芸能界の光と闇を圧倒的なリアリティで描き、社会現象を巻き起こした【推しの子】。その衝撃的な物語は、2024年11月に発売された週刊ヤングジャンプにて、全166話をもってついに完結を迎えました。
この記事では、第1話の衝撃的なプロローグから最終話の結末まで、【推しの子】の物語の全てを徹底的にネタバレ解説します。復讐の果てにアクアとルビーがたどり着いた真実とは?黒幕の正体は?全ての伏線が回収される瞬間を、この記事で追体験してください。
【ご注意】
この記事には、【推しの子】の最終話までの重大なネタバレが含まれています。未読の方は、まず作品を読んでからこの記事に戻ってくることを強くおすすめします。息をのむ展開の数々を、ぜひご自身の目で確かめてください。
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【推しの子】とは?作品の基本情報
まずは【推しの子】の基本情報をおさらいしましょう。
- タイトル:【推しの子】
- 作者:赤坂アカ(原作)、横槍メンゴ(作画)
- 連載期間:2020年4月~2024年11月
- 完結情報:全166話、単行本は全16巻で完結
- ジャンル:青年マンガ、サスペンス、人間ドラマ、芸能界
『かぐや様は告らせたい』の赤坂アカと、『クズの本懐』の横槍メンゴという豪華タッグによって生み出された本作は、単なるアイドル漫画でも転生ものでもありません。きらびやかな芸能界の裏に渦巻く嫉妬、嘘、そして復讐を、サスペンスフルに描いた唯一無二の作品です。
各章ごとのあらすじを完全ネタバレ解説
ここからは、【推しの子】の物語を章ごとに区切り、第1話から最終話までの流れを詳しく解説していきます。
序章:始まりの嘘と悲劇(第1話~第10話)
物語は、産婦人科医のゴローが、彼の“推し”であるアイドルグループ「B小町」のセンター・星野アイの担当医になるという衝撃的な場面から始まります。アイが秘密裏に双子を妊娠していることを知り、彼女のアイドルとしての人生を守ろうと誓うゴロー。しかし、出産予定日に謎のストーカーに襲われ、命を落としてしまいます。
次に彼が目覚めた時、ゴローはアイの息子・アクアマリン(アクア)に転生していました。さらに、双子の妹・ルビーには、生前のゴローが担当していた病弱な少女・さりなの魂が宿っていたのです。
前世の記憶を持ったまま、愛する母アイとの幸せな生活を送るアクアとルビー。しかし、その幸せは突如終わりを告げます。アイが、ゴローを殺したのと同じストーカーによって刺殺されてしまうのです。「愛してる」という言葉を初めて我が子に伝え、息を引き取るアイ。その悲劇を目の当たりにしたアクアは、アイの情報をストーカーに流したであろう「本当の父親」を見つけ出し、復讐することを誓います。
芸能界編:復讐への第一歩(第11話~第40話)
アイの死から十数年後。高校生になったアクアとルビーは、アイが所属していた苺プロダクションに引き取られていました。アクアは母の復讐の手がかりを探すため、ルビーは母のようなアイドルになるため、それぞれが芸能界への扉を開きます。
アクアは、恋愛リアリティショー「今からガチ恋始めます(今ガチ)」に出演。そこで出会った黒川あかねの類まれなるプロファイリング能力に目をつけ、彼女を復讐の駒として利用しようとします。一方、ルビーは有馬かな、MEMちょと共に新生「B小町」を結成し、アイドルの道を歩み始めます。
この章では、SNSでの誹謗中傷や炎上など、現代の芸能界が抱えるリアルな闇が描かれ、物語に一層の深みを与えています。
2.5次元舞台編:交錯する過去と現在(第41話~第66話)
アクア、有馬かな、黒川あかねは、人気漫画を原作とする2.5次元舞台「東京ブレイド」に出演します。この舞台は、彼らの人間関係と役者としての才能がぶつかり合う、物語の大きな転換点となりました。
アクアは、共演者たちの熱量に触れる中で、復讐のために捨てたはずの演技への情熱を再認識します。特に、有馬かなの天才的な演技は、アクアの心を大きく揺さぶりました。舞台を通して、キャラクターたちの過去や葛藤が明らかになり、それぞれの絆が深まっていく様子は、本作屈指の名シーンと言えるでしょう。
復讐編:黒幕への接近(第67話~第147話)
舞台の成功を経て、アクアの復讐計画は最終段階へと移行します。彼は、アイの過去を探る中で、自分たちの父親が劇団「ララライ」に所属していた俳優・カミキヒカルである可能性にたどり着きます。
