日常に潜む小さな欲望が、世界を破滅へと導く――。鬼才・岬かいり先生が描く、予測不能のディストピア・オムニバスホラー『終末の箱庭』。そのあまりに救いのない展開と、読後に突き刺さる強烈な問いかけが、多くの漫画好きの間で話題となっています。
「結末はどうなるの?」「各巻のあらすじが知りたい」「読む前にどんな話か把握しておきたい」
そんなあなたのために、この記事では『終末の箱庭』の第1話から最新・最終巻である第6巻までのあらすじを、結末の核心に触れるネタバレありで徹底解説します。この記事を読めば、作品全体のテーマや伏線、そして衝撃のラストまで丸わかりです。
【注意】この記事には『終末の箱庭』の結末を含む重大なネタバレが含まれています。
まだ作品を読んでいない方、ご自身で結末を確かめたい方は、ブラウザバックを推奨します。まずは無料試し読みからどうぞ!
『終末の箱庭』作品概要
『終末の箱庭』は、私たちの日常と地続きにあるかもしれない「もしも」の世界を描いたSFホラーです。一話完結のオムニバス形式で、どの巻から読んでも楽しめますが、通して読むことで見えてくる巨大な世界観に圧倒されます。
作者:岬かいり
作者は、岬かいり先生。人間の心の奥底に潜む欲望や弱さを鋭く描き出し、読者を心地よい絶望へと突き落とす作風で知られています。その緻密なストーリーテリングと、一度見たら忘れられないキャラクター造形は、多くのファンを魅了しています。
コミックシーモアの配信状況
2025年11月現在、『終末の箱庭』は全6巻で完結しています。
国内最大級の電子書籍ストア「コミックシーモア」では、全巻が配信中。最終巻となる第6巻は2025年4月11日に配信が開始され、物語は圧巻のフィナーレを迎えました。今から読み始めるなら、一気に結末まで駆け抜けられます。
【ネタバレ】『終末の箱庭』の結末(ラスト)を先に解説
「で、結局どうなるの?」
先に結末だけ知りたいあなたのために、核心を解説します。
『終末の箱庭』のラストは、特定の主人公が世界を救うといった英雄譚ではありません。これまで各話で描かれてきた数々の悲劇――欲望を満たすための技術、歪んだ幸福、管理された社会――が、実はすべて繋がっていたことが明かされます。この世界そのものが、巨大な実験場、すなわち「箱庭」であったという真実が突きつけられるのです。
最終巻では、これまで断片的に提示されてきたモチーフが集約し、このディストピアが生まれた根源に迫ります。しかし、そこに明確な救いはありません。むしろ、人間の業の深さと、どこまでいっても逃れられない「終末」の連鎖を突きつけ、物語は幕を閉じます。読後に残るのは、希望か絶望か。その解釈は、読者一人ひとりに委ねられるのです。
【巻ごと】『終末の箱庭』のネタバレあらすじ
ここからは、各巻の収録エピソードのあらすじをネタバレありで紹介していきます。一話一話が独立した物語でありながら、どこかで繋がっている世界観を感じてください。
第1巻 ネタバレ:予測不能のディストピア、開幕
記念すべき第1巻は、「便利さ」と「欲望」が生み出した終末の始まりを描きます。遺伝子改良、徹底された教育プログラム、死者の魂を呼び戻す儀式…。人々が求めたはずの幸福が、いかにしておぞましい悲劇へと反転するのか。その様が鮮烈に描かれます。
- 主要テーマ:技術と管理社会の暴走、幸福の定義の歪み
- 怖さの種類:社会派ホラー、じわじわと常識が崩壊していく恐怖
- 読後感:「胸糞」という言葉がこれほど似合う作品はない、と思わされる強烈な読後感です。
第2巻 ネタバレ:承認欲求が世界を終末へ加速させる
「誰かに好きでいてほしい」「もっと注目されたい」「若さを保ちたい」。そんな誰もが持つ素朴な願いが、一度道を外れるとどこまで暴走するのか。第2巻では、承認欲求や嫉妬といった、より個人的な感情がテーマ。SNS時代の現代に生きる私たちにとって、他人事とは思えないエピソードが満載です。
- 主要テーマ:承認欲求の暴走、人間関係の崩壊
- 怖さの種類:心理ホラー、人間の嫉妬や執着心の怖さ
- 読後感:登場人物の愚かさに呆れつつも、自分の中にも同じ弱さがあることに気づかされ、ゾッとします。
第3巻 ネタバレ:人間崩壊SFホラー
もし、寝食を気にせず活動できる身体を手に入れたら?もし、自分の嫌な性格を機械で矯正できたら?第3巻は、身体改造や性格修正テクノロジーといった、よりSF色の強いテーマが中心です。「理想の自分」を追い求めた結果、人間としての尊厳やアイデンティティを失っていく人々の末路が描かれます。便利さの代償として失うものの大きさに、言葉を失うことでしょう。
- 主要テーマ:身体改造、アイデンティティの喪失
- 怖さの種類:ボディホラー、SFホラー
- 読後感:虚無感と絶望感が押し寄せます。「人間らしさ」とは何かを深く考えさせられる巻です。
