昭和58年の雛見沢を舞台に、繰り返される惨劇と友情を描いた『ひぐらしのなく頃に』。その完全新作として多くのファンを驚かせ、そして再び絶望の淵に突き落とした『ひぐらしのなく頃に 業』。
アニメ版が大きな話題を呼びましたが、実は赤瀬とまと先生による漫画版も、アニメとは一味違った魅力と恐怖を内包した傑作として完結しています。この記事では、コミックシーモアで配信中の漫画版『ひぐらしのなく頃に 業』について、第1話から最終4巻までの内容を徹底的にネタバレ解説していきます。
アニメ版との違いや、漫画ならではの伏線、そして物語の核心に迫る考察まで、深く掘り下げていきましょう。
この記事の狙い(ネタバレ範囲・注意)
この記事は、漫画版『ひぐらしのなく頃に 業』の全4巻にわたる物語の結末を含む、完全なネタバレ記事です。まだ作品を読んでいない方、ご自身の目で惨劇の真相を確かめたい方は、ここから先はご注意ください。
本記事の目的は以下の通りです。
- 漫画版『業』のストーリーを章ごとに分かりやすく要約・解説する
- アニメ版との描写の違いや、漫画版オリジナルの魅力を伝える
- 物語に散りばめられた伏線や謎について考察する
- この記事を読んで、漫画版『業』に興味を持った方がコミックシーモアで作品を手に取るきっかけを作る
あの日の雛見沢で、一体何が起こっていたのか。新たなカケラの世界を一緒に覗いてみましょう。
コミックシーモアでの配信状況
漫画版『ひぐらしのなく頃に 業』は、電子書籍サイト「コミックシーモア」で全巻配信中です。物語は全4巻で綺麗に完結しており、一気に読み進めることができます。
- 巻数:全4巻(完結)
- 最新刊(4巻)配信日:2021年11月2日
アニメで衝撃を受けた方も、これから初めて『業』の世界に触れる方も、コミックシーモアならスマホやタブレットですぐに読むことが可能です。まずは無料の試し読みから、赤瀬とまと先生が描く雛見沢の空気を感じてみてはいかがでしょうか。
作品概要
- 原作:竜騎士07/07thExpansion
- 作画:赤瀬とまと
- ジャンル:少年マンガ、ミステリー、サスペンス・ホラー、アニメ化
原作・竜騎士07先生のシナリオを、赤瀬とまと先生が緊迫感あふれる筆致でコミカライズ。キャラクターの繊細な表情や、狂気に染まっていく過程の描写は、漫画ならではの魅力と言えるでしょう。
【ネタバレ】章・巻ごとのあらすじと重要シーン
ここからは、各編のストーリーを詳しく解説していきます。物語の核心に触れるため、改めてご注意ください。
鬼騙し編(漫画版 第1巻)
【要約】
昭和58年6月、雛見沢に越してきた前原圭一。レナや魅音たちと楽しい日常を送るが、ダム工事現場で「バラバラ殺人事件」の存在を知ったことから歯車が狂い始める。友人たちの不審な言動に疑心暗鬼を募らせた圭一は、かつての「鬼隠し編」をなぞるかのように、最悪の結末へと突き進んでいく。
【詳細ネタバレ】
物語は、私たちファンがよく知る「いつもの雛見沢」から始まります。部活メンバーとの他愛ないゲーム、祭りの準備。圭一がこの村での生活を心から楽しんでいる様子が丁寧に描かれるからこそ、後の惨劇がより一層際立ちます。
転機となるのは、ダム工事跡地での富竹との出会い。ここで圭一は、村でタブーとされる「バラバラ殺人事件」について聞いてしまいます。その日を境に、レナや魅音の態度がどこかおかしいと感じ始める圭一。「事件のことは知らない」と嘘をつき、何かを隠しているような素振りを見せる友人たち。過去のトラウマからくる圭一の猜疑心は、日増しに膨れ上がっていきます。
