【ネタバレ】『この世界の片隅に』の結末は?原作漫画のあらすじを最終話まで徹底解説

【ネタバレ】『この世界の片隅に』の結末は?原作漫画のあらすじを最終話まで徹底解説 青年マンガ
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※この記事は、こうの史代先生の漫画『この世界の片隅に』の重大なネタバレを含みます。原作や映画を未鑑賞の方はご注意ください。

戦時下の広島・呉を舞台に、一人の女性の日常を丁寧に描き、国内外で高い評価を得た『この世界の片隅に』。その感動的な物語の結末や、主人公・すずを待ち受ける運命について、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

この記事では、原作漫画(全3巻)のあらすじを時系列に沿って、物語の始まりから最終話の結末まで詳しく解説します。映画版との違いや、物語に込められた深いテーマにも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

作品の基本情報『この世界の片隅に』とは?

『この世界の片隅に』は、漫画家こうの史代先生によって描かれた作品です。2007年から2009年にかけて連載され、単行本は全3巻で完結しています。昭和初期から戦中・戦後の日本を舞台に、主人公・すずの目を通して、ごく普通の「暮らし」と、その日常に忍び寄る戦争の影を淡々と、しかし力強く描いています。

2016年には片渕須直監督によってアニメーション映画化され、その丁寧な時代考証と心揺さぶるストーリーが絶賛を浴び、数々の映画賞を受賞。さらに長尺版『この世界の片隅に さらにいくつもの、この世界』も公開され、世代を超えて多くの人々の心に残り続けています。

【結論】『この世界の片隅に』の結末は?物語の終着点を先に解説

先に物語の結末を知りたい方のために、結論からお伝えします。

『この世界の片隅に』の物語は、主人公のすずが戦争によってかけがえのないものを失いながらも、戦後の世界で新たな家族と共に懸命に「暮らし」を続けていく、という形で幕を閉じます。単純なハッピーエンドではありませんが、絶望の中にも確かな希望と、日常の尊さを見出す、非常に余韻の残る結末となっています。

失ったものの大きさ、そしてそれでも続いていく日々の営み。そのコントラストが、この物語の核心にあるメッセージを力強く伝えています。ここからは、その結末に至るまでの道のりを詳しく見ていきましょう。

【ネタバレ】原作漫画のあらすじを時系列で全話解説

物語は、すずの少女時代から嫁入り、そして終戦後までを丁寧に追っていきます。ここでは原作漫画の全3巻をベースに、物語の流れを解説します。

【上巻】広島から呉へ――すずの新たな生活の始まり

物語は、広島市江波に住む絵を描くのが好きな少女、浦野すずののんびりとした日常から始まります。ぼーっとしていて少しそそっかしいけれど、心優しく、想像力豊かなすず。彼女はある日、突然の見合い話で、呉の海軍に勤務する青年・北條周作のもとへ嫁ぐことになります。

見知らぬ土地、見知らぬ人々。優しい夫の周作、厳しいけれど愛情深い義姉の径子、そして新しい家族との生活が始まります。慣れない家事や地域のしきたりに戸惑いながらも、すずは持ち前の明るさと工夫で、北條家の一員として懸命に日々を過ごします。

しかし、時代は少しずつ戦争の色を濃くしていきます。物資が不足し、配給制が厳しくなり、街には軍服を着た人々が増えていく。それでもすずは、限られた材料で美味しい食事を作ったり、もんぺを可愛らしく仕立て直したりと、ささやかな工夫で日常に彩りを添えようと奮闘します。この巻では、後に失われる「当たり前の日常」がいかに愛おしいものだったかが、温かい筆致で描かれています。

【中巻】忍び寄る戦争の影と失われる日常

戦況が悪化するにつれ、軍港の街・呉には頻繁に空襲警報が鳴り響くようになります。防空壕での避難が日常となり、すずたちの生活にも戦争の影が色濃く落ち始めます。

すずの幼なじみで、彼女に淡い恋心を抱いていた水原哲が水兵となって呉を訪れ、すずと周作の関係に小さな波紋を投げかけます。また、すずは遊郭で働く女性・リンと出会い、不思議な縁で心を通わせますが、彼女と周作の間には過去のつながりがあることが示唆されます。

人々の会話から「死」という言葉が当たり前に聞こえるようになり、すずが大切にしていた日常は少しずつ形を変えていきます。それでも人々はたくましく、ユーモアを忘れずに暮らしていましたが、物語は静かに、しかし確実に悲劇へと向かって進んでいくのです。

【下巻】喪失、終戦、そして――それでも続く「この世界」

呉への空襲は激しさを増し、ついにすずたちの身にも取り返しのつかない悲劇が訪れます。ある日、すずは時限爆弾の爆発に巻き込まれ、かけがえのない存在と、そして自身の「右手」を失ってしまいます。絵を描くことが好きだったすずにとって、それは世界の彩りを失うことに等しい出来事でした。

