『早朝始発の殺風景』は、人気ミステリー作家・青崎有吾先生の傑作短編集を、山田シロ彦先生が美麗な筆致でコミカライズした青春ミステリーです。始発電車や放課後のファミレスといった日常に潜む「密室」で繰り広げられる、高校生たちの繊細で気まずい会話劇。その会話から小さな謎が解き明かされていく様は、一度読んだら忘れられない独特の余韻を残します。
この記事では、そんな『早朝始発の殺風景』のコミック版について、第1話から最終話までの全話ネタバレあらすじを徹底解説します。物語の結末や各エピソードの真相を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
コミックシーモアでの配信情報（全2巻）や、お得に読む方法もあわせてご紹介します。
『早朝始発の殺風景』の作品概要
『早朝始発の殺風景』は、まず原作小説が発表され、その人気からコミカライズ、そして実写ドラマ化へと展開された話題作です。
- 原作: 青崎有吾（集英社文庫）
- 作画: 山田シロ彦
- 連載サイト: となりのヤングジャンプ
- コミック発売日: 上巻 2022年11月17日 / 下巻 2023年6月19日
- ドラマ情報: 2022年にWOWOWにて放送・配信
日常に潜む「気まずさ」という名の謎を、高校生たちの会話だけで解き明かしていく構成が、多くの読者や視聴者から高い評価を得ています。
コミックシーモアでの配信情報
『早朝始発の殺風景』のコミック版は、電子書籍サイト「コミックシーモア」で上下巻（全2巻）が絶賛配信中です。
完結済みなので、一気に物語の結末まで読み進めることができます。まずは無料の試し読みで、作品の独特な空気感に触れてみてはいかがでしょうか？
【ネタバレ注意】
この先は『早朝始発の殺風景』の全話ネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
各話ネタバレ！全エピソードのあらすじと真相
本作は、同じ高校に通う生徒たちが主人公の連作短編集です。一話完結でありながら、すべての物語がゆるやかに繋がっています。
第1話「早朝始発の殺風景」
始発電車のボックス席。男子高校生の加藤木が座っていると、そこにクラスメイトで孤高の存在である女子生徒、通称「殺風景」が乗り込んできます。普段まったく接点のない二人。なぜ彼女がこんな時間に？ 互いの腹を探り合うように、気まずい会話が始まります。
加藤木は「部活の不正を隠すためのアリバイ作り」を、殺風景は「友人が被害に遭った事件の復讐」を、それぞれ胸に秘めていました。互いの嘘と本当の目的が、車窓の風景とともに静かに暴かれていくラストは鳥肌もの。爽やかな朝の空気とは裏腹の、不穏な余韻が心に残ります。
第2話「メロンソーダ・ファクトリー」
放課後のファミレスに集う女子グループ。話題はクラスTシャツのデザインについて。しかし、何気ない会話をきっかけに、彼女たちの間に流れる微妙な空気が一変します。キラキラした日常の裏に隠された、嫉妬や見栄、過去の小さなわだかまり。
メロンソーダの泡のように弾けては消える言葉の応酬の末に、グループ内のパワーバランスと、隠されていた本音が明らかになります。女子高生のリアルな人間関係が描かれた、ほろ苦い一編です。
第3話「夢の国には観覧車がない」
友人たちとはぐれ、男子後輩と二人きりで遊園地の観覧車に乗ることになってしまった女子生徒。密室と化したゴンドラの中で、後輩がなぜ自分を誘ったのか、その真意を探ろうとします。彼の言葉の端々から感じられるのは、純粋な好意なのか、それとも下心なのか…。
観覧車が頂上に近づくにつれて、二人の心の距離も変化していきます。勘違いと不器用さが交錯する、青春の甘酸っぱさともどかしさが詰まったエピソードです。
第4話「捨て猫と兄弟喧嘩」
主人公の麻は、雨の日に捨て猫を拾います。しかしアパート暮らしのため飼うことができず、別々に暮らす兄・直文に引き取ってもらおうと彼の家を訪ねます。しかし、兄の態度はなぜか頑な。
猫をめぐる会話を通して、両親の離婚によって生じた兄妹の間の溝や、兄が隠していた「猫を飼えない本当の理由」が少しずつ見えてきます。すれ違っていた家族の心が、猫をきっかけに再び歩み寄ろうとする、切なくも温かい物語です。
第5話「三月四日、午後二時半の密室」
卒業式を欠席したクラスメイトの家へ、卒業証書を届けに来た学級委員。招き入れられた部屋には、どこか張り詰めた空気が漂っています。時計が示す「午後二時半」という時間、部屋の様子、そして友人のぎこちない態度。すべてが何かを物語っているようでした。
学級委員は、友人が抱える繊細な問題に気づきます。卒業という節目に訪れた静かな密室で、二人は最後まで踏み込めない距離感を保ったまま、静かに別れの時を迎えます。
エピローグ・最終話の結末
これまでの物語に登場したキャラクターたちが、それぞれの場所で日常を送る様子が断片的に描かれます。各エピソードは独立しているようで、実は同じ街、同じ高校という舞台でゆるやかに繋がっていたことが明かされます。
特定のキャラクターのその後が明確に語られるわけではありません。しかし、彼らが経験した「気まずい時間」が、少しだけ彼らの明日を変えたのかもしれない…そんな想像を掻き立てる、希望と余韻に満ちたラストで物語は幕を閉じます。すべてのピースがはまった時、タイトルの本当の意味が心に染み渡るでしょう。
総評・感想｜気まずさが癖になる新感覚ミステリー
『早朝始発の殺風景』の最大の魅力は、殺人事件が起こるわけでもないのに、会話だけで極上のミステリーを構築している点です。高校生たちの何気ない言葉の裏に隠された嘘や本音、そしてそれが暴かれる瞬間のカタルシスは、まさに「日常の謎」系の醍醐味。
山田シロ彦先生の透明感あふれる作画が、原作の持つ繊細な空気感やキャラクターの心情を見事に表現しており、原作ファンも未読の方も間違いなく楽しめる一作です。気まずいのに、どこか心地よい。そんな不思議な読書体験を、ぜひ味わってみてください。
よくある質問（FAQ）
Q1. コミック（漫画）は全何巻ですか？
A1. コミック版は上・下の全2巻で完結しています。
Q2. ドラマはどこで見られますか？
A2. WOWOWで放送・配信されました。現在はWOWOWオンデマンドなどで視聴可能です。（2025年11月現在）
『早朝始発の殺風景』をコミックシーモアで読もう！
今回ご紹介した『早朝始発の殺風景』は、コミックシーモアで全巻配信中です。
「気まずさ」の先にある真相が気になった方は、ぜひコミックシーモアで一気読みしてみてください。無料の試し読みだけでも、この作品が持つ独特の魅力に引き込まれること間違いなしです！