そして、運命の日。レナが自宅に訪れるシーンは、まさに悪夢の再来です。追い詰められた圭一は、自分を守るために、最も信頼していたはずの友人に手をかけてしまうのでした。
【重要伏線】
漫画版では、圭一が追い詰められていく心理描写が非常に濃密です。特に、なぜ彼が友人たちを信じきれなかったのか、その内面の葛藤に多くのページが割かれており、読者は圭一の視点に深く感情移入させられます。この編の結末は、旧作を知る者にとっては「またか」と思わせるものですが、その裏には新たな惨劇の黒幕が存在することを匂わせています。
綿騙し編(漫画版 第2巻)
【要約】
「鬼騙し編」とは異なるカケラの世界。圭一は、魅音の双子の妹・詩音と親しくなる。綿流しの祭りの夜、詩音たちと祭具殿に忍び込んだことから、再び惨劇の連鎖が始まる。園崎家の闇、そして梨花の不穏な言葉。この世界の悲劇は、かつての「綿流し編」とは似て非なる、新たな悪意によって引き起こされる。
【詳細ネタバレ】
この世界では、圭一は詩音と出会い、魅音との三角関係のような状況に。双子ならではの入れ替わりトリックに翻弄されつつも、圭一は詩音に惹かれていきます。
問題の綿流しの夜。圭一は詩音、富竹、鷹野と共に、禁忌とされる祭具殿へ侵入。しかし、その直後から富竹と鷹野が失踪し、村には不穏な空気が漂い始めます。園崎家の次期頭首である魅音が事件に関与していると疑う詩音。圭一もまた、魅音の不可解な行動に疑念を抱きます。
梨花が「もう諦めた」と呟くシーンや、時折見せる冷たい表情(通称「黒梨花」)は、このループがただの繰り返しではないことを示唆します。やがて事態は園崎家を巻き込んだ大きな惨劇へと発展し、圭一は信じられない光景を目の当たりにすることになります。
【重要伏線】
アニメ版では声優の演技で魅音と詩音の入れ替わりが示唆されましたが、漫画版では表情やコマ割りの演出によって、読者のミスリードを巧みに誘います。「今、圭一と話しているのは本当に詩音なのか?」というサスペンスが、ページをめくる手を止めさせません。この編の悲劇は、一見すると園崎家の内部抗争に見えますが、その引き金を引いたのは全く別の存在であることが、後の編で明らかになります。
祟騙し編(漫画版 第3巻~第4巻)
【要約】
このカケラの世界で焦点となるのは、北条沙都子。叔父・鉄平の帰還により、沙都子は再び虐待という地獄に突き落とされる。圭一たちは沙ту子を救うため、大人たちや村を動かそうと奔走するが、事態は誰もが予想しなかった方向へ。大石の凶行、そして雛見沢を襲う大災害。希望が絶望に塗りつぶされる、衝撃の結末が待っている。
【詳細ネタバレ】
沙都子の叔父・鉄平が村に戻り、沙都子は学校に来なくなります。彼女が虐待されていると確信した圭一は、かつての失敗を繰り返さないと誓い、仲間たちと共に児童相談所や大人たちに働きかけます。その行動は村全体を巻き込む大きなうねりとなり、一時は沙都子を救い出せるかのように思われました。
しかし、綿流しの祭りの夜、全てが覆ります。刑事であるはずの大石が突如として銃を乱射し、村はパニックに陥ります。必死に抵抗する圭一たちですが、事態は最悪の結末、すなわち雛見沢そのものの壊滅へと向かっていきます。アニメで視聴者に衝撃を与えた「ラスト数分」の展開は、漫画版でも圧倒的な絶望感をもって描かれます。
【漫画版の決着】