心を閉ざし、生きる気力さえ失いかけるすず。そして、運命の昭和20年8月が訪れます。広島に投下された新型爆弾の知らせ、そして玉音放送。日本は終戦を迎えます。

全てを失ったかのように思えたすずでしたが、残された家族と共に、瓦礫の中から再び立ち上がります。物語の最後、すずと周作は戦災孤児の少女を引き取り、新たな家族として歩み始めます。失ったものはあまりにも大きいけれど、この世界の片隅で、彼らの「暮らし」は続いていく。すずが失った右手で、それでも未来を描こうとする姿は、読者の胸に静かな感動と生きる力を与えてくれるでしょう。

この感動の物語を、ぜひあなた自身の目で確かめてみませんか?

すずと周作、リン…登場人物たちの想いと物語のテーマ

『この世界の片隅に』の魅力は、ただ悲劇を描くだけでなく、登場人物一人ひとりの心の機微を丁寧に描いている点にあります。

  • すずの「絵」:彼女にとって絵を描くことは、日常を記録し、世界とつながるための大切な手段でした。右手を失った後も、左手で絵を描き続ける姿は、どんな状況でも表現し、生きていこうとする人間の強さを象徴しています。
  • 周作の愛情:口数は少ないですが、周作のすずへの愛情は深く、物語全体を支える基盤となっています。彼がすずを「この世界の片隅で見つけてくれた」からこそ、この物語は始まったのです。
  • リンの存在:すずとは対照的な環境で生きるリン。彼女との交流は、すずの世界を広げ、物語にさらなる深みを与えています。映画の長尺版では彼女のエピソードが追加され、より重要なキャラクターとして描かれています。

この物語は、戦争という大きな歴史の流れの中で、名もなき普通の人々がどのように考え、感じ、生きていたのかを伝えてくれます。それこそが、本作が普遍的な感動を呼ぶ理由なのです。

原作漫画と映画版の決定的な違いは?

原作と映画版は、大筋のストーリーは同じですが、いくつかの違いがあります。

  • エピソードの取捨選択:映画は約2時間という尺に収めるため、原作の一部のエピソードが省略・再構成されています。
  • リンのエピソード:原作ではより重要な役割を担うリンですが、2016年版の映画では登場シーンが少なくなっています。しかし、長尺版『さらにいくつもの、この世界』では彼女に関するエピソードが大幅に追加され、原作のニュアンスにより近い形で描かれました。
  • 表現方法:漫画のコマ割りやセリフの妙、アニメーションの色彩や音響。それぞれ媒体の特性を活かした表現で物語が描かれており、両方を見ることでより深く作品世界を味わうことができます。

映画で感動した方こそ、原作漫画を読むことで新たな発見や感動が待っているはずです。

ネタバレを読んでも面白い!『この世界の片隅に』が心に響く理由

ここまでネタバレを読んでも、『この世界の片隅に』の魅力は色褪せません。なぜなら、この作品の本当の価値は、結末の衝撃だけにあるのではないからです。

すずが作る日々の食事、ご近所さんとの何気ない会話、季節の移ろい――。戦争の足音が聞こえる中でも確かに存在した「普通の暮らし」のディテールこそが、この物語の真髄です。その愛おしい日常を知っているからこそ、それが失われる瞬間の痛み、そして戦後も暮らしを続けようとする人々の姿が、より一層胸に迫るのです。

ぜひ、こうの史代先生が描く繊細な線と温かい物語を、原作漫画でじっくりと味わってみてください。

『この世界の片隅に』をお得に読む方法

『この世界の片隅に』の原作漫画(全3巻)は、電子書籍サイト「コミックシーモア」で読むことができます。

コミックシーモアなら、スマートフォンやタブレットですぐに購入して読めるので、気になった今が読み始めるチャンスです。初回登録でお得なクーポンがもらえるキャンペーンなども実施されているので、ぜひチェックしてみてください。

よくある質問(FAQ)

原作漫画は何巻で完結していますか?

原作漫画は上・中・下の全3巻で完結しています。コミックシーモアでは全巻まとめて購入することも可能です。

映画版と結末は同じですか?

物語の大きな結末(終戦を迎え、すずが暮らしを再建していく)は同じです。ただし、映画の尺に合わせて一部の描写が変更・省略されているため、細かい部分で印象が異なる場合があります。

この記事のネタバレは映画版/原作どちらの内容ですか?

この記事は、主にこうの史代先生による原作漫画(全3巻)のストーリーに基づいています。映画版との違いについても触れていますが、中心は原作の解説となります。