日本のホラー漫画界の巨匠・伊藤潤二が描く不朽の名作『うずまき』。一度読んだら忘れられない独特の世界観と、じわじわと精神を蝕む恐怖は、多くの読者を虜にしてきました。物語の舞台は、海沿いの静かな町「黒渦町」。しかし、この町は「うずまき」の呪いに取り憑かれていました。
この記事では、そんな『うずまき』の第1話から最終話(第18話+番外編)までの全話ネタバレあらすじを、物語の時系列に沿って徹底解説します。「結末が気になる」「昔読んだけど内容を忘れてしまった」という方は、ぜひ本記事で黒渦町に渦巻く怪異の全貌を追体験してください。
※本記事は作品の結末を含む重大なネタバレを記載しています。未読の方はご注意ください。
結論:『うずまき』の結末はどうなる?
物語の結末、それは黒渦町そのものが「うずまき」という巨大な呪いの一部であったという、抗いようのない真実です。主人公の五島桐絵と恋人の斎藤秀一は、町からの脱出を試みますが、空間はねじ曲がり、時間は無限に引き延ばされ、彼らは呪いの中心へと引きずり込まれていきます。
人々は異形の姿へと変貌し、町は巨大な螺旋遺跡と同化。絶望的な状況下で、桐絵と秀一が見つけ出す最後の答えとは…。それは救いなのか、それとも永遠の呪いのはじまりなのか。具体的な描写は伏せますが、伊藤潤二作品ならではの、美しくも恐ろしい破滅的なラストがあなたを待っています。
この衝撃の結末に至るまでの過程こそが『うずまき』の真骨頂。ぜひ原作でその目で確かめてみてください。
伊藤潤二が描く『うずまき』とは?作品概要
『うずまき』は、1998年から1999年にかけて『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載された伊藤潤二の代表作です。ごく普通の女子高生・五島桐絵の視点から、静かな町が「うずまき」という概念に侵食され、崩壊していく様が描かれます。
- 作者:伊藤潤二
- ジャンル:青年マンガ、ホラー、サスペンス
- 巻数:全3巻(完結)
- 配信状況:コミックシーモアにて全巻配信中
日常に潜む些細な違和感が、やがて町全体を巻き込むカタストロフへと発展していく展開は圧巻の一言。連作短編形式で様々な怪異が描かれつつ、すべてが一本の巨大な物語へと収束していく構成も見事です。
『うずまき』全話ネタバレあらすじを時系列で紹介
ここからは、物語の始まりから終わりまで、各エピソードのあらすじを解説していきます。黒渦町がどのようにして狂気に染まっていったのか、その軌跡を辿りましょう。
第1話〜第6話:うずまきの呪いの兆候
物語の序盤では、ごく一部の人々や場所に「うずまき」の呪いが現れ始めます。まだ町全体が異変に気づいていない、不気味な静けさが漂うパートです。
第1話「うずまきマニア:その1」
主人公・五島桐絵は、恋人・斎藤秀一の父親が路地裏でカタツムリの殻をじっと見つめている異様な光景を目撃します。彼はあらゆる「うずまき模様」の収集にのめり込み、その執着は常軌を逸していきます。
第2話「うずまきマニア:その2」
秀一の父の奇行はエスカレートし、ついには自らの身体を渦巻き状にして絶命。一方、彼の妻(秀一の母)は、夫の死をきっかけに極度の「うずまき恐怖症」に陥り、自らの指紋や内耳の三半規管にある渦巻きさえも破壊しようとします。
第3話「傷跡」
桐絵の同級生・関野は、秀一の気を引くために自分の額に三日月状の傷をつけます。しかし、その傷は次第に渦を巻き始め、やがて彼女の頭に巨大な渦巻きの穴を穿つのでした。
第4話「窯変」
桐絵の父親が営む陶芸工房。そこで作られる器には、おぞましい人面が渦巻く不気味な模様が浮かび上がります。それは、秀一の父の遺灰を混ぜた粘土が引き起こした怪奇現象でした。
第5話「ねじれた人びと」
桐絵の周りで、身体がねじれ合うカップルや、蛇のように絡みつく不良たちが現れます。人々の人間関係や肉体そのものが「ねじれ」始めていました。
第6話「巻髪」
桐絵の美しい髪が、意志を持ったかのように渦を巻き始めます。その妖しい髪は同級生の髪を吸収して成長し、桐絵自身の生命力さえも奪おうとします。
第7話〜第12話:町全体への呪いの拡散
中盤に差し掛かると、呪いは個人や家族の単位を超え、黒渦町の社会や自然現象にまで影響を及ぼし始めます。町から逃げられない閉塞感が強まっていきます。
第7話「びっくり箱」
クラスメイトの男子生徒が桐絵に執拗にアプローチしてきます。彼は桐絵を驚かせることに異常な執念を燃やし、交通事故で亡くなった後も、その執念は奇怪な形で桐絵を襲います。
第8話「ヒトマイマイ」
いじめられっ子の男子生徒の背中に、少しずつ渦巻き状のコブが出現。やがて彼は人間とカタツムリが融合した「ヒトマイマイ」へと変貌し、学校の壁や天井を這い回るようになります。
第9話「黒い灯台」
黒渦町の灯台が、不気味な光を放ち始めます。その螺旋階段の奥からはおぞましい音が響き、人々を狂気へと誘います。灯台守一家に隠された秘密とは…?
