【この記事の注意点】
この記事は、押見修造先生が描く漫画『ちーちゃん』の第1話から最終話までの重大なネタバレを含みます。また、作中には暴力的な描写や読者によっては不快に感じる可能性のある表現が含まれています。未読の方や、結末を知りたくない方はご注意ください。
『惡の華』や『血の轍』で知られる鬼才・押見修造先生が、映画『毒娘』の前日譚として描いた本作。不穏な空気に満ちた教室で繰り広げられる、息詰まるような物語の結末とは?この記事では、物語の全貌をあらすじと共に徹底解説します。
※本記事は2025年11月現在の情報に基づいています。
漫画『ちーちゃん』の作品概要
『ちーちゃん』は、2024年に公開された映画『毒娘』の原案・キャラクターデザインを担当した押見修造先生が、映画の前日譚として自ら描いたコミカライズ作品です。講談社の「コミックDAYS」にて連載され、読者に強烈なインパクトを与えました。
物語は、ある中学校の教室に、不登校だった少女「ちーちゃん」がボロボロの姿で現れるところから始まります。彼女の異様な存在感は、クラスメイトたちの平穏な日常を静かに、しかし確実に蝕んでいきます。
- 作者: 押見修造 / 内藤瑛亮・「毒娘」製作委員会
- 出版社: 講談社
- 掲載誌: コミックDAYS
- ジャンル: 青年マンガ、サスペンス、人間ドラマ
『ちーちゃん』はどこで読める?配信状況まとめ
漫画『ちーちゃん』は、単行本(電子書籍)が全1巻で完結しており、コミックシーモアで配信中です。物語のすべてがこの1冊に凝縮されているため、一気に読むことができます。
映画『毒娘』を観る前でも、観た後でも、本作を読むことで物語の深みが一層増すこと間違いなしです。まずは試し読みから、この不穏な世界の扉を開いてみませんか?
【完全ネタバレ】漫画『ちーちゃん』第1話から最終話までのあらすじ
ここからは、物語の核心に迫るネタバレ解説です。衝撃的な展開が続きますので、心して読み進めてください。
物語の始まり:不穏な少女「ちーちゃん」の登場
物語は、主人公の男子中学生・航大(こうだい)のクラスに、不登校だった少女「ちーちゃん」が突然現れる場面から始まります。ボロボロのジャージ姿、虚ろな目、そして手に持った虫の死骸…。彼女の異様な姿にクラスは騒然とします。
ちーちゃんの幼なじみである優愛(ゆあ)は彼女を心配しますが、周囲は遠巻きにするばかり。そんな中、正義感の強い航大は「俺たちがちーちゃんを助けよう」と提案し、優愛と共に彼女に関わっていくことを決めます。これが、後に取り返しのつかない悲劇へと繋がる第一歩でした。
深まる謎と歪む日常:ちーちゃんの奇行
航大と優愛が関わろうとしても、ちーちゃんの行動は理解不能なものばかり。カラスや芋虫といった虫の死骸を大切そうに持ち歩き、奇妙な言葉を発します。彼女の家庭環境にも問題があることが示唆され、ちーちゃんをめぐる不穏な空気はクラス全体に広がっていきます。
善意で手を差し伸べようとする航大と、どこか一線を引いてちーちゃんを「可哀想な子」として扱う優愛。二人の間にも微妙なすれ違いが生まれ始め、登場人物たちの関係性は少しずつ歪んでいきます。
エスカレートする狂気と決定的な事件へ
物語が終盤に近づくにつれ、ちーちゃんの行動はエスカレート。彼女が持つ暴力性や狂気が徐々に剥き出しになっていきます。航大は彼女を「救うべき対象」として英雄的に振る舞おうとしますが、その純粋な善意が、最悪の形で裏目に出てしまいます。
そして、ついに決定的な事件が発生。ちーちゃんが隠し持っていた恐ろしい秘密が、クラスメイトたちを巻き込み、物語は一気に破局へと突き進みます。この辺りの展開は、押見修造作品ならではの、目を背けたくなるほどの生々しさと緊張感に満ちています。
衝撃の最終話と残された謎
最終話、惨劇の果てに航大は大きな代償を払うことになります。教室で起こった出来事は、彼の心と身体に消えない傷跡を残しました。しかし、物語はここで完全な終わりを迎えません。
なぜ、ちーちゃんはあのような行動に出たのか?彼女をそうさせた本当の原因は何だったのか?多くの謎が残されたまま、物語は幕を閉じます。読後には「これで終わり?」という驚きと共に、言い知れぬ恐怖が残ります。そう、この漫画は、さらなる恐怖を描く映画『毒娘』への序章に過ぎないのです。
漫画『ちーちゃん』と映画『毒娘』の関係とは?
本作の最も重要なポイントは、映画『毒娘』の前日譚であるということです。
漫画で描かれたのは、ちーちゃんという少女がいかにして「毒娘」になったのか、その発端となる中学校での凄惨な事件です。漫画のラストシーンは、まさに映画の冒頭へと繋がる構成になっています。
つまり、漫画を読んでから映画を観ることで、
- なぜ、ちーちゃんが主人公一家の前に現れたのか?
- 彼女の過去に何があったのか?
- 彼女の行動の真意はどこにあるのか?
といった背景がすべて理解でき、物語を100%楽しむことができます。漫画で提示された謎の答えは、すべて映画で明かされるのです。
『ちーちゃん』に関するよくある質問
最後に、本作についてよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 漫画は何話で完結しますか?
A. コミックDAYSでの連載は全話完結しており、電子書籍では単行本1巻で完結しています。コミックシーモアで配信中の1巻を読めば、物語の結末まで知ることができます。
Q. 漫画の続きはどこで読めますか?
A. 漫画自体は完結していますが、物語の本当の続きは映画『毒娘』で描かれます。漫画は映画の「エピソード0」と考えると分かりやすいでしょう。
Q. グロい?読む前に注意すべき点はありますか?
A. 直接的なグロテスク表現よりも、精神的に追い詰められるような心理的ホラーの要素が強いです。しかし、暴力的なシーンや一部に性的な暴力を示唆する描写も含まれるため、そうした表現が苦手な方は注意が必要です。
まとめ:惨劇の序章を、まずは漫画で体感しよう
押見修造先生が描く『ちーちゃん』は、単なるホラーやサスペンスという言葉では片付けられない、人間の心の奥底に潜む闇をえぐるような作品です。
純粋な善意がいかに危ういものか、そして見て見ぬふりをする集団心理の恐ろしさ。短い物語の中に、強烈なメッセージが込められています。
映画『毒娘』の衝撃を何倍にも増幅させるこの前日譚。すべての始まりとなった惨劇を、ぜひあなたの目で確かめてみてください。


