ウツボラ ネタバレ|全2巻のあらすじ&結末まとめ(誰が書いた?徹底考察)

ウツボラ ネタバレ|全2巻のあらすじ&結末まとめ(誰が書いた?徹底考察) 青年マンガ
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【ネタバレ注意】

この記事は、中村明日美子先生の漫画『ウツボラ』の全2巻にわたる物語の核心に触れる重大なネタバレを含みます。
まだ作品を読んでいない方は、ぜひ一度作品を読んでからご覧になることを強くおすすめします。

妖艶で退廃的な世界観で多くの読者を魅了する中村明日美子先生が描く、官能的ミステリー『ウツボラ』。

ある日、雑居ビルの屋上から飛び降りた謎の美女。彼女の死をきっかけに、人気作家・溝呂木舜の日常は、美しくも危険な渦の中へと引きずり込まれていきます。

「彼女は誰なのか?」「盗作された小説『ウツボラ』の本当の作者は?」

この記事では、全2巻で完結する漫画『ウツボラ』の第1話から最終話までのあらすじを、物語の時系列に沿って徹底解説。複雑に絡み合う登場人物の正体や、散りばめられた伏線の意味、そして衝撃的な結末について深く考察していきます。

ドラマ版との違いにも触れながら、この物語の核心に迫ります。

『ウツボラ』の作品情報と配信状況

『ウツボラ』は、2025年11月現在、コミックシーモアで全2巻が配信中です。完結済みのため、一気に物語の結末まで楽しむことができます。

  • 著者:中村明日美子
  • 出版社:太田出版
  • 巻数:全2巻(完結)
  • ジャンル:青年マンガ、サスペンス、ミステリー

物語の持つ独特な雰囲気に引き込まれたい方は、まず無料の試し読みからどうぞ。

『ウツボラ』のあらすじ(ネタバレなし)

人気作家・溝呂木舜は、新作『ウツボラ』を発表し、再び脚光を浴びていました。しかし、その裏では深刻なスランプに陥り、才能の枯渇に苦しんでいたのです。

そんな彼の前に現れた、亡くなったはずの美女「藤乃朱」と瓜二つの顔を持つ女性「三木桜」。彼女は『ウツボラ』の続きの原稿を持っていると告げ、溝呂木に妖しく迫ります。

飛び降りた女の正体は? 盗作疑惑の真相は? そして、桜と名乗る女の目的とは?

ひとりの作家の栄光と転落を軸に、愛と狂気、創作と模倣が絡み合う、官能的なミステリーが幕を開けます。

【ネタバレ】第1話から最終話までのあらすじを徹底解説

ここからは、『ウツボラ』の物語の核心に迫る詳細なネタバレを含みます。物語の結末まで解説しますので、ご注意ください。

物語の始まり|謎の美女の転落死と盗作疑惑

物語は、ある雑居ビルの屋上から一人の黒髪の美女が転落死する衝撃的なシーンから始まります。彼女の身元は不明。所持していた携帯電話には、人気作家・溝呂木舜と、「三木桜」という二つの名前だけが残されていました。

時を同じくして、溝呂木は新連載小説『ウツボラ』を発表します。しかし、その内容は、彼がかつてファンレターで受け取った無名の作家の原稿を盗用したものでした。才能の枯渇に悩む溝呂木は、禁断の果実に手を出してしまったのです。

そんな彼の前に、死んだはずの美女とそっくりな女性が現れます。彼女は「三木桜」と名乗り、亡くなったのは双子の姉「朱」だと告げるのでした。

Volume1|深まる謎と溝呂木を翻弄する「桜」

桜は、姉が書き遺した『ウツボラ』の続きの原稿をちらつかせ、溝呂木に近づきます。彼女の妖しい魅力と、盗作が発覚することへの恐怖から、溝呂木は桜との共犯関係に溺れていきます。

一方で、転落死事件を追う刑事たちは、被害者の身元が「藤乃朱」というペンネームで活動していた作家であることを突き止めます。さらに、彼女の部屋からは溝呂木宛てのファンレターの束が発見され、二人の関係性に疑いの目を向け始めます。

編集者、刑事、そして桜。様々な人々の思惑が交錯する中、溝呂木は徐々に精神的に追い詰められていきます。「桜」と「朱」、二人の女性の正体は一体何なのか。物語は読者を巧みに惑わせながら、謎を深めていきます。

Volume2|明かされる真相と衝撃の結末

物語の終盤、全てのピースがはまっていきます。「藤乃朱」の正体は、溝呂木の熱狂的なファンであった女性・秋山富士子でした。彼女は溝呂木に認められたい一心で『ウツボラ』を執筆し、彼に送っていたのです。

そして、溝呂木の前に現れた桜の正体。彼女もまた、富士子と同様に溝呂木に執着する別の人物でした。彼女は富士子を利用し、整形させ、「藤乃朱」という存在を創り上げた黒幕だったのです。飛び降りたのは、計画の駒でしかなかった富士子でした。

すべての真相を知った溝呂木は、作家としてのプライドも未来も失います。彼が最後に選んだ道とは…。そして、すべてを操っていた桜が迎える結末は…。

最終話では、創作とは何か、作家にとって書くこととは何かを問いかけるような、静かでありながらも強烈な余韻を残して物語は幕を閉じます。誰が本当の意味で『ウツボラ』という物語を生み出したのか、その解釈は読者一人ひとりに委ねられるのです。

『ウツボラ』の登場人物まとめ|誰が誰なのか?

