北海道の高校を舞台に始まる、高橋七美と矢野元晴の不器用で切ないラブストーリー『僕等がいた』。多くの読者の心を掴んで離さないこの物語は、単なる青春恋愛漫画にとどまらない、人生の痛みや喜びを描いた名作です。
高校時代のきらめくような恋、突然の別れ、そして数年後の再会――。二人の運命はどうなってしまうのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、『僕等がいた』の第1巻から最終巻(全16巻)までのあらすじを、ネタバレありで徹底解説します。物語の結末や、登場人物たちが迎える未来まで、一緒に物語の軌跡を辿っていきましょう。
【ご注意】
この記事は、漫画『僕等がいた』の結末を含む重大なネタバレを記載しています。未読の方や、ご自身で物語を楽しみたい方はご注意ください。
『僕等がいた』の作品概要
『僕等がいた』は、漫画家・小畑友紀先生による少女漫画です。小学館の「Betsucomi」で連載され、単行本は全16巻で完結しています。その人気は漫画だけに留まらず、テレビアニメ化、さらには実写映画化もされ、世代を超えて愛され続けている作品です。
物語は、主人公・高橋七美と、クラスの人気者でありながら心に深い影を持つ矢野元晴の出会いから始まります。二人の恋の行方を中心に、友人たちとの関係や家族の問題が繊細なタッチで描かれています。
現在、コミックシーモアをはじめとする電子書籍ストアで全巻配信されており、いつでもあの感動を味わうことができます。
物語の全体のあらすじ|出会いから再会までの軌跡
物語は大きく「高校編」と「社会人編」の二部構成になっています。
高校編では、北海道・釧路の高校に入学した高橋七美が、クラスメイトの矢野元晴と出会うところから始まります。矢野は女子の3分の2が好きになるというほどの人気者ですが、亡くなった元カノ・奈々の影を引きずっていました。七美はそんな矢野の脆さや優しさに惹かれ、二人は付き合い始めます。しかし、矢野の家庭の事情により、二人は東京と北海道という遠距離恋愛の末、連絡が途絶えてしまいます。
そして社会人編。矢野との連絡が途絶えてから5年後、東京で社会人になった七美の物語が再び動き出します。七美を想い続ける親友・竹内匡史との関係に揺れながらも、心のどこかでは矢野を忘れられずにいました。そんな中、ついに七美は矢野と再会を果たしますが、彼は七美の知っていた頃とはどこか違う雰囲気をまとっていました。空白の数年間に何があったのか。二人は過去を乗り越え、再び心を通わせることができるのでしょうか。
【巻別】『僕等がいた』全16巻のネタバレあらすじ
ここからは、各巻のあらすじを詳しくご紹介します。物語の名シーンを思い出しながらご覧ください。
第1巻~第4巻:高校編・出会いと恋の始まり
高校1年生になった七美は、新しいクラスで矢野元晴と出会います。最初は彼の軽薄な態度に反発する七美ですが、ふとした瞬間に見せる彼の寂しげな表情に心を奪われていきます。矢野が1年前に交通事故で亡くした元カノ・奈々の存在、そして奈々の妹・山本有里との複雑な関係を知りながらも、七美は矢野への想いを募らせ、二人は付き合い始めます。文化祭や夏祭りなど、甘酸っぱい高校生活を送りながらも、矢野の心の闇が時折二人の関係に影を落とします。
第5巻~第8巻:すれ違いと突然の別れ
高校2年生になり、二人の絆は深まっていきます。しかし、矢野の母親が再婚相手と上手くいかず、矢野は母親と共に東京へ引っ越すことが決まります。離れ離れになる不安の中、二人は将来を誓い合いますが、東京での新しい生活は矢野を精神的に追い詰めていきました。母親との関係が悪化し、生活は困窮。七美との連絡も次第に途絶えがちになり、ついに矢野は七美の前から完全に姿を消してしまいます。
第9巻~第12巻:社会人編・空白の時間と再会の予感
舞台は5年後の東京へ。七美は出版社で働き、矢野の親友であった竹内が同じ職場で働いています。竹内は高校時代からずっと七美を想い続けており、心の支えとなっていました。七美も竹内の優しさに惹かれかけますが、矢野のことが忘れられません。一方、矢野は東京で山本有里と同居し、彼女を支えることで自分の存在意義を見出そうとしていました。空白の5年間、矢野に何があったのか。その断片が少しずつ明らかになっていきます。
第13巻~第16巻:再会、そして物語の結末へ
同窓会をきっかけに、七美と矢野はついに再会を果たします。しかし、5年という時間は二人を大きく変えていました。素直になれないまま、お互いを傷つけ合う言葉をぶつけ合ってしまいます。矢野が背負ってきた重すぎる過去、そして彼を支えようとする山本。七美を想い続ける竹内。複雑に絡み合った想いが交錯する中、ある出来事をきっかけに、七美と矢野は再び向き合うことになります。果たして、遠回りした二人の恋は、どこへたどり着くのでしょうか。
