式の前日 ネタバレ・あらすじ(穂積)【全話まとめ】

式の前日 ネタバレ・あらすじ(穂積)【全話まとめ】 女性マンガ
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【ご注意】この記事は、穂積先生による漫画『式の前日』の結末を含むネタバレを詳細に解説しています。まだ作品を読んでいない方、ご自身で結末を確かめたい方は閲覧をお控えください。

何気ない日常の断片。しかし、最後の数ページで世界が一変する──。そんな鮮やかな体験をさせてくれるのが、穂積先生の短編集『式の前日』です。

この記事では、「結末を知ってからもう一度読み返したい」「購入を迷っているので、どんな話か詳しく知りたい」というあなたのために、収録されている全6編のあらすじと核心に迫るネタバレを徹底解説します。物語に隠された仕掛けを知れば、きっとあなたもこの珠玉の短編集を手に取りたくなるはずです。

『式の前日』とは?作品の基本情報

『式の前日』は、漫画家・穂積先生によるデビュー作にして、多くの読者の心を掴んだ傑作短編集です。「このマンガがすごい!2013」オンナ編で第2位に輝くなど、高い評価を受けています。

  • 作品名:式の前日
  • 作者:穂積
  • 出版社:小学館
  • 掲載誌:月刊フラワーズ
  • 巻数:全1巻 完結
  • ジャンル:女性マンガ、恋愛

日常に潜む、言葉にならない感情や関係性を静かに、しかし鮮烈に描き出す筆致が特徴。特に、物語の最後に明かされる真実によって、それまでの景色が全く違って見える「どんでん返し」の構成は圧巻です。

『式の前日』全収録作品のネタバレ・あらすじ

本作には、表題作を含む珠玉の短編が6つ(全7話)収録されています。一話ずつ、その物語の核心に触れていきましょう。

式の前日

結婚式を翌日に控えた女性と、一つ屋根の下で暮らす若い男性。二人の会話は、まるで長年連れ添った恋人同士のようです。朝の気だるげなやり取り、一緒に作る食事、何気ない視線の交錯。読者はごく自然に、二人が夫婦になるのだと信じて読み進めます。

しかし、物語の終盤、男性のモノローグで衝撃の事実が明かされます。彼女は、彼の「姉」だったのです。

両親を早くに亡くし、弟を一身に育ててきた姉。そんな姉の幸せを誰よりも願いながらも、二人きりの特別な時間が終わってしまうことへの寂しさを隠せない弟。ラストシーン、姉が結婚相手と歩くバージンロードを想像する弟の姿に、切なくも温かい感情が込み上げてきます。この真相を知ってから読み返すと、すべてのセリフや表情が全く違う意味を帯びて見えてくる、天才的な構成の表題作です。

あずさ2号で再会

7歳の少女・あずさは、年に一度、父と再会します。留守番をしている彼女の元にふらりと現れる父。二人の会話はどこか噛み合わず、どこか儚げです。父はあずさに「あずさ2号」の話をし、きゅうりやナスで作った精霊馬にその名を書き入れます。

読者は父子家庭の少し変わった日常を想像するかもしれません。しかし、物語の最後に明かされるのは、父がすでに亡くなっているという事実。この日はお盆であり、父は年に一度だけ、娘に会いに来ていたのです。

切ない再会の物語でありながら、父と娘の間に流れる穏やかな愛情が、静かな感動を呼び起こします。

モノクロ兄弟

双子の老いた兄弟、クロとシロ。同級生の葬儀の帰り、二人は居酒屋で静かに酒を酌み交わします。見た目も性格も対照的な二人は、子供の頃の思い出や、互いへの積年の思いをぽつりぽつりと語り合います。

派手な展開はありませんが、長い年月を共に過ごしてきた兄弟だけが分かり合える、言葉にならない絆や後悔、そして愛情が丁寧に描かれます。人生の黄昏時を迎えた二人の背中に、自分自身の過去や未来を重ね合わせてしまう、味わい深い一編です。

夢見るかかし(前編・後編)

母に捨てられ、伯父の家で冷遇される幼い兄妹、ジャックとベティ。兄のジャックは、妹のベティを守ることだけを生きる支えにしていました。やがて成長したジャックは町を出ますが、ベティの心にはいつも「かかし」が寄り添っていました。