第4巻 ネタバレ:最低最悪のハッピーエンド
「夢の技術」「奇跡のスーパーフード」「あなたを見守る最新ガジェット」。社会をより良くするはずだった発明が、人間の欲望と交わった時、最悪の地獄を生み出します。この巻のテーマは「最低最悪のハッピーエンド」。登場人物たちが手に入れた幸福の裏側にある、おぞましい真実が明かされた時、読者は本当の恐怖を味わうことになります。
- 主要テーマ:監視社会、技術がもたらす偽りの幸福
- 怖さの種類:風刺ホラー、不気味の谷的な恐怖
- 読後感:一見ハッピーに見える結末が、実は最も残酷であるという皮肉に満ちた読後感です。
第5巻 ネタバレ:人の弱さが破滅を生み出す
ワンランク上の生活への憧れ、面倒なことから目を背けたい責任回避。この巻で描かれるのは、ごくありふれた「人間の弱さ」です。ほんの少しの妥協や見栄が、ドミノ倒しのように連鎖し、取り返しのつかない破滅を引き起こしていく様は、まさに悪夢。登場人物たちの選択に「自分ならどうするだろうか」と考えずにはいられません。
- 主要テーマ:責任回避、社会システムの崩壊
- 怖さの種類:日常侵食系ホラー、人間の弱さが招く恐怖
- 読後感:自分自身の弱さを抉られるような、後味の悪さが特徴です。
第6巻(最終巻)ネタバレ:全ての点が線になる圧巻のラスト
ついに物語は完結へ。これまでバラバラの短編として描かれてきた全ての物語が、この最終巻で一つの大きな絵を完成させます。欲望、管理、技術、儀式…散りばめられてきたモチーフが収束し、『終末の箱庭』という世界の全体像が明かされます。
最終話の展開は、読者の予想を遥かに超えるものとなるでしょう。最後の1ページをめくるまで、あなたの心は抉られ続けます。果たして、この箱庭の住人たちに救いはあるのか。それとも…。その結末は、ぜひあなた自身の目で確かめてください。
主要なモチーフとテーマ考察
『終末の箱庭』は、ただ怖いだけのホラー漫画ではありません。作品全体を通して、現代社会が抱える問題に対する鋭い問いかけがなされています。
- 欲望と技術の暴走:人々を幸福にするはずの技術が、人間の無限の欲望と結びつくことで、いかに容易く凶器と化すかを描いています。
- 管理社会の恐怖:安全や効率の名の下に個人の自由が奪われ、人々が知らず知らずのうちに管理される世界の息苦しさを表現しています。
- 「幸福」とは何か:他者から与えられたり、技術によって作られたりする「幸福」は本物なのか。本当の幸福とは何かを読者に問いかけます。
- 人間の弱さ:物語の引き金を引くのは、いつも人間の見栄、嫉妬、怠惰といった「弱さ」です。これは、私たち自身への警鐘とも言えるでしょう。
これらのテーマが、オムニバス形式の各エピソードに巧みに織り込まれているのが、本作の大きな魅力です。
読む順番のおすすめは?
『終末の箱庭』は一話完結のオムニバス形式なので、気になる巻から読むことも可能です。
しかし、最もおすすめなのは、やはり第1巻から順番に読み進めることです。
巻を追うごとに世界の歪みが深まっていき、最終巻で全ての伏線が繋がるカタルシスは、順番に読んできたからこそ最大限に味わえます。まずは第1巻を読んでみて、その世界観に引き込まれたなら、ぜひ最後までお付き合いください。
よくある質問(FAQ)
- Q. 『終末の箱庭』は完結していますか?何巻まで出ていますか?
- A. はい、全6巻で完結済みです。2025年11月現在、コミックシーモアで全巻購入・閲覧が可能です。
- Q. どんな人におすすめの漫画ですか?
- A. 「胸糞漫画」や「後味の悪い話」が好きな方には間違いなくおすすめです。また、SF作家・星新一のショートショートや、海外ドラマ『ブラック・ミラー』、『世にも奇妙な物語』のような、少し不思議で風刺の効いた物語が好きな方にもハマるでしょう。
- Q. グロテスクな表現はありますか?
- A. 直接的なゴア表現よりも、精神的に追い詰められるような心理的な恐怖が中心です。ただし、一部のエピソードには身体が変容するような描写も含まれるため、苦手な方はご注意ください。
まとめ:救いのない世界で、あなたは何を思うか
ここまで、『終末の箱庭』のネタバレあらすじと結末について解説してきました。
本作は、安易な希望や救いを読者に与えてはくれません。むしろ、人間の愚かさや弱さを徹底的に描き出し、読後にはズシンと重い問いを残します。しかし、だからこそ本作は唯一無二の魅力を放っているのです。
怖いもの見たさでページをめくる手が止まらなくなる、中毒性の高いディストピアホラー。あなたもこの「箱庭」の住民になってみませんか?
衝撃の結末と、作品全体に仕掛けられた伏線の数々を、ぜひあなた自身の目で確かめてみてください。