物語の結末は?読者が気になる謎を徹底解説
多くの読者が気になっているであろう、物語の結末や謎について解説します。
Q. 矢野が七美の前から姿を消した本当の理由は?
A. 矢野が姿を消したのは、東京での過酷な生活と、母親の死が大きな原因です。母親との関係悪化や経済的な困窮に加え、その母親が自ら命を絶ってしまったことで、矢野は深い罪悪感と無力感に苛まれます。「幸せになってはいけない」と自分を責め、七美を幸せにできないと考えた彼は、彼女の前から姿を消すことを選びました。そして、同じく家族を失った山本有里を支えることが、自分にできる唯一のことだと考えてしまったのです。
Q. 最終的に七美と矢野は結ばれる?結婚は?
A. 物語のラスト、二人は多くの困難とすれ違いを乗り越え、再びお互いの手を取り合うことを決意します。
最終巻では、ある衝撃的な出来事が二人を再び引き合わせます。そこで矢野は、これまで隠してきたすべての苦悩と後悔を七美に打ち明け、七美もまた、彼を待ち続けた想いを伝えます。明確に結婚式などのシーンが描かれるわけではありませんが、過去を乗り越え、未来を共に歩んでいくことを誓い合う二人の姿で、物語は美しく幕を閉じます。それは、読者の心に温かい希望を残す、感動的な結末です。
主要キャラクターと関係性のまとめ
『僕等がいた』の魅力は、複雑に揺れ動くキャラクターたちの心理描写にあります。ここで主要な登場人物をおさらいしておきましょう。
| キャラクター名 | 人物像・関係性 |
|---|---|
| 高橋 七美 | 本作の主人公。明るく努力家な女の子。矢野と出会い、彼の抱える闇ごと愛そうとするが、運命に翻弄される。 |
| 矢野 元晴 | 本作のヒーロー。容姿端麗で人気者だが、過去のトラウマから心に深い傷を負っている。不器用で、大切な人を傷つけてしまうことも。 |
| 竹内 匡史 | 矢野の親友。優しく誠実な性格で、高校時代からずっと七美のことを一途に想い続けている。七美と矢野の関係を複雑な思いで見守る。 |
| 山本 有里 | 矢野の元カノ・奈々の妹。無口でミステリアスな雰囲気を持つ。姉の死後、矢野と特別な関係を築き、物語の鍵を握る人物となる。 |
アニメ・映画との違いは?原作漫画を読むべき理由
『僕等がいた』はアニメと実写映画も大ヒットしましたが、原作漫画には、映像化では描ききれなかった細やかな心理描写やモノローグが詰まっています。
特に、矢野が東京で過ごした空白の数年間の苦悩や、七美の心の揺れ動きは、原作漫画でこそ深く味わうことができます。アニメや映画を観て感動したという方も、ぜひ原作を手に取ってみてください。キャラクターたちの感情の機微がより深く理解でき、物語の世界にさらに没入できるはずです。
まとめ:『僕等がいた』は何度でも読み返したい不朽の名作
『僕等がいた』は、単なる恋愛物語ではありません。過去の傷とどう向き合うか、人を愛し続けることの難しさ、そしてそれでも未来へ歩み出す希望を描いた、壮大な人間ドラマです。
七美と矢野、そして二人を取り巻く人々の選択に、きっとあなたの心も揺さぶられることでしょう。まだ読んだことがない方はもちろん、かつて夢中になった方も、もう一度この感動的な物語に触れてみませんか?
コミックシーモアでは、お得なキャンペーンを利用して『僕等がいた』全16巻を読むことができます。まずは無料の試し読みから、二人の物語の世界を覗いてみてください。