カミキヒカルこそが、アイを妊娠させ、その情報をストーカーに流した黒幕なのか?真相を暴くため、アクアはアイの生涯を描く映画「15年の嘘」の制作を企画。自らがカミキヒカル役を演じることで、彼を公の場に引きずり出そうと画策します。
一方、ルビーもまた母の死の真相に迫っていました。母が遺したDVDからゴローの存在を知り、アクアがゴローの生まれ変わりであると確信したルビーは、兄が一人で復讐の重荷を背負っていることに気づきます。二つの黒い星を持つ瞳を輝かせ、彼女もまた復讐の舞台へと上がっていくのでした。
最終章:15年の嘘、そして結末へ(第148話~第166話)
ついにクランクインした映画「15年の嘘」。それは、星野アイの真実を世に問い、カミキヒカルを断罪するための、アクアが仕掛けた壮大な復讐劇でした。
撮影が進むにつれ、関係者たちの隠された過去や思惑が次々と暴かれていきます。そして、物語は誰も予想しなかった衝撃のクライマックスへ。アクアが長年追い求めた復讐劇が迎える結末とは。そして、全てが終わった後、残された者たちは何を想い、どう生きていくのか。
最終話で描かれるのは、あまりにも大きな代償の果てにある、静かな再生の物語です。ルビーが掴んだ“スター”としての輝きの裏にある、深い喪失と希望。この結末が“救い”なのか、それとも…。その答えは、ぜひご自身の目で最後まで見届けてください。
物語の核心!黒幕の正体と重要伏線
【推しの子】最大の謎であった「黒幕」の正体。それは、やはりアクアとルビーの実の父親であるカミキヒカルでした。
彼は、才能ある若い女性に近づいては破滅させることを愉しむ、サイコパス的な人物です。アイもその犠牲者の一人であり、彼はアイの情報をストーカーにリークすることで、彼女の死を間接的に引き起こしました。
物語の随所に散りばめられた伏線が、最終章で一気に回収されていく様は圧巻です。
- 瞳の星の意味:星野家の血筋に現れる瞳の星は、人を惹きつける才能の象徴。しかし、カミキヒカルの持つ「黒い星」は、その才能が歪んだ形で発現していることを示唆していました。
- アイの「愛してる」:生前、本当の意味で「愛してる」と言えなかったアイ。彼女が最期に子供たちへ伝えたこの言葉は、物語全体を貫くテーマとなっています。
- カラスの導き:物語の要所で登場する謎の少女(カラス)。彼女の正体と目的も、終盤で明らかになり、物語の神話的な側面を補強しています。
【推しの子】よくある質問(Q&A)
Q1. 結局、アクアの復讐は成功したの?
A. はい、アクアの計画通り、映画「15年の嘘」を通してカミキヒカルの罪を白日の下に晒すことには成功します。しかし、その結末は単純な成功譚ではなく、大きな犠牲と深い問いを残すものとなりました。
Q2. ルビーはどうなったの?
A. ルビーは、兄の復讐を見届けた後も、アイドル「B小町」としての活動を続けます。深い喪失を抱えながらも、母・アイを超える“スター”になるべく、ステージに立ち続けることを選びます。彼女の笑顔の裏にある覚悟が、物語のラストを締めくくります。
Q3. アクアは有馬かなと黒川あかね、どちらと結ばれる?
A. 恋愛模様も本作の魅力の一つでしたが、物語はアクアの恋愛の結末を明確には描いていません。復讐という過酷な運命を乗り越えた先で、彼が誰とどのような関係を築くのかは、読者の想像に委ねられています。それぞれのキャラクターが自分の足で未来へ歩み出す姿が描かれています。
衝撃のラスト…感想と考察
【推しの子】の結末は、読者の間で大きな議論を呼びました。「救いのある終わり方だった」という声もあれば、「あまりにもビターすぎる」という感想も見られます。
しかし、これこそが【推しの子】という作品の本質なのかもしれません。本作は一貫して、「嘘は武器だ」と語りながら、その嘘が人を傷つけ、同時に救うこともあるという矛盾を描いてきました。復讐の果てにハッピーエンドが待っているとは限らない。それでも人は、痛みを抱えながらも前を向いて生きていかなければならない。
アクアとルビー、そして彼らを取り巻くキャラクターたちが紡いだ「15年の嘘」の物語。その全ての意味を知った時、あなたはきっともう一度、第1話から読み返したくなるはずです。
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