青司(なかむら せいじ):十角館を設計した天才建築家。故人。
    • 中村 千織(なかむら ちおり):青司の娘。ミステリ研究会の元メンバーで、半年前にある事件で亡くなっている。

…おや? 何か気づいた方もいるかもしれません。このリスト自体が、物語最大のトリックへの入り口となっています。

【ネタバレ】第一話から最終話までのあらすじを完全解説

ここからは、物語の始まりから衝撃の結末まで、漫画版『十角館の殺人』の全貌を時系列で解説していきます。

プロローグ:海に流された復讐の誓い

物語は、ある人物が「計画」を記した紙を瓶に詰め、海へ投じる謎めいたシーンから始まります。これは、半年前のある事件で亡くなった中村千織への復讐を誓う、犯人からの宣戦布告でした。そして舞台は、九州の孤島・角島(つのじま)へ移ります。

島パート:十角館で始まる連続殺人

K大学ミステリ研究会の7人は、天才建築家・中村青司が設計した奇妙な十角形の館「十角館」での合宿を開始します。しかし、到着早々、彼らは「第一の被害者」「第二の被害者」…そして「殺人犯」「探偵」と書かれた不気味なプレートを発見。最初は誰かの悪戯かと思われましたが、それは現実の惨劇の始まりを告げる合図でした。

一人、また一人と、プレートの記述通りにメンバーが殺されていきます。外部との連絡手段は絶たれ、船も来ない完全なクローズドサークル。疑心暗鬼に陥ったメンバーたちは、互いの中に潜む「殺人犯」の影に怯え始めます。

本土パート:死者からの手紙と事件の真相

同時刻、本土では元メンバーの江南孝明のもとに、死んだはずの中村青司から「千織は殺された。犯人はミステリ研究会のメンバーだ」と告発する手紙が届きます。不審に思った江南は、ミステリ好きの島田潔と共に、半年前の「青屋敷事件」と中村千織の死の真相について調査を開始します。

島で起きている殺人事件と、本土で少しずつ明らかになる過去の因縁。二つの物語は、やがて一本の恐ろしい真実へと繋がっていきます。

クライマックス:炎に消えた真実と、最後の一行

島での殺人は続き、ついに十角館は炎上。多くのメンバーが命を落とし、事件は生存者の証言から「犯人はエラリイであり、彼は焼身自殺した」という形で一応の解決を見ます。

しかし、本当の真実は別にありました。本土で調査を続けていた島田潔は、ある決定的な事実にたどり着きます。そして物語の最後に、読者がそれまで築き上げてきた物語の構図を根底から覆す、あまりにも鮮やかな「あの一行」が投下されるのです。

真犯人は、誰もが予想しなかった人物――守須恭一(ニックネーム:ヴァン)

彼の動機は、かつてミステリ研究会のメンバーの過失によって死に追いやられた中村千織への復讐でした。この衝撃の結末に、あなたはきっと言葉を失うでしょう。

衝撃の一行とは?天才的な叙述トリックを徹底解説

『十角館の殺人』が伝説と呼ばれる所以、それは「衝撃の一行」によって完成する、緻密なトリックにあります。

物語のラスト、島田潔が江南に電話で語りかけるシーン。そこで彼は、本土で江南と行動を共にしていたミステリ研究会のメンバーの名前を口にします。

「守須(もりす)君……ヴァン・ダインだよ」

この一言こそが、本作の核心である叙述トリックを暴く鍵です。

  • 叙述トリック:作者は意図的に、島にいる「ヴァン」と、本土で江南と共にいる「守須恭一」を、読者にあたかも別々の人物であるかのように誤認させていました。登場人物リストのニックネーム表記もそのための仕掛けです。
  • アリバイトリック:「守須(ヴァン)」は本土で江南と一緒にいることで、島での連続殺人が不可能な完璧なアリバイを成立させていました。しかし実際には、彼は事前に島へ渡って罠を仕掛けた後、一度本土へ戻り、事件が起きた期間は江南と行動を共にしていたのです。

読者は「本土にいる守須」と「島にいるヴァン」が同一人物であるとは夢にも思わず、完全に騙されてしまいます。この「読者の思い込み」を利用したトリックこそ、『十角館の殺人』がミステリー史に名を刻んだ最大の理由なのです。

漫画版と原作/ドラマの違いは?

『十角館の殺人』は原作小説、漫画、実写ドラマと複数のメディアで展開されていますが、それぞれに異なる魅力があります。

  • 原作小説:文章だからこそ成立する叙述トリックの切れ味は、まさに鳥肌もの。すべての始まりであり、ミステリー好きなら必読のバイブルです。
  • 漫画版:清原紘先生の美麗な作画により、十角館の不気味な雰囲気や登場人物たちの焦燥感が視覚的に伝わってきます。活字が苦手な方でも、この複雑な物語にスムーズに入り込めるのが最大の魅力です。
  • 実写ドラマ:映像化不可能と言われた叙述トリックを、巧みな演出で表現しています。原作や漫画を読んだ後で観ると、その表現方法に新たな発見があるはずです。

まずは物語の全体像とトリックの衝撃を味わうために、ビジュアルで分かりやすい漫画版から入るのがおすすめです。

どこで読む?『十角館の殺人』はコミックシーモアで!

この衝撃的なミステリーを体験したくなったあなたへ。漫画版『十角館の殺人』は、国内最大級の電子書籍ストア「コミックシーモア」で全5巻が配信中です。

1巻は無料で試し読みできるページも多く、気軽に物語の世界に触れることができます。一度読み始めたら、結末が気になって一気に全巻読んでしまうこと間違いなし!

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よくある質問(FAQ)

Q1. 結局、犯人は誰だったのですか?
A1. 真犯人は、K大学ミステリ研究会のメンバーである守須恭一(ニックネーム:ヴァン)です。彼は中村千織の復讐のために、周到な計画を実行しました。
Q2. 「衝撃の一行」とは、具体的にどのセリフですか?
A2. 物語の最終盤で、島田潔が電話口で放つ「守須(もりす)君……ヴァン・ダインだよ」というセリフです。これにより、本土にいた守須と島にいたヴァンが同一人物であることが明かされ、すべてのトリックが成立します。
Q3. この作品に続編はありますか?
A3. 『十角館の殺人』に直接的な続編はありません。しかし、本作にも登場した探偵役・島田潔が活躍する「館シリーズ」として、『水車館の殺人』『迷路館の殺人』など、多くの作品が刊行されています。どれも傑作揃いなので、本作が気に入った方はぜひ読んでみてください。

まとめ:再読必至!ミステリーの最高傑作を漫画で体験しよう

『十角館の殺人』は、ただ犯人を当てるだけのミステリーではありません。物語の構造そのものを利用して読者を欺く、まさに「体験するミステリー」です。

一度真相を知ってから読み返すと、作者がいかに巧妙に伏線を張り巡らせていたかに気づき、二度目の衝撃を味わうことができます。この完璧に仕掛けられた謎解きの快感を、ぜひあなたも体験してみてください。

原作ファンはもちろん、まだ『十角館の殺人』に触れたことがない方にも、漫画版は最高の入り口となるはずです。今すぐコミックシーモアで、歴史に残る傑作ミステリーの世界へ飛び込みましょう!

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