犬と猿、決して交わらないはずの二匹が織りなす、切なくも美しい和風ファンタジー『けんえん。』(原作:風越洞/漫画:壱村仁)。
静かで心に沁みる物語は多くの読者の心を掴み、完結から時が経った2025年現在も、色褪せることのない魅力を放っています。
この記事では、『けんえん。』の全8巻にわたる物語のあらすじから最終巻の結末まで、重要なポイントを完全ネタバレで解説します。
「結末を知ってから安心して読みたい」「昔読んだけど内容を思い出したい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
【ネタバレ注意】
この記事には、漫画『けんえん。』の結末を含む、全巻のストーリーに関する重大なネタバレが含まれています。
まだ作品を読んでいない方は、ご注意ください。
『けんえん。』の作品概要
まずは『けんえん。』の基本的な情報をおさらいしましょう。
- タイトル:けんえん。
- 作者:風越洞(原作)、壱村仁(作画)
- 出版社:マッグガーデン
- 掲載誌:月刊コミックアヴァルス
- 巻数:全8巻(完結済み)
物語の美しさはもちろん、壱村仁先生が描く繊細で儚いイラストも大きな魅力です。
全8巻で完結しているため、物語の世界に一気に浸ることができます。電子書籍なら、今すぐ全巻まとめて読むことも可能です。
登場人物紹介
物語の核となる二人の主人公を紹介します。
- マシラ:猿の妖怪「獲猿(ましら)」の青年。ある事情から人間の娘を攫うという宿命を背負っていますが、心優しく、繊細な一面を持っています。母を探すことが彼の旅の大きな目的となります。
- 疾風(ハヤテ):マシラを退治するために寺から遣わされた霊犬。しかし、マシラと出会うことで彼の運命は大きく変わります。ぶっきらぼうに見えながらも情に厚く、次第にマシラにとってかけがえのない存在となっていきます。
本来であれば敵対するはずの「犬」と「猿」。この二人の関係性が、物語を通してどのように変化していくのかが最大の見どころです。
【巻別】『けんえん。』のネタバレあらすじ
ここからは、各巻のあらすじをネタバレありで解説していきます。物語の流れを追いながら、二人の旅路を振り返りましょう。
第1巻:出会いと奇妙な共同生活の始まり
物語は、静岡の見付村に「村の娘を攫う」という獲猿からの脅迫文が届くところから始まります。村を守るため、妖怪退治の専門家として派遣されたのは、霊犬の疾風でした。
しかし、犯人であるはずのマシラと対峙した疾風は、彼を討ち果たすことなく、なぜか奇妙な同居生活をスタートさせます。表面上は憎まれ口を叩き合う「犬猿の仲」ですが、共に過ごす時間の中で、二人の間には少しずつ不思議な絆が芽生えていくのでした。
第2巻:深まる絆と日常に潜む影
マシラと疾風の穏やかな日常が描かれる第2巻。川で助けた白い鰻からの恩返しなど、和風ファンタジーらしい心温まるエピソードが続きます。
しかし、その平穏な日々の裏では、妖怪としての宿命や周囲との関係性が、二人に小さな影を落とし始めます。互いの存在が当たり前になるほど、すれ違いや葛藤も生まれてくるのです。
第3巻:それぞれの過去と世界の広がり
物語は二人の内面に深く迫っていきます。疾風がなぜマシラといることを選んだのか、彼の過去が少しずつ明らかになります。一方、マシラも自身の出自や母への想いに向き合わざるを得ない出来事に遭遇します。
茸の妖怪など、個性豊かな人ならざる者たちとの出会いを通じて、『けんえん。』の世界はさらに奥深く、魅力的に広がっていきます。
第4巻:試される二人の関係
石妖にまつわる事件をきっかけに、マシラと疾風の間にこれまでで最大の亀裂が生じます。互いを想うがゆえの行動が、皮肉にも二人をすれ違わせてしまうのです。
ただの凸凹コンビではなかった二人の関係が、本物の「絆」なのかどうかを試される、シリアスで重要な巻です。
第5巻~第6巻:母を求めて旅立ちの時
すれ違いを乗り越え、より強い絆で結ばれたマシラと疾風。二人はついに、マシラの唯一の目的であった「母を探す旅」に出ることを決意します。頼もしい同行者も加わり、一行の旅が本格的に始まります。
旅の道中で出会う各地の神や妖怪たちとの交流は、二人を少しずつ成長させていきます。
第7巻:神の使いとして、己の役割と向き合う
旅の目的地である諏訪神社へ向かう一行。その道中で、彼らは古の神からある重要な依頼を託されることになります。
「神とは何か」「自分は何をすべきか」。マシラは自身の存在意義について深く向き合うことになります。そして、そんなマシラを隣で支える疾風もまた、大きな決意を固めるのでした。物語はクライマックスに向けて大きく動き出します。
第8巻:旅の終わり、そして二人の結末
長い旅路の果て、マシラはついに探し求めていた母との再会を果たします。そこで明かされる真実とは何だったのでしょうか。
母との再会を経て、マシラは「獲猿」としての自分と、疾風と共にいる未来をどのように受け入れるのか。そして、疾風が選び取る道とは。
物語は、これまでの旅の全てを祝福するような、静かで感動的な結末を迎えます。「犬猿の仲」から始まった二人の関係がたどり着いた最終的な形は、涙なしには読めません。彼らが紡いできた絆がもたらす温かい奇跡を、ぜひその目で見届けてください。
作品のテーマ・考察(ネタバレ込み)
『けんえん。』は単なる妖怪ファンタジーではありません。物語全体を通して、「異質な者同士の共存」や「血や種族を超えた絆」という普遍的なテーマが描かれています。
本来なら相容れない犬と猿、そして妖怪と人間。異なる存在が互いを理解し、受け入れ、かけがえのないパートナーとなっていく過程は、私たちに多くのことを教えてくれます。
また、タイトルである「けんえん」という言葉が、最終的にどのような意味を持つことになるのか。読み終えた後、もう一度タイトルを見返すと、その深い意味に胸が熱くなることでしょう。
『けんえん。』はこんな人におすすめ!
魅力あふれる『けんえん。』ですが、特に以下のような方に強くおすすめしたい作品です。
- 『夏目友人帳』のような、あやかしと人との交流を描いた物語が好きな方
- 派手なバトルよりも、キャラクターの繊細な心情描写を楽しみたい方
- 切なくも心温まる、感動できるストーリーを求めている方
- 美しい作画で描かれる和風ファンタジーの世界に浸りたい方
一つでも当てはまったら、きっとこの物語の世界に夢中になるはずです。
よくある質問
- Q. 『けんえん。』は何巻で完結しますか?
- A. 全8巻で綺麗に完結しています。2025年11月現在、続編などの情報はありません。
- Q. 最終回はハッピーエンドですか?
- A. 結末の受け取り方は人それぞれですが、多くの読者が納得し、感動できる心温まる結末となっています。二人の絆が最高の形で描かれているので、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
まとめ:ネタバレを読んだら、物語の世界へ
この記事では、『けんえん。』の全8巻のあらすじと結末をネタバレありでご紹介しました。
マシラと疾風、二人の出会いから旅の終わりまで、その軌跡は決して平坦なものではありませんでした。しかし、数々の困難を乗り越えたからこそ、彼らの絆は誰にも壊せないほど強く、美しいものになったのです。
ネタバレで物語の骨子を知った今だからこそ、キャラクターたちの細やかな表情やセリフの一つひとつが、より深く心に響くはずです。
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