第10話「蚊柱」
夏、黒渦町に大量の蚊が発生。妊婦たちを執拗に襲い、彼女たちは吸血鬼のように血を求めるようになります。蚊が作る巨大な蚊柱は、やがて竜巻となって町を襲います。
第11話「臍帯」
産婦人科病院で、妊婦のへその緒が異常に伸び、胎児の栄養を奪う事件が発生。母親たちは自らの胎児を守るため、恐ろしい行動に出ます。
第12話「台風1号」
巨大な台風が黒渦町に接近。その台風の中心の目は、まるで桐絵を求めるかのように彼女を追跡します。台風は自然現象ではなく、町に渦巻く呪いそのものでした。
第13話〜第18話・番外編:黒渦町の崩壊と結末
物語は終盤へ。台風によってインフラは破壊され、町は孤立。住民たちは極限状態に陥り、黒渦町は法則の通用しない混沌の世界へと変貌していきます。
第13話「鬼のいる長屋」
家を失った桐絵一家は、町外れにある古い長屋に避難します。しかし、そこは人々が次々と「ヒトマイマイ」化していく呪われた場所でした。
第14話「蝶」
町の若者たちが、突風に乗って空を飛び回る「蝶族」と呼ばれる集団と化します。彼らは地上に残った人々を襲い、町はさらなる混乱に陥ります。
第15話「混沌」
長屋での生活も限界に達し、人々は食料を求めてさまよいます。もはや町の秩序は完全に崩壊し、誰もが生き残るために必死でした。
第16話「続・混沌」
桐絵の両親も「ヒトマイマイ」化の兆候を見せ始め、桐絵と秀一は二人だけで生き延びることを決意します。しかし、町の異変はさらに加速していきます。
第17話「脱出」
秀一の先導で、桐絵たちは町からの脱出を試みます。しかし、町の境界線は無限に伸び、どれだけ進んでも外に出ることはできません。黒渦町は、完全に外界から隔絶された迷宮と化していました。
第18話「迷路」
町全体が、巨大な螺旋状の遺跡へと変貌を遂げます。人々は壁と同化し、永遠に動けない石像のようになっていました。桐絵と秀一は、呪いの中心地である湖の底へと向かいます。
番外編「銀河」
本編とは少し毛色の違う短編。発見された新星雲「銀河」が、なぜか死者の魂を吸い寄せるという不思議な物語。うずまきの呪いの根源を示唆するような、幻想的で不気味なエピソードです。
物語の鍵を握る伏線・重要モチーフを考察
『うずまき』には、物語全体を貫くいくつかの重要なモチーフが存在します。これらを意識して読むと、作品の奥深さをより一層楽しめるでしょう。
- うずまき:本作の根幹をなすテーマ。カタツムリ、指紋、つむじ風、銀河など、自然界に存在するあらゆる螺旋が呪いの象徴として描かれます。それは生命の根源であり、同時に破滅へと導く力でもあります。
- 黒渦町:物語の舞台となる町。「黒い渦」という名前そのものが、町の運命を暗示しています。外界から隔絶された閉鎖的な空間であることが、恐怖を増幅させています。
- ヒトマイマイ:人間がカタツムリに変貌する怪異。ゆっくりと、しかし確実に進行する呪いの恐ろしさを象徴しています。自分の意志とは無関係に異形へと変わっていく様は、アイデンティティの喪失という根源的な恐怖を感じさせます。
アニメ化情報と原作との違いは?
2025年現在、『うずまき』は待望のアニメ化が実現し、多くのファンを熱狂させています。アニメ版は、伊藤潤二作品の特徴である緻密で禍々しい線画を再現するため、全編モノクロで制作されているのが最大の特徴です。
原作の持つ静かで不気味な雰囲気を忠実に映像化しており、声優陣の迫真の演技も相まって、原作ファンも納得のクオリティとなっています。大きなストーリーの改変はありませんが、映像ならではの動きや音響が加わることで、原作とはまた違った恐怖を体験できるでしょう。
『うずまき』に関するよくある質問(FAQ)
Q. 最終回で桐絵と秀一はどうなりますか?
A. 二人は呪いの中心で、永遠に終わらない時間の螺旋に囚われます。お互いの身体を絡ませ合い、決して離れることのない一つの存在となって、悠久の時を過ごすことを選びます。これはバッドエンドのようにも見えますが、二人にとっては唯一の救いだったのかもしれません。
Q. なぜ黒渦町は呪われたのですか?
A. 作中では明確な理由は語られません。しかし、町の地下に太古から存在する巨大な螺旋遺跡が呪いの根源であることが示唆されています。黒渦町は、定期的に「うずまき」の呪いが発現し、文明を飲み込んでは再生するというサイクルを繰り返しているのかもしれません。
Q. 『うずまき』はどこで読めますか?
A. 全国の書店や、各種電子書籍ストアで購入・閲覧が可能です。特におすすめなのが「コミックシーモア」です。全3巻が配信されており、いつでもどこでも『うずまき』の世界に浸ることができます。
読めばあなたも渦の中へ…『うずまき』の感想・考察
『うずまき』の最大の魅力は、逃げ場のない圧倒的な絶望感です。呪いはオカルト的な現象だけでなく、人々の心理や社会システム、さらには自然法則にまで侵食していきます。最初は他人事だった怪異が、気づけば自分自身の問題となり、抗う術もなく飲み込まれていく…。
この作品を読むことは、黒渦町の住民になることと同じです。ページをめくるたびに、あなたも「うずまき」の呪いに少しずつ蝕まれていく感覚を味わうでしょう。読み終えた後、日常にある何気ない「うずまき模様」が、すべて不気味に見えてくるはずです。
『うずまき』をお得に読むならコミックシーモアがおすすめ!
この記事を読んで『うずまき』を読みたくなった方には、電子書籍サイト「コミックシーモア」がおすすめです。全3巻が配信されているため、すぐに物語の最初から最後まで一気に楽しむことができます。
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