十四巻は西都編の重さから一段落ちて、都での日常が戻ってくる巻です。
謎解きと政治が続いた後のこの温度感が好きです。大きな事件があるわけではないのに、読み終えると「この先が見たい」という気持ちが自然に残る。静かに大事なことが積み重なっていく一冊です。
羅半兄が「俊杰さま」と呼ばれて真っ赤になる
名持ちの一族の会合で、辰の一族の男が姚に奇妙な恋文を送り続けるという問題が起きます。困っている姚を見た羅半兄が一肌脱いで決闘し、勝利します。
その後、燕燕が羅半兄に感謝を伝える場面で、本名「俊杰(ジュンジェ)さま」と呼ぶ。その瞬間に羅半兄の顔が真っ赤になります。
猫猫が目撃して「はっ?」となっているはずです。義兄がいつの間にか恋をしていた。この展開が十四巻の読み心地を軽やかにしています。羅半兄は西都編でも苦労の絶えなかった人物で、ようやく報われる気配がある。十三巻で苦労話を聞かされていた読者としては、素直に「よかった」と思えます。
猫猫が結婚を合理的に考え始める
十四巻で、猫猫が壬氏との結婚をより具体的に意識する場面が描かれます。
考え方が猫猫らしい。感情で「好き、だから結婚する」という方向には行かない。条件と状況を整理して、合理的に判断しようとする。その計算の奥に壬氏への感情があることは見えるのに、本人はそれを「合理的判断」として処理しようとしている。十二巻の「根負けしてやる」から一歩進んで、今度は「具体的にどうするか」を考え始めた段階です。
女華・天祐のご落胤問題が続く
十三巻から続く、女華と天祐が皇族のご落胤かもしれないという問題が十四巻でも動きます。翡翠の牌や書といった宝物が絡んできて、歴史的な背景が明かされます。
過去の出来事が現在の人物の身分に影響している構造は、この作品が一貫してやっていることです。十四巻ではそれが「名家の論理」という場で動く。宮廷の政治とは少し違う、一族同士の思惑が絡み合う場所で猫猫が冷静に立ち回る姿が見どころです。
まとめ
小説版十四巻のネタバレをまとめると、以下のとおりです。
- 名持ちの一族の会合で辰と卯の一族のトラブルを猫猫が解決する
- 羅半兄が燕燕に「俊杰さま」と呼ばれて恋に落ちる
- 女華・天祐のご落胤問題が続き、宝物(翡翠の牌・書)が絡む
- 猫猫が壬氏との結婚を合理的に考え始める
- 羅半兄をめぐる恋愛模様(姚・燕燕)が動き始める
十四巻は大きな事件がない巻ですが、サブキャラクターがちゃんと生きています。羅半兄の顔が真っ赤になる場面一つで、この作品への好感度がまた上がります。