月日は流れ、ベティの結婚を知らされたジャックは故郷に戻ります。妹の幸せな姿を目の当たりにし、ようやく自分の呪いが解けたように感じるジャック。孤独だった兄妹がそれぞれの幸せを見つけ、過去を乗り越えていく姿が描かれます。誰かを守りたいという強い想いと、血の繋がりだけでは測れない家族の形を考えさせられる、感動的な物語です。

10月の箱庭

売れない小説家の篠田と、彼の家に身を寄せる親戚の少女。創作に行き詰まり、悪夢にうなされる篠田を、少女はただ静かに見守ります。物語は、篠田が見る「カラス」の夢と、少女の不思議な存在感が交錯しながら進んでいきます。

少女との共同生活を通して、篠田は次第に創作への情熱と生きる意味を取り戻していきます。謎めいた雰囲気の中に、再生と希望の光が差し込む、幻想的で美しい一編です。

それから

この物語は、表題作『式の前日』の2年後を描いたエピローグです。主人公は、姉弟が飼っていた一匹の猫。猫の視点から、結婚して家を出た「あの子」(姉)と、一人残された「あの人」(弟)のその後の日常が断片的に描かれます。

大きな事件が起こるわけではありません。ただ、静かに流れる時間の中に、新しい家族の誕生を予感させる出来事や、変わらない日常の愛おしさが猫の目を通して映し出されます。具体的な結末は描かれませんが、あの姉弟が確かに幸せな未来を歩んでいることを感じさせ、温かな余韻とともに物語の幕が下ります。

心揺さぶる仕掛け。各話に共通するテーマと演出

『式の前日』に収録された物語の多くは、「二人きりの特別な関係性」とその変化を描いています。姉と弟、父と娘、兄と妹──。社会的な役割や言葉だけでは定義できない、彼らだけの閉じた世界が、結婚や死によって終わりを迎える瞬間を切り取っています。

最大の特徴は、ラストで明かされる真相によって物語の前提が覆る「叙述トリック」的な演出です。読者が抱いていた先入観を鮮やかに裏切り、もう一度最初から読み返したくなる。この巧みな構成こそが、本作が多くの読者を魅了する理由でしょう。

『式の前日』はこんな人におすすめ!

  • 静かで感動できる漫画を読みたい人
  • 伏線回収や「どんでん返し」が好きな人
  • 切ないけれど、温かい気持ちになれる物語を探している人
  • 短編でサクッと読めて、深い余韻に浸りたい人

一つでも当てはまったなら、きっとこの作品はあなたの心に残る一冊になります。

『式の前日』をお得に読む方法

今回ご紹介した『式の前日』は、電子書籍ストア「コミックシーモア」で今すぐ読むことができます。1巻完結の短編集なので、気軽に購入できるのも嬉しいポイントです。

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よくある質問(FAQ)

Q. 『式の前日』は何巻までありますか?
A. 全1巻で完結している短編集です。この1冊で物語はすべて完結します。
Q. 泣ける漫画だと聞きましたが本当ですか?
A. はい。特に表題作『式の前日』や『あずさ2号で再会』は、切ない展開とラストの感動から「泣ける」と評価する声が多くあります。涙腺の弱い方はハンカチの準備をおすすめします。
Q. 恋愛要素は強いですか?
A. いわゆるキラキラした恋愛漫画とは異なります。家族愛や兄妹愛など、より広く深い「愛情」をテーマにした物語が中心です。恋愛に限らず、人と人との絆を描いた作品が好きな方におすすめです。

まとめ:読み終えた後に、もう一度読み返したくなる傑作

穂積先生の『式の前日』は、静かな筆致で「ふたりの関係」を深く描き、ラストの鮮やかな仕掛けで読者の心を鷲掴みにする傑作短編集です。

ネタバレを知ってから読むと、キャラクターたちの何気ないセリフや表情に隠された本当の意味に気づき、二度目の感動を味わうことができます。それはまるで、答え合わせをするように物語の深淵を覗き込む、特別な読書体験となるでしょう。

まだこの感動を味わったことがない方も、もう一度あの余韻に浸りたい方も、ぜひコミックシーモアで『式の前日』を手に取ってみてください。

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