そして誰もいなくなった ネタバレ完全版(コミック版3巻まで)|登場人物・死亡順・犯人の動機を詳解

そして誰もいなくなった ネタバレ完全版(コミック版3巻まで)|登場人物・死亡順・犯人の動機を詳解 青年マンガ
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【ネタバレ注意】この記事は、2025年11月現在配信中のコミック版『そして誰もいなくなった』(原作:アガサ・クリスティー/漫画:二階堂彩)の結末を含む完全なネタバレを解説しています。犯人の正体や事件の全貌に触れていますので、未読で内容を知りたくない方はご注意ください。

ミステリーの女王アガサ・クリスティーが生んだ不朽の名作『そして誰もいなくなった』。孤島に集められた10人が、童謡になぞらえて一人ずつ殺されていく…という衝撃的なプロットは、今なお多くの読者を魅了し続けています。

この記事では、二階堂彩先生による美麗な作画で新たな命を吹き込まれたコミック版(全3巻)のあらすじと結末を、各巻ごとに徹底的にネタバレ解説。登場人物の死亡順から犯人の驚くべき動機、そして原作との違いまで、物語の核心に迫ります。

ネタバレなしの作品紹介|漫画『そして誰もいなくなった』とは?

漫画『そして誰もいなくなった』は、ミステリー小説の金字塔を、漫画家・二階堂彩がコミカライズした作品です。原作の持つ重厚な雰囲気と息詰まるようなサスペンスを、繊細かつ迫力のあるビジュアルで再構築しています。

物語の舞台は、外界から隔絶された孤島「兵隊島」。互いに面識のない10人の男女が謎の人物「U.N.オーエン」によって招待されます。しかし、彼らを待っていたのは豪華なもてなしではなく、過去の罪を告発する不気味な声と、童謡「十人の兵隊さん」の歌詞通りに進む連続殺人でした。

電話も船もない絶海の孤島で、一人、また一人と命を落としていく中、残された者たちは疑心暗鬼に駆られます。「犯人は、この中にいる…!」この究極のクローズドサークルで、一体誰が生き残るのか。そして、犯人の目的とは何なのでしょうか。

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コミック版『そして誰もいなくなった』は、電子書籍サイト「コミックシーモア」で全3巻が配信中です(2025年11月現在)。

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【巻ごとネタバレ】『そして誰もいなくなった』のあらすじと死亡順

ここからは、コミック版『そして誰もいなくなった』の物語を1巻から3巻(最終巻)まで、時系列に沿って詳しく解説していきます。登場人物たちがどのように追い詰められ、命を落としていくのか、その壮絶な軌跡を追っていきましょう。

1巻:招集、そして最初の犠牲者

物語は、年齢も職業も異なる8人の男女が、謎の人物「U.N.オーエン」からの招待状を受け取り、デヴォン州沖の孤島「兵隊島」へ向かう場面から始まります。島には執事のロジャースと、その妻で料理人のロジャース夫人がおり、招待客は合計10人。

豪華な夕食の最中、突如として蓄音機から謎の声が響き渡ります。その声は、その場にいる10人全員が、過去に法で裁かれなかった罪を犯した殺人者であると告発するのでした。

  • ヴェラ・クレイソーン(家庭教師):預かっていた子供を故意に溺死させた
  • フィリップ・ロンバード(元陸軍大尉):食料を奪うためアフリカの部族21人を見殺しにした
  • ジョン・ウォーグレイブ(元判事):被告に死刑判決を下すよう陪審員を誘導した
  • エミリー・ブレント(老婦人):妊娠したメイドを追い詰めて自殺させた
  • ジョン・マッカーサー(退役将軍):妻の不倫相手だった部下を戦死させた
  • エドワード・アームストロング(医師):飲酒手術で患者を死亡させた
  • ウィリアム・ブロア(元警部):無実の男に罪を着せ、獄死させた
  • アンソニー・マーストン(青年):危険運転で子供2人を轢き殺した
  • ロジャース夫妻(使用人):雇い主を適切な処置をせず見殺しにした

パニックに陥る一同。その直後、告発された罪を悪びれる様子もなかったアンソニー・マーストンが、青酸カリ入りの酒を飲んで絶命します。これが、童謡「十人の兵隊さん」に見立てた連続殺人の幕開けでした。

「十人の兵隊さんが食事に行った。一人が喉を詰まらせて、残りは九人」

さらにその夜、精神的なショックから眠り薬を飲んでいたロジャース夫人が、そのまま目覚めることなく死亡。テーブルの上に10体あった兵隊の人形は、いつの間にか8体に減っていました。島にいるのは自分たちだけ。犯人はこの中にいる…。生存者たちは、恐怖と疑念に囚われていきます。

2巻:加速する殺人劇と深まる疑心暗鬼

翌朝、生存者たちは島からの脱出が不可能であることを悟ります。船は来ず、外部との連絡手段もありません。彼らは完全に孤立していました。

そんな中、3人目の犠牲者が出ます。過去の罪に苛まれていたマッカーサー将軍が、後頭部を鈍器で殴られ殺害されているのが発見されます。続いて、薪割りをしていた執事のロジャースも斧で後頭部を割られ死亡。兵隊の人形は、着実に数を減らしていきます。

残された者たちは互いに疑いの目を向け、協力関係は崩壊。特に、敬虔なキリスト教徒でありながら冷酷なエミリー・ブレントは、周囲から強く警戒されます。しかし、そのエミリー・ブレントも、ハチに刺されたかのような痕を残し、青酸カリの注射によって殺害されてしまうのです。

犯人の正体が全く見えないまま、生存者たちは極限の心理状態に追い込まれていきます。ロンバードが護身用に拳銃を隠し持っていたことが発覚しますが、その拳銃もいつの間にか何者かに盗まれていました。誰もが、次に殺されるのは自分ではないかと怯えるのでした。

3巻(最終巻):偽装死、そして衝撃の結末へ

事態はさらに混迷を極めます。突然、リビングで額を撃ち抜かれたウォーグレイブ判事の死体が発見されます。しかし、これは後に判明する、犯人による巧妙な偽装工作でした。

その夜、アームストロング医師が姿を消します。残されたヴェラ、ロンバード、ブロアの3人は、アームストロングが犯人だと確信。しかし、翌朝、ブロアが何者かに大理石の置時計を頭上から落とされて死亡。そして、海岸では行方不明だったアームストロング医師の溺死体が発見されます。

島に残されたのは、ヴェラとロンバードの2人だけ。互いを犯人だと信じ込んだ2人は、ついに対峙します。ヴェラはロンバードから奪った拳銃で彼を射殺。ついに最後の1人となったヴェラは、罪悪感と疲労から放心状態で屋敷に戻ります。

彼女が自分の部屋に入ると、そこには首吊り用のロープが用意されていました。まるで何かに導かれるように、ヴェラは自ら首を吊って命を絶ちます。童謡の最後の歌詞通り、「そして誰もいなくなった」のです。

後日、島を捜索した警察は10人の死体を発見しますが、現場の状況から犯人を特定できず、事件は完全犯罪として迷宮入りになるかと思われました。しかし、漁船の網にかかった一通の瓶詰の手紙が、すべての真相を白日の下に晒すことになります。

【真相】犯人の正体と動機を徹底解説!

『そして誰もいなくなった』の真犯人、それはジョン・ウォーグレイブ判事です。

彼は自身の死を偽装し、生存者たちを混乱させながら犯行を続けていました。アームストロング医師を協力者として利用し、自分が死んだように見せかけた後、隙を見て彼を崖から突き落として殺害したのです。

ウォーグレイブ判事が残した手紙には、彼の歪んだ正義感と、犯行に至った動機が克明に記されていました。

彼は幼い頃から、人を死に至らしめることに一種の芸術的な快感を覚えるというサディスティックな性質を持っていました。しかし同時に、無実の人間を苦しめることには強い嫌悪感を抱くという、矛盾した正義感も持ち合わせていたのです。

判事として多くの死刑判決を下してきた彼は、法では裁くことのできない「殺人者」たちに、自らの手で完璧な「罰」を与えるという壮大な計画を思いつきます。末期の病に侵され、死期が近いことを悟った彼は、人生の集大成としてこの「兵隊島殺人事件」を計画・実行したのでした。

すべての招待客を童謡の筋書き通りに殺害した後、彼は最後のトリックを仕掛けます。それは、自身の自殺です。彼はロンバードの拳銃を使い、あたかもヴェラとの最後の対決の後に誰かに殺されたかのように見せかけて自殺。これにより、島には犯人が存在しないという、究極の不可能犯罪を完成させたのです。

漫画版ならではの魅力と原作との違い

原作小説もさることながら、二階堂彩先生によるコミック版には、視覚的な表現だからこそ味わえる独自の魅力があります。

  • 鬼気迫るキャラクターの表情:疑心暗鬼に駆られ、狂気に陥っていく登場人物たちの表情が実に巧みに描かれています。特に、追い詰められたヴェラの絶望的な眼差しは、読者の心に深く突き刺さります。
  • 息をのむような情景描写:嵐が吹き荒れる孤島の閉塞感や、静まり返った屋敷の不気味さが、美麗な作画によって見事に表現されており、物語への没入感を高めてくれます。
  • テンポの良い展開:全3巻というコンパクトな構成ながら、原作の骨子は忠実に再現されています。複雑な人間関係や伏線が整理され、非常に読みやすくまとまっています。

原作を読んだことがある方も、コミック版ならではの恐怖とサスペンスを味わうことができるでしょう。文字だけでは想像しきれなかったキャラクターの感情や、事件の臨場感を、ぜひその目で確かめてみてください。

まとめ:衝撃の結末はコミックシーモアで!

この記事では、コミック版『そして誰もいなくなった』のネタバレあらすじから、犯人の正体と動機までを詳しく解説しました。

ウォーグレイブ判事による、歪んだ正義感から生まれた完全犯罪。童謡になぞらえて次々と人が死んでいく巧みなプロットは、まさにミステリーの最高傑作です。

ネタバレを読んで物語の全貌を知った今だからこそ、伏線や犯人の巧妙な心理描写を楽しみながら読み返すことができます。二階堂彩先生の美麗な作画で描かれる、キャラクターたちの絶望と狂気の表情は必見です。

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