『ウツボラ』は登場人物の関係性が複雑です。ここで主要な人物を整理しておきましょう。

  • 溝呂木 舜(みぞろぎ しゅん)
    本作の主人公である人気作家。スランプに陥り、送られてきた他人の原稿『ウツボラ』を盗作してしまう。
  • 三木 桜(みき さくら)
    飛び降りた朱の双子の妹と名乗り、溝呂木に接近する謎の美女。物語を大きく動かすキーパーソン。
  • 藤乃 朱(ふじの あけみ)
    物語冒頭で謎の転落死を遂げる女性。『ウツボラ』の本来の著者とされる。
  • 秋山 富士子(あきやま ふじこ)
    溝呂木の熱狂的なファン。彼女こそが「藤乃朱」の正体であり、『ウツボラ』の原稿を送った人物。

『ウツボラ』の伏線・トリックを徹底考察

本作には多くの謎や伏線が散りばめられており、読了後も様々な考察が楽しめます。ここでは特に重要なポイントを解説します。

考察①:『ウツボラ』を書いたのは誰?

物語の最大の謎、「本当の作者は誰か」。作中の原稿を書いたのは秋山富士子(=藤乃朱)で間違いありません。しかし、彼女を操り、溝呂木を追い詰めるシナリオを描いたのは桜です。さらに、その物語を世に出し、完成させたのは盗作者である溝呂木自身です。

一人の作者が生み出したというよりも、複数の人間の欲望や執着が絡み合い、結果として『ウツボラ』という作品が生まれた、と解釈するのが最も自然かもしれません。作者の「死」と作品の「誕生」が描かれる、非常に皮肉な構造になっています。

考察②:桜と朱の関係は?二人は同一人物なのか?

作中では、桜が「朱は双子の姉」だと語りますが、これは嘘です。実際には、桜(本名不明)が、全くの他人であった秋山富士子を整形させ、「藤乃朱」という架空の人物を作り上げました。

つまり、桜と朱(=富士子)は血縁関係のない全くの別人です。しかし、桜の計画によって、二人は「同じ顔を持つ存在」として溝呂木や周囲を混乱させました。この巧みな「なりすまし」と「入れ替わり」のトリックが、本作のミステリーの根幹をなしています。

原作漫画とドラマ版の違いは?

『ウツボラ』は2023年にWOWOWでドラマ化されました。主演は前田敦子さんです。ドラマ版は、原作の持つ退廃的でミステリアスな雰囲気を忠実に再現しつつ、映像ならではの表現や、一部のキャラクター設定にオリジナルの解釈が加えられています。

基本的なプロットは原作に沿っていますが、結末の描き方などに違いが見られます。原作漫画を読んだ後にドラマを観る、あるいはその逆も、二度楽しめるのでおすすめです。

『ウツボラ』のよくある質問(Q&A)

Q. 『ウツボラ』は結局誰が書いたの?
A. 原稿を執筆したのは溝呂木のファンである「秋山富士子」です。しかし、彼女を操り、物語全体を仕掛けたのは「桜」であり、それを盗作し世に出したのは「溝呂木」です。誰か一人を「作者」と断定できない、複雑な関係性が描かれています。

Q. 桜と朱は同一人物ですか?
A. いいえ、別人です。桜が、秋山富士子という女性を整形させて「朱」という架空の存在を作り上げました。二人は同じ顔をしていますが、血縁関係はありません。

Q. 結末で溝呂木はどうなったのですか?
A. 作家としての生命を絶たれた溝呂木は、自ら命を絶つことを選んだと示唆されています。彼の最後の選択は、物語のテーマである「書くこと=生きること」を象徴する、悲劇的な結末と言えるでしょう。

『ウツボラ』は読むべき?感想とおすすめポイント

『ウツボラ』は、単なる盗作ミステリーではありません。「創作とは何か」「オリジナリティとは何か」という、物作りに関わる人間の根源的な問いを突きつけてくる作品です。

中村明日美子先生の描く、息をのむほどに美しい線と官能的な描写は、登場人物たちの歪んだ愛情や狂気を鮮烈に描き出します。全2巻と短いながらも、読後にずっしりと心に残る濃密な物語体験が待っています。

一度読んだだけでは理解しきれないほどの伏線が張り巡らされており、再読することで新たな発見があるのも魅力の一つです。

少しでも気になった方は、まずは無料試し読みで、この妖しくも美しい世界観に触れてみてください。きっと、あなたもこの物語の渦に引き込まれるはずです。