「感情を持たない男」が、なぜ凶悪犯罪者を“裁く”のか——?
この記事では、原作・首藤瓜於、作画・外薗昌也による漫画『脳男』の壮絶な物語を、第1話から最終話まで徹底的にネタバレ解説します。
常人には理解不能な主人公・鈴木一郎(通称:脳男)の正体、精神科医・鷲谷真梨子との関係、そして息を呑む衝撃の結末まで、物語の核心に迫ります。映画版との違いも比較しているので、すでに映像で観た方も新たな発見があるはずです。
※この記事は作品の結末を含む重大なネタバレを記載しています。未読の方はご注意ください。
【ネタバレ】脳男のあらすじと結末を要約
物語の核心を先に知りたい方のために、まずは『脳男』のあらすじと結末を簡潔にご紹介します。
連続爆弾事件の容疑者として逮捕された身元不明の男、鈴木一郎。彼は一切の感情を見せず、驚異的な知能と身体能力を持つことから「脳男」と呼ばれます。精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の過去と謎に満ちた行動原理に迫っていきます。やがて、脳男は単なる犯罪者ではなく、法で裁けない悪を自らのルールで“粛清”する存在であることが判明。物語は病院内での新たな爆破事件、真犯人との対峙へと発展し、脳男の壮絶な過去と悲しい真実が明かされる衝撃のラストを迎えます。
この謎に満ちた物語の全貌を、今すぐその目で確かめてみませんか?
漫画『脳男』の作品概要
『脳男』は、第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の傑作ミステリー小説を原作とし、『鬼畜島』などで知られる鬼才・外薗昌也が漫画化した作品です。原作の持つ緻密なプロットと心理描写を、外薗先生ならではのシャープで緊張感あふれる筆致で描き出しています。
- 原作: 首藤瓜於
- 漫画: 外薗昌也
- ジャンル: 青年マンガ, ミステリー, サスペンス
- 出版社: 講談社
2013年には生田斗真主演で映画化もされ、大きな話題を呼びました。
コミックシーモアでの配信状況
2025年11月現在、漫画『脳男』はコミックシーモアで全1巻が配信中です。物語は1巻で完結しており、一気に読み通すことができます。息もつかせぬ展開を、ぜひ電子書籍でお楽しみください。
【ネタバレ】第1話から最終話までのあらすじ(物語の流れ)
ここからは、物語の展開を時系列に沿って詳しく解説していきます。
序章:感情なき容疑者の逮捕
物語は、地方都市で発生した連続爆破事件から始まります。犯人のアジトとされる場所で爆発が起こり、現場で一人の男が確保されます。彼の名は鈴木一郎。しかし、それは偽名であり、彼の身元を示すものは一切見つかりません。
取り調べに対し、彼は一切の感情を見せず、ただ事実だけを淡々と述べます。その異常な姿から、警察は彼を事件の重要参考人として精神鑑定にかけることを決定します。
第1章:精神科医・鷲谷と「脳男」の対峙
鈴木の精神鑑定を担当することになったのは、優秀な精神科医・鷲谷真梨子。彼女は様々なテストを行いますが、彼の回答はあまりに平均的で、まるで感情というものが欠落しているかのようでした。並外れた記憶力と分析能力、痛覚を感じないかのような身体。鷲谷は、彼が「生まれつき感情を持たない人間=脳男」なのではないかという仮説を立て、彼の過去に強く惹かれていきます。
第2章:病院に仕掛けられた新たな爆弾
鈴木が移送された病院で、事態は急変します。なんと、病院内に爆弾が仕掛けられていることが発覚するのです。パニックに陥る人々をよそに、鈴木は冷静に状況を分析し、驚異的な身体能力で危機を回避していきます。
この事件を通じて、鷲谷や担当刑事の茶屋は、鈴木が単なる爆弾魔の仲間ではないことに気づき始めます。彼の行動には、ある種の一貫したルール——「悪を排除する」という目的が見え隠れしていたのです。
第3章:真犯人・緑川の影と脱走
一連の爆破事件の真犯人は、緑川という快楽殺人者でした。緑川は護送中の鈴木を襲撃し、彼を解放します。しかし、それは仲間としての行動ではありませんでした。緑川にとって、脳男は自らの犯行を邪魔する“異物”であり、排除すべき対象だったのです。
混乱の中、鈴木は警察の監視下から姿を消します。彼の目的はただ一つ、真の悪である緑川を“裁く”ことでした。
最終章:裁きと衝撃の結末
鈴木は緑川のアジトを突き止め、最後の対決に臨みます。そこで、彼の壮絶な過去が断片的に明らかになります。彼がなぜ感情を失い、なぜ悪を裁く存在となったのか。その背景には、想像を絶する悲劇がありました。
物語のクライマックス、脳男が下す最後の“裁き”は、読者に強烈な問いを投げかけます。彼の行動は正義なのか、それとも狂気なのか。そして、彼を追い続けた鷲谷が見たものとは——。
脳男の結末を考察|彼に残されたものとは?
『脳男』の結末は、単純な善悪二元論では語れない、非常に深い余韻を残します。
具体的なエンディングをここで語ることは控えますが、注目すべきは、最後まで脳男を「人間」として理解しようと努めた鷲谷真梨子の存在です。彼女との関わりが、感情を持たないはずの脳男に、ほんのわずかな変化をもたらしたのかどうか。彼の最後の選択は、プログラムされた機械的な行動だったのか、それともそこに微かな“何か”が芽生えていたのか。
その答えは、ぜひご自身の目で確かめてみてください。物語を読み終えた後、きっと「正義とは何か」「人間とは何か」という問いが、あなたの心に深く突き刺さるはずです。
漫画と映画版の主な違い
生田斗真が主演を務めた映画版も非常に評価が高いですが、原作や漫画版とはいくつかの違いがあります。
- ストーリーの焦点: 映画版は、脳男と刑事・茶屋(江口洋介)のアクションや対決に重きが置かれています。一方、漫画・原作は鷲谷真梨子の視点から脳男の内面に迫る心理描写がより丁寧です。
- 登場人物の設定: 一部のキャラクター設定や役割が、映画独自の展開に合わせて変更されています。
- 結末のニュアンス: 大筋は同じですが、映画版はよりビターでハードな印象を残すエンディングとなっています。漫画版は、読者の解釈に委ねる余地がより広く感じられます。
映画を観て興味を持った方こそ、漫画版を読むことでキャラクターの心情をより深く理解でき、物語の世界にさらに没入できるでしょう。
『脳男』に関するよくある質問
- Q. 漫画は何巻まで出ていますか?
- A. 漫画『脳男』は全1巻で完結しています。コミックシーモアで一気読みが可能です。
- Q. 脳男の正体は結局何だったのですか?
- A. 彼の本名や過去は物語の終盤で明かされます。彼が「脳男」となった経緯こそが、本作最大の核心です。ぜひ本編でお確かめください。
- Q. 続編はありますか?
- A. 原作小説には続編や関連作品が存在しますが、2025年11月現在、外薗昌也先生による漫画版の続編は刊行されていません。
まとめ:『脳男』ネタバレ解説
漫画『脳男』は、ただのサイコ・サスペンスではありません。正義と悪、人間性と狂気の境界線を鋭く問いかける、重厚なヒューマンドラマです。
感情を持たない主人公が、なぜこれほどまでに読者の心を揺さぶるのか。その答えは、ページをめくるごとに明らかになります。
この衝撃と感動を、ぜひあなたも体験してください。コミックシーモアなら、今すぐに『脳男』の世界に飛び込むことができます。