全4巻で完結する漫画版『業』は、この「祟騙し編」の終幕で、一連の惨劇を引き起こした“真犯人”の存在を明確に示唆して物語を閉じます。なぜ梨花はループから抜け出せなかったのか。なぜ仲間たちは、旧作とは違う形で狂気に囚われたのか。その全ての答えに繋がるピースが、ここにあります。最終話の展開は、具体的な描写こそ避けますが、ある人物の歪んだ愛情と、梨花への執着が全ての元凶であったことを突き付け、読者に深い余韻と、続編への渇望を抱かせる見事な構成となっています。
主要キャラごとの変化&重要伏線まとめ
- 古手梨花:ループの記憶を持つ主人公。しかし『業』の世界では、なぜか惨劇を回避できません。漫画版では、彼女が次第に希望を失っていく表情や、諦めの感情がより丁寧に描かれており、その絶望の深さが伝わってきます。
- 竜宮レナ:「鬼騙し編」では圭一の疑心暗鬼の対象となります。彼女の狂気と純粋さが紙一重である様は、赤瀬とまと先生の画力によって鬼気迫るものに。彼女の行動の裏には、圭一を想う気持ちがあったのかもしれません。
- 北条沙都子:『業』全体のキーパーソン。「祟騙し編」での彼女の境遇は、物語の最大のトリガーとなります。彼女の苦しみを救おうとする圭一たちの行動が、皮肉にも最悪の結末を招いてしまう構成は、まさに『ひぐらし』の真骨頂と言えるでしょう。
漫画版(赤瀬とまと)とアニメ版(業/卒)の違い(読みどころ)
アニメ版『業』と漫画版『業』は、大筋のプロットは共有しつつも、表現方法や描写の重点が異なります。最大の違いは、キャラクターの心理描写の深さです。
アニメが映像と音で視聴者に衝撃を与える「体感型のホラー」だとすれば、漫画版はモノローグや表情のアップを多用し、登場人物の内面をじっくりと掘り下げる「心理型のサスペンス」と言えます。
例えば、圭一が疑心暗鬼に陥る過程や、沙都子が抱える葛藤など、アニメではスピーディーに展開された部分が、漫画ではより丁寧に描かれています。そのため、キャラクターの行動原理が理解しやすく、物語に深みを与えています。アニメを観た方でも、漫画版を読むことで新たな発見や解釈が生まれるはず。「なぜ、あのキャラクターはあんな行動を取ったのか?」その答えの一端が、漫画版には描かれています。
考察・残された謎
漫画版『ひぐらしのなく頃に 業』は4巻で完結しましたが、物語は全ての謎を解き明かしたわけではありません。むしろ、続編である『ひぐらしのなく頃に 卒』へと繋がる、最大の謎を提示して幕を閉じます。
- 真犯人の動機は何か? なぜ、梨花を雛見沢に閉じ込めようとするのか。その根源にある感情とは?
- 沙都子と“オヤシロさま”の関係は? 彼女が手に入れた力とは、一体何だったのか。
- このループする世界からの脱出方法は? 梨花と沙都子、二人の友情が行き着く先は…。
これらの謎は、ぜひご自身の目で漫画を読み解き、そしてアニメ版『卒』と比較しながら考察を深めてみてください。『ひぐらし』シリーズの面白さは、こうしたメディアミックス展開の中で、異なる視点から物語を味わえる点にもあるのです。
まとめ:惨劇の真相を、その目で確かめてください
この記事では、漫画版『ひぐらしのなく頃に 業』の全4巻にわたるネタバレと、アニメ版との違いについて解説しました。
赤瀬とまと先生が描く漫画版は、アニメ版の衝撃を補完し、キャラクターたちの心情をより深く理解させてくれるもう一つの『業』です。緊迫感あふれる作画で描かれる雛見沢の惨劇は、一度読んだら忘れられない強烈なインパクトを残します。
ネタバレを読んで少しでも気になった方は、ぜひコミックシーモアで本編を手に取ってみてください。無料の試し読みだけでも、その世界の魅力に引き込まれるはずです。繰り返される絶望の先にある“答え”を、あなた自身の目で見届けてみませんか